錬成七剣神(セブンスソード)
最後の戦い4
「剣霊の騎士団ァアアアア!」
誓いの成就をここに。約束の時をここに。絆の結晶、結束の力を今ここに!
錬成七剣神、始まりの場所。そこに、全ての者が舞い戻る。
「キャナイヘルプユー?」
直後、聖治に向かって声が掛けられた。軽々しい口調で。親しい声で。それは友人の証だ。
「星都!」
聖治の右隣には光帝剣エンデュラスを手にした星都が立っていた。いつもと同じニヤついた笑みを浮かべながら、星都は聖治を見て笑う。
「ピンチそうじゃねえか聖治。手ぇ貸すぜ」
「友達のピンチなら、僕も手伝うぅ!」
そこで加わるのんびりとした声に、聖治は反対側を振り向いた。
「力也!」
「大丈夫だよ聖治君。僕たち、ずっと友達ぃ!」
「ああ!」
聖治は力強く頷いた。ずっと友達だと、そう言ってくれたことが嬉しくて、聖治もそうだと思いを込めた。
「まあ、今度は私も戦ってあげようかな」
「そう言って、お姉ちゃんも本当は嬉しいくせに」
「此方! 日向も!」
力也の更に左奥には此方と日向が並んで立っていた。此方は不貞腐れたように。
そんな姉を日向が温かく見つめている。仲のいい姉妹としてそこに二人は立っていた。
そして、
「私は信じていたよ、きっとこうなるって」
星都の右隣、そこから聞こえた女性の声に、聖治は反射的に振り向いた。
「一緒に戦おう。皆で、この戦いを終わらせよう」
「……はい!」
そこにいた女性、香織さんは澄んだ声で聖治を促してくれた。強い意思を瞳に宿して、最後の戦いへと挑もうとしている。
優しくて、心強い。そんな女性が聖治に笑顔を向けて、一緒に戦おうとそう言ってくれた。
剣霊の騎士団、レギオン・オブ・スパーダ。スパーダとは彼、彼女らの魂そのもの。それを剣として具現化して今までを戦ってきた。
ならば剣としてではなく、人として具現化すればいい。
聖治は一人じゃない。仲間との絆は、ずっと繋がっている!
全てのスパーダが横に並ぶ。新時代の者として、旧時代の亡霊と対峙する。
その中で、一番初めに星都が声を上げた。
「いっちょいくぜぇえ!」
「僕も、一緒に戦うぅ!」
「日向、無理しなくてもいいんだよ?」
「ううん、大丈夫。戦えるよ、私。お姉ちゃんがいる、皆がいるから」
それぞれがグレゴリウスに向けてスパーダを構える。最終決戦に向け、声をあげる。
「ねえ、正一さん」
その中で、穏やかな声が聞こえてきた。優しい口調で、この時を幸せに感じているような、そんな声が。
「弟さんに、掛けてあげる言葉はないの?」
香織さんは微笑を浮かべ、右隣にいる男に向けてそっと話しかけていた。見上げる先にいる男に、期待を寄せた言葉を送る。
「……フン」
だが、男は彼女の願いを払いのける。いつもと同じように。昔と同じように。この男は変わらない。いつだって。それが時代を経ようとも、この男はいつだって頑固で意地っ張りで、
「あるものか」
それでいて、強い男だった。
「皆ぁああ!」
聖治はゼウシスを掲げる。黄金に輝く刀身を頭上に持ち上げ、皆に言い放つ。
「いくぞぉおおおお!」
雄叫びは開戦の号砲。戦いの幕が上がる。一同に走り出し、敵目がけて地面を蹴った。
押し迫る七人のスパーダを見てどう思ったか。グレゴリウスは一歩も動かないどころか、構えてすらいなかった。
「なるほど」
みるみると互いの距離が狭まる。それぞれがスパーダを持ち上げ、突撃の勢いは止まらない。
「可能性を、感じるな……」
そして、攻撃の間合いへと入った。光帝剣が、撃鉄が、聖王剣が、魔皇剣が、天黒魔が、そして神剣が、同時に振り下ろされる。
グレゴリウスは両腕を小さく広げ、新時代の到来を迎えるように安堵に包まれた言葉を吐いた。
「魔卿騎士団に、栄光を――」
誓いの成就をここに。約束の時をここに。絆の結晶、結束の力を今ここに!
錬成七剣神、始まりの場所。そこに、全ての者が舞い戻る。
「キャナイヘルプユー?」
直後、聖治に向かって声が掛けられた。軽々しい口調で。親しい声で。それは友人の証だ。
「星都!」
聖治の右隣には光帝剣エンデュラスを手にした星都が立っていた。いつもと同じニヤついた笑みを浮かべながら、星都は聖治を見て笑う。
「ピンチそうじゃねえか聖治。手ぇ貸すぜ」
「友達のピンチなら、僕も手伝うぅ!」
そこで加わるのんびりとした声に、聖治は反対側を振り向いた。
「力也!」
「大丈夫だよ聖治君。僕たち、ずっと友達ぃ!」
「ああ!」
聖治は力強く頷いた。ずっと友達だと、そう言ってくれたことが嬉しくて、聖治もそうだと思いを込めた。
「まあ、今度は私も戦ってあげようかな」
「そう言って、お姉ちゃんも本当は嬉しいくせに」
「此方! 日向も!」
力也の更に左奥には此方と日向が並んで立っていた。此方は不貞腐れたように。
そんな姉を日向が温かく見つめている。仲のいい姉妹としてそこに二人は立っていた。
そして、
「私は信じていたよ、きっとこうなるって」
星都の右隣、そこから聞こえた女性の声に、聖治は反射的に振り向いた。
「一緒に戦おう。皆で、この戦いを終わらせよう」
「……はい!」
そこにいた女性、香織さんは澄んだ声で聖治を促してくれた。強い意思を瞳に宿して、最後の戦いへと挑もうとしている。
優しくて、心強い。そんな女性が聖治に笑顔を向けて、一緒に戦おうとそう言ってくれた。
剣霊の騎士団、レギオン・オブ・スパーダ。スパーダとは彼、彼女らの魂そのもの。それを剣として具現化して今までを戦ってきた。
ならば剣としてではなく、人として具現化すればいい。
聖治は一人じゃない。仲間との絆は、ずっと繋がっている!
全てのスパーダが横に並ぶ。新時代の者として、旧時代の亡霊と対峙する。
その中で、一番初めに星都が声を上げた。
「いっちょいくぜぇえ!」
「僕も、一緒に戦うぅ!」
「日向、無理しなくてもいいんだよ?」
「ううん、大丈夫。戦えるよ、私。お姉ちゃんがいる、皆がいるから」
それぞれがグレゴリウスに向けてスパーダを構える。最終決戦に向け、声をあげる。
「ねえ、正一さん」
その中で、穏やかな声が聞こえてきた。優しい口調で、この時を幸せに感じているような、そんな声が。
「弟さんに、掛けてあげる言葉はないの?」
香織さんは微笑を浮かべ、右隣にいる男に向けてそっと話しかけていた。見上げる先にいる男に、期待を寄せた言葉を送る。
「……フン」
だが、男は彼女の願いを払いのける。いつもと同じように。昔と同じように。この男は変わらない。いつだって。それが時代を経ようとも、この男はいつだって頑固で意地っ張りで、
「あるものか」
それでいて、強い男だった。
「皆ぁああ!」
聖治はゼウシスを掲げる。黄金に輝く刀身を頭上に持ち上げ、皆に言い放つ。
「いくぞぉおおおお!」
雄叫びは開戦の号砲。戦いの幕が上がる。一同に走り出し、敵目がけて地面を蹴った。
押し迫る七人のスパーダを見てどう思ったか。グレゴリウスは一歩も動かないどころか、構えてすらいなかった。
「なるほど」
みるみると互いの距離が狭まる。それぞれがスパーダを持ち上げ、突撃の勢いは止まらない。
「可能性を、感じるな……」
そして、攻撃の間合いへと入った。光帝剣が、撃鉄が、聖王剣が、魔皇剣が、天黒魔が、そして神剣が、同時に振り下ろされる。
グレゴリウスは両腕を小さく広げ、新時代の到来を迎えるように安堵に包まれた言葉を吐いた。
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