異世界物語〜銃を添えて〜

八橋響

この世界とその仕組み〜小難しい話を添えて〜

 
「アリアさんいらっしゃいますか?」
「どちら様でしょうか〜……。って、リ、リョウさんですか?」
 のほほぉ〜んとした声色と表情を浮かべながら、アリアがドアを少し開いた。俺だと分かると急にシャキッとした表情を浮かべる。
 さっきののほほんとした感じでも全然構わないんだけどなぁ。
「突然すいません。ちょっとこの世界のことを色々とお伺いしたくて」
「あ、はい!どうぞ!」
 アリアに礼を述べ、家の中へと入る。一人でオレンジ茶でも飲んでいたのだろうか、柑橘系の香りが家の中に充満していた。
「どうぞおかけ下さい」
 そう言われ、椅子に座りアリアにオレンジ茶を淹れてもらった。
 一口飲む。
 やっぱりこのオレンジ茶は美味しいな。ほっとする味だ。
「それで…どう言った内容をお聞きしたいんでしょうか?私に分かることはお答え致しますよ!」
 同じく一口オレンジ茶を飲んだアリアが話を切り出してくれた。さて…、この世界のこと根掘り葉掘りと聞かせてもらおうじゃないか。
「では…、まずはこの世界のことについてなんですが──」


「───つまり、この世界は3つの大陸に分かれていて、ここアリシアがあるエレイユ王国は中央大陸に位置する場所にある。更に中央大陸は4つの国に分かれていて、エレイユ王国、メザーリオ王国、リステル王国、ファイリオ王国。この4つに分かれてる…と。それぞれ王国ごとに街などが複数存在していて、その中でもエレイユ王国はかなり大きい国。この認識でお間違い無いですか?」
「はい、その通りです!リョウさん凄いですね。一回で覚えちゃいました」
「アリアさんの教え方が上手なんですよ」
 これはお世辞でもなんでもなく、本当に上手だった。わかりやすく途中途中で大丈夫ですか?と何度も聞いてくれてたしな。
 冒険者じゃなかったら教師とか似合いそうなんだけどな。
 Yシャツに黒のスカート。メガネなんかかけて……。いかんいかんやめよう。褒められて照れているアリアに向けて、変な視線を送っていたら失礼極まりないしな。


 とりあえず、国についてはよく分かった。大陸が3つあって東大陸西大陸中央大陸になっているらしい。友好的なのかどうかまでは分からなかったが…異世界だもんな。きっと戦争みたいなこともあるんだろう。お国同士では争いもあるようだし、なかなか世知辛い世の中だ。
 後は聞きたかったことが…


「あの、アリアさん。魔力の最大量を増やしたり…スキルを覚えたり強化したりと言うのは出来るものなのでしょうか?それと、この世界に“レベル”というものはありますか?」
 魔力の最大量を増やせば、マテバをもっと強化できるかもしれないからな。戦いも優位に済みそうだし、その方法があるのであればもっと自身を強化していきたい。
 後は、スキルだ。リーシャが使ってる“腕力強化”等を覚えられるのであれば戦闘もかなり優位に立てるはず。どんな種類のスキルがあるのかも知っておきたいな。魔法もできることならば簡単な魔法を使ってみたい。


「そう…ですね。魔力を増やすには3つの方法があると言われています。一つは単純に“経験”を積むことです。戦闘や模擬戦、知識を増やすことにより魔力は上がると言われていますね。私も幼い頃は簡単な火魔法を一度発動しただけで、魔力の枯渇を起こしていましたが…今では数十発は撃てますので、これは間違い無いと思いますね。二つ目はアイテムによる強化です。これはリョウさんがつけてらっしゃる魔力増加の指輪なんかがそれに当たりますね。三つ目…これは正直危険性が高いのでオススメはしませんし、実証されていない物なのでそれだけ注意して下さいね。強力な魔法を直接受けたり、魔石を体内に取り込む事です。強力な魔法を受ければ怪我をしてしまいますし、最悪の場合死に至ります。魔石を体内に取り込む…この行為は禁止されていますので詳しくは知りません。これが私の知っている限りでの魔力を増やす方法ですね」


 アリアの説明を受けながら、オレンジ茶に手をつける。
 ふんふん…。まぁ一番は戦闘とかをするのがいいのかな?勿論のことだが3番目は却下だ。痛いのは嫌だし、魔石に体内に取り込むとか…魔物とかになっちまいそうだしな。
 一つ目と二つ目が有力だな。魔力強化の指輪はかなり珍しいもの見たいだったし…金額もかなり高価な物だからほいほい買えそうに無いからな。


 アリアもオレンジ茶を一口飲むと、次の質問に答えるべく口を開いた。


「スキルも三つほど…。一つは他人からスキルの方法を伝授したり、教本を読み自己流で覚える方法です。訓練所と言うものがありまして、そこで銀貨1枚で受けられます。ただしスキルは多数存在しますので全てのスキルを習得できるわけではありません。その人にあったスキル、その人にしか扱えないスキル…色々ありますよ。二つ目は、スキルスクロールを購入または入手しましてそちらを使用してスキルを覚える方法ですね。大半の方はこちらで覚える方が多いですね。物にもよりますが、基礎スキルであればこちらの方が安く済みますので…。三つ目です。こちらはこの世に生を受けた時から身につけている場合です。これはかなり稀なことですので中々ありません。
 そして、スキルについての注意事項です。スキルには得手不得手があります。ですので、スキルを習得できても使用できない場合もあるので、気をつけて下さいね。…それとその“れべる”と言うものは聞いたことがありません…お力になれずにすいません」


「いえいえ!アリアさんでも聞いたことがないと言うことがわかりましたので、大丈夫ですよ。それに国のこと、魔力上昇のこと、スキルのことを教えて頂きましたので、とても助かりました。ありがとうございます」
 これだけの事を教わったのに文句を言う奴なんているのだろうか?そんな奴が居るのだったら人としてどうかと思うけどな。
 ひとまず、知りたかった事は知れたな…。スキルの習得から手をつけていこうか?商業通りにでも行けば分かるだろうか。
「えっと…、スキル書は魔道具関連を取り扱って居るお店であれば置いていますよ?」
「あ、そうなんですね!ありがとうございます」
 わかりやすく困った顔でもしていたのだろうか?アリアさんが欲しがっていた情報をくれた。そうと決まれば…もう一度商業通りの方へと出向いてみるか。
 俺は淹れてもらっていたお茶を一気に飲み干した。


「アリアさんありがとうございました。とても勉強になりました。僕はこれから商業通りの方へと向かってみますね」
「いえいえ…あの、もしお邪魔でなければなんですが…一緒に行かせていただいても宜しいですか?」
 少しもじもじしながらアリアは、同行を願ってきた。まさかこれは…!
「リョウさんこちらの事まだ分かりきっていませんので…スキル書の贋作をつかまされたりしたら大変ですから」
 ───だよね。ヤサシイナア、アリアハ。
「宜しいんですか?せっかくのお休みなのに…」
 内心を伺われないように、平静を取り繕いながらアリアに確認を取る。
「元々何も用事がありませんでしたから…、お邪魔…でしょうか…?」
「そんな事ありませんよ!アリアさんが居てくれればとても助かります。宜しくお願いします!」と、言うわけで。
 アリアと二人で俺は商業通りへと戻る事になった。

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