異世界物語〜銃を添えて〜
初のソロクエスト〜準備を添えて〜
少しの倦怠感が身体に包まれながら、俺はゆっくりとまぶたを開ける。
ここ数日はリーシャやキュアに叩き起こされていたが、今日は自分一人で目が覚めた。
身体を起こすと、キュアがまだ寝息を立てて寝ている。可愛らしい寝顔を少し眺めた後、起こさないように、ゆっくりとベッドから起き上がり、マテバを手に取る。
俺の夢の中に出てきてくれたマテバ。
この世界に来て、最初の危機に反応して俺の生きるすべを与えてくれた大事な存在だ。
感謝の気持ちを込めるように、俺はマテバに魔力供給をおこなう。
「ありがとうな、マテバ。これからも宜しく頼むよ」
そんなマテバは、魔力供給を受けながら、1つ光を放った……気がした。
その後、キュアが起きたので、朝食をとるために食堂まで降りていく。昨日よりも早い時間だった為、宿泊客がちらほらと見受けられた。俺はいつも通り隅の席に座り、朝食をとり、クエストに行く準備を始める。
今日は、この世界に来てから初のソロクエストに挑む日。
アリアやリーシャのサポートがなく、何かあれば自分一人で対処しなければいけない、何かあっても誰かが助けてくれるわけではないんだ。不安、恐怖が湧き上がると同時に、自分はどこまで戦えるようになったのだろうか、という興奮も覚える。
不意に、キュアが俺の手に寄りかかってくる。どうやら知らずのうちの手が震えていたようだった。心配そうな表情を浮かべながら、キュアが俺を見つめ、小さくキュ…と声を上げる。
「…ありがとキュア。心配してくれてるんだよな。キュアがいるから大丈夫だ」
「キュ…?キュアッ!」
任せてっ!と、胸を張るキュアを優しく撫でながら、心を落ち着かせる。
冒険者アイテムとポーション、干し肉、ナイフ、水袋、鞄。準備したものを一通り確認した後で、最後にマテバをホルスターにセットする。
これで、準備完了だ。
部屋の中で大きく深呼吸をし
「よし…、いくかキュア!」
「キュッキュイ!」
俺とキュアは部屋を出た。
階段を降り、受付に顔を出すとエマさんが居た。
「エマさん、おはようございます」
「ん?ああ、リョウさんかい。おはよう。今日はクエストに行くのかい?」
俺の姿を見てそう思ったのだろう、エマさんが聞いてくる。
「ええ。今日は初めてのソロですので…少し緊張してますが」
ソロという言葉を聞き、エマさんが少ししかめっ面になってしまった。
「ソロ…ね。気をつけて行ってくるんだよ?危ないと思ったらすぐ引き返してくるように」
その言葉には、俺のことを本当に心配してくれている様子が伺えた。
「もちろんですよ。またお土産持って来ますね。もしかしたら遅くになるかもしれませんので…その時は酒場で食事は済ませて来ますね」
そこまで言い、俺は部屋の鍵をエマさんへと預ける。
エマさんはその鍵を受け取り、もう一度気をつけるんだよ。と言ってくれた。小さく頷いた後、しっかりとエマさんの目を見て
「では…行ってきます!」
「はいよ、行ってらっしゃい!」
大きな声で俺を送ってくれたエマさんに、微笑みながら蒼の月亭を後にした。
ここ数日はリーシャやキュアに叩き起こされていたが、今日は自分一人で目が覚めた。
身体を起こすと、キュアがまだ寝息を立てて寝ている。可愛らしい寝顔を少し眺めた後、起こさないように、ゆっくりとベッドから起き上がり、マテバを手に取る。
俺の夢の中に出てきてくれたマテバ。
この世界に来て、最初の危機に反応して俺の生きるすべを与えてくれた大事な存在だ。
感謝の気持ちを込めるように、俺はマテバに魔力供給をおこなう。
「ありがとうな、マテバ。これからも宜しく頼むよ」
そんなマテバは、魔力供給を受けながら、1つ光を放った……気がした。
その後、キュアが起きたので、朝食をとるために食堂まで降りていく。昨日よりも早い時間だった為、宿泊客がちらほらと見受けられた。俺はいつも通り隅の席に座り、朝食をとり、クエストに行く準備を始める。
今日は、この世界に来てから初のソロクエストに挑む日。
アリアやリーシャのサポートがなく、何かあれば自分一人で対処しなければいけない、何かあっても誰かが助けてくれるわけではないんだ。不安、恐怖が湧き上がると同時に、自分はどこまで戦えるようになったのだろうか、という興奮も覚える。
不意に、キュアが俺の手に寄りかかってくる。どうやら知らずのうちの手が震えていたようだった。心配そうな表情を浮かべながら、キュアが俺を見つめ、小さくキュ…と声を上げる。
「…ありがとキュア。心配してくれてるんだよな。キュアがいるから大丈夫だ」
「キュ…?キュアッ!」
任せてっ!と、胸を張るキュアを優しく撫でながら、心を落ち着かせる。
冒険者アイテムとポーション、干し肉、ナイフ、水袋、鞄。準備したものを一通り確認した後で、最後にマテバをホルスターにセットする。
これで、準備完了だ。
部屋の中で大きく深呼吸をし
「よし…、いくかキュア!」
「キュッキュイ!」
俺とキュアは部屋を出た。
階段を降り、受付に顔を出すとエマさんが居た。
「エマさん、おはようございます」
「ん?ああ、リョウさんかい。おはよう。今日はクエストに行くのかい?」
俺の姿を見てそう思ったのだろう、エマさんが聞いてくる。
「ええ。今日は初めてのソロですので…少し緊張してますが」
ソロという言葉を聞き、エマさんが少ししかめっ面になってしまった。
「ソロ…ね。気をつけて行ってくるんだよ?危ないと思ったらすぐ引き返してくるように」
その言葉には、俺のことを本当に心配してくれている様子が伺えた。
「もちろんですよ。またお土産持って来ますね。もしかしたら遅くになるかもしれませんので…その時は酒場で食事は済ませて来ますね」
そこまで言い、俺は部屋の鍵をエマさんへと預ける。
エマさんはその鍵を受け取り、もう一度気をつけるんだよ。と言ってくれた。小さく頷いた後、しっかりとエマさんの目を見て
「では…行ってきます!」
「はいよ、行ってらっしゃい!」
大きな声で俺を送ってくれたエマさんに、微笑みながら蒼の月亭を後にした。
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント