俺、元日本人のガチ神だけどY◯uTuberになるね!
第8話 妖精放ったらキャバクラいくよね。
てなわけでガタンゴトンと電車に揺られましては、奈良の鹿達にやっとこさ出会える事ができました。
一応カメラは回してるけど、コレと言って面白い事はありません。
ただただ、鹿がやたらといるだけ。
奈良の観光スポットって言えば、結局寺と鹿と大仏に縋るしかないってのが現状っぽい。
確かに古都なわけだし世界遺産もあるし歴史ゴリ押しでいかなきゃやっていけない反面、やっぱり大阪、京都に比べたら二枚落ち感がある。
いや、歴史的価値とか、神聖な雰囲気とかは凄い価値があるのはわかるけど、なんか微妙なんだよな。
他の神とか来たら喧嘩になりそう。
街は街でちゃんとあるけど、しつこく蔓延る微妙が拭いきれないって言うか、無理して都会ぶろうとしているというか。
でもネットで調べた温泉街の街並みはすげぇオシャレなんだよな。
逆に歴史ゴリ押しで行くんなら、昔の良さを前面にだしながらも、近代建築で都市開発するぐらいの気概を見せて欲しい。
均一性だよ、均一性。
レトロでありながら最新鋭であり、街の統一性が、夢の世界へと誘う。
ほら夢の国ネズミーランドでも逸話があるじゃない?
静岡に作ろうとしてて、いい土地ですねー、じゃあここにするのであの山崩しちゃってくださいってネズミーの偉いさんが指差したのが富士山でした、みたいな。
なんでかって言うと富士山が見えてしまえば、そこは夢の国じゃなくなっちゃう的な。
それと一緒で、やっぱ街のテーマに沿った街作りってのは重要だと思う。
だからと言って、ここで俺がいきなり街をガインガインガッシャンガッシャンと改造するのは簡単だけど、それは面白くないので、ここにもまずはスペシャルなオンリーワンをぶちかまそうと思う。
けど何しようかな。どうする、どうしよう。一応全国3位の赤字から黒転してるから、県の財政は悪くないらしい。
じゃああからさまに金になるような改変よりは、誰もが足を運びたくなるような仕掛けがいいよな。
「うーん。むずいなぁ」
と悩みながらに暫く歩いていると、どうやら住宅街に来てしまったようで、俺の視界では腰が90度にひん曲がったおざあちゃんが、下を向きながらにゆっくりとペースメーカーを押して歩いている。
ちょっと考え事をしながらに、おばあちゃんの腰を撫でて体を整えてから、劣化が激しい内燃機関を回復させると、背筋のピンとしたお婆ちゃんが誕生する。
そして来た道をUターン。
「ほえ?」
うーん。老人大国日本だし、ここは無難に妖精でもリリースするかな。
治癒能力を持った人好きの妖精を野に放って、日本最大の妖精の産地にするってのもありかも。
悪戯好きで時に残酷なことをしちゃう恐ろしい性格は改変して、人懐っこい益虫って感じに設定しておけば人気でそうだし。
あ、虫なんて言ったら失礼だな。
妖精はそれなりに高位の存在だしな、
俺からしたら羽虫と大差ないけど。
妖精の産地として有名になって、多くの観光客が来るようなれば、街も著しく発展するだろう。
妖精をウェルカムしてくれたら、街が妖精に寄せた姿に変わって行くんじゃないかって淡い期待を寄せておこう。
もし期待通りに妖精を大切にする街になりはじめたら、ちょこちょこと遊びに来て、ばれない程度に妖精が住みやすい環境に改造してもいい気がする。
木造建築の和風なお家が好きって設定もいれておこう。
俺の管理世界のえげつない妖精軍団とは似ても似つかない可愛い生物になったけど、日本人のカワイイの基準はえげつないから、俺も本気だす。
蜻蛉翅と蝶翅もリアルにしてしまうと虫感があるから、魔素構築で出し入れ自由な虹色の綺麗な翅にしよう。
繁殖は妖精の鱗粉をふんだんに浴びた花が存在進化を行って生まれる仕組みにしてる。
花屋とかがある限り絶滅する事はないだろうと思う。
むしろ花屋が妖精繁殖させて売ればいいとか思ってしまう。
まぁ、設定完了、術式起動です。
奈良の土地に舞え、羽虫共よ!
妖精がブパパパパと構築されて自由気ままに飛び回る姿は見ていてほっこりする。
多分この妖精クリエイトぶっ放しを動画で撮ったら一流ユーチューバーになれそうな気もするけど、それはさすがにやめときます。
この幻想的な光景は俺だけの秘密ってことですね。
蛍みたいな光る虫でも話題性があるんだから、キラキラ燐光を撒き散らしてケタケタ笑いながら無邪気に飛び回る妖精とか人気出るような気がするんだよなぁ。
五百匹程リリースしたけど、奈良ではどう扱われるのか今後に期待ですね。
捕まえられすぎて絶滅しちゃうのか、それとも大切にしてもらえるのか。
一応妖精を放った後に動画を撮影したけど、これもとりあえずは保留かな。
そろそろ兎我野町のホーンラビットの動画を投下しちゃおう。
俺はその間に京都に行っちゃうけどね。
やっぱ外人がいても違和感ない街と言えばココしかないでしょう。
「あっ」
何気なしにスマホチェックしたらポロリで釣った動画、ほらミシェルとプールではしゃぎ倒した動画だけど、再生が462回行ってる。
おほぉ、やはりエロは強いな。
結局ポロリがないので、一件だけ『くたばれカス』との貴重なコメントも頂いた。
初コメですよ初コメ。
「おっほ!!」
しかも有名なユーチューバーが兎我野でホーンラビット捕まえてる動画とかも来てるし!!
いやぁ、いいねぇ。盛り上がってきた。ちょっと一足遅れて、雑草にレッドブ○ぶっかけから始まる兎我野事変を投下しますっと。
こうなってくると道頓堀の浄化作戦撮影してなかったのが痛いなぁ。
この勢いに任せて連日投稿頑張ろうかな。明日西成のゴブリン投下で、明後日は鹿と戯れたほのぼの回、明々後日に奈良の妖精投下って感じか。
いよいよ、これをやっちゃうとガチで指名手配されそうな気がするけど、気にしたら負けだな。
京都で変装グッズ沢山買い揃えておこう。
「はいっ! ということでね、ネモは鹿と戯れて大満足したので、お次は京都に舞い降りました! 京都タワーが見えますけど、スルーさせてもらいまぁす」
京都で何本かほのぼのとした動画を撮って、京都を拠点にしているとカモフラージュする為だけに来たようなもんなんですけどね、特に面白くもない京都の街ブラを撮影していきます。
四条河原町のナイトウォークとかでいいかな? こんなお店がありますよぉ、こんなカワイイ子ナンパできましたよぉ、みたいな。
何本が撮影できたら、このまま琵琶湖を見に行こう。
前世って言うか日本に住んでた時、行ってみたいなぁって思いながらもキッカケが無かったから、いつか行ってみたいどまりだったんだよ。
ちなみに京都は修学旅行で行った事があるのでそこまで感動はない。
って思ってたんですけど、京都めっちゃ楽しい。なにここ。
「お兄さん、キャバクラどうですか」
「えぇ、でもぉ、お高いんでしょう?」
「セット3,000円で女の子のドリンク一杯600円、更にはキャストは女子大生のみ。どうです?」
「いきます」
こっそり黒服のお兄さんに案内されたのは、普通のキャバクラであるが、こんなに安いならブッサイクしかいないだろうなって諦め半分に突貫した。
前世ではキャバクラなんて縁が無かったから、いつか行ってみようと思ってたから丁度いいと思って着席。
同時に隣に座った女の子は普通に可愛い女子大生だった。
イメージできるキャバキャバしいキャバ嬢じゃなくて、真面目に勉強を頑張ってきて、一人暮らしを始めた矢先に親の仕送りに申し訳なくなってキャバクラチャレンジしてみた女子大生的な普通の女の子達がドレスで迎えてくれるアンバランスな感じ。
恐らく新歓コンパで処女捨ててグレたタイプだな。
それを医学用語でグレーターデーモンと呼ぶ。
ギャップ萌えとはこの事か。
芋臭いのに逆に洗練されてる謎の状態に陥るのが面白い。
「ミヤコです。はじめまして」
「ネモでーす」
……………。
ここで普通のキャバクラなら飽きさせないトークで話題を次々に与えてくれるのかもしれないが、このミヤコちゃんはニコニコしてお酒を作ってくれるだけである。
きっとニコニコしながら相槌を打ってお酒を作っているだけでいいと教えられているのだろう。
「あ、好きなもの飲んでくださいね」
「はい! ありがとうございます」
なんか体育会系? な空気を醸しながらショートボブの黒髪が可愛いミヤコちゃんはボーイさんに飲み物を頼む。
カクテルを頼んだようだけど、細長い小さなグラスで届いたので、俺の怒りのボルテージが一気に限界突破した。
沸点低い? うっさいだまれ。
「いただきまーす」
「あかーん!」
「え?」
「なんじゃその試験管みたいなグラス! 許さん。許さんぞ! シャンパンもってこいシャンパン!」
実はこのキャバクラ、謎にメニュー表があって、確認したところシャンパンが3万円なんですよね。
もうね、明朗会計だし、めちゃくちゃ安いし、だからこのど素人ミヤコちゃんをベロベロにさせてやろうかって思ってます。
所持金22万、さて、やっつけられるでしょうか。
「え、もったいないですよ。いらないですいらないです」
「ちょ、それが仕事でしょっての」
無理を通してシャンパンを頼んだら、謎に女の子が増えました。
「暇なんでサービスでつけますねぇ」
どうやら酒飲み要因で追加されたようだが、この子はどちらかと言えばキャバ慣れしてそうか感じだな。
髪の毛も染めてるし、美容院でやってもらったんだろうなって感じのグリングリンに巻いたセットでラメがキラキラしてる髪だし、なんか化粧も熟れてる。蜂の巣みたいな頭してやがる。
全力で断りたいけど、ここで断ると感じが悪いので喜んでウェルカムしよう。
「どもー、アキラでーす」
男みたいな名前してやがる。
まぁ、いい。酒豪だろうとは思うが、俺も負けてられん。
「酒つよそうだなー」
「お酒好きですよー」
「まじか。じゃあ、このシャンパン一気で飲んだら、もう一本開けるけど行く?」
「鼻から噴射あり?」
「若干なら許そう!」
「じゃあ、いきまーす!!」
ポンッとコルクが飛ぶと同時に、アキラちゃんはシャンパンをラッパ呑みし始める。
途中勢いが止まるが、口を離していないのでアリの判定をくだそう。
僅かに溢れた液体が胸元に流れていくけど、サービスショットであると割り切ることにする。
「うぉ、すげえすげえ! あとちょっと! いけ! 頑張れアキラ! 100%でいけ!」
「ぶふふぉっ! んー!! ぶはー!! あぶなぁ! ちょっと笑わせないでよぉ!!」
そう言って豪快に笑ったアキラの手に持たれたシャンパンは既に空っぽになっていた。ここは約束通りにもう一本。流石の勇姿を見せてくれたので、普通に乾杯と相成った。
しかし、この女ザルである。
ミヤコちゃんは顔を真っ赤にして、暑そうにしているのに、アキラは言動こそは酔ってそうであるけど、顔はごく普通だ。
勢いよく二本目が空き、三本目を頼んでもなお、アキラの通常運転は変わらない。
ここに来て開始30分、アキラとミヤコを場内指名したので、セットとミヤコドリンクで3600と指名1500円二人で3,000円、6,600円に9万プラスで9万6,600円か。
大方10万円としても、後10万は戦える。
熱くなっているのはわかる。冷静に考えても、ここで持ち金を使い切ってしまうのは悪手であるし、また金策に励まなければならないのはわかる。
でも俺はどうしても、このアキラをベロベロにして完全勝利をおさめて帰りたいと思っている。
絶対に負けられない戦いがここにあるのだ。
「よし、俺はワンセットで帰るつもりだから、後三本もってこい。30分で空けるんだぞ!」
「鬼かコラ! ポンポン三本おねがいしまーす!」
そこからは会話もそぞろに飲み合戦の開始である。
ミヤコちゃんは早々に酔い潰れてしまい、そのヘルプと称してミッツマングロー○みたいなガタイ派の女が参戦。
「マッコでーす!」
アキラクラスの強靭な女が増えてしまった事により、此方の形成は一気に不利になってしまった。
しかし、マッコの登場に安心したのか気を抜いたアキラは急に酔っぱらい始めて、かなり言動が怪しくなってきたが、強靭なマッコの飲み力により、シャンパンは時間内に全て空となった。
当初の予定通りにミヤコちゃんとアキラは倒せたが、マッコなる意外な伏兵にはなす術もなかった。
「またくる」
「ありがとうございましたぁ!!」
若干納得行かなかったので、お金を貯めてから、次こそはミヤコ、アキラ、マッコの三人を確実に仕留めてやろうと思う。
そう思ってしまうほどには楽しんでしまった。
状態異常無効をオフにしていたので、酔っぱらっていたのだと思う。
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コメント
ノベルバユーザー229059
マッコをマツ〇と読んだ俺氏