錬成七剣神(セブンスソード)

奏せいや

明かされる真実4

 翌朝、聖治はビジネスホテルの一室で目を覚ました。寝覚めはよくない、昨夜はほとんど眠れていなかった。

 そこへ扉をノックする音が聞こえ聖治は起き上がった。

 一体誰だろうか。聖治は扉を開ける。

 そこには日向ひなたがいた。昨日と同じ制服姿で表情は芳しくない。

「あの、聖治さん、大丈夫ですか?」

 自分よりも幼い少女が心配してくれる。仲間が亡くなって辛いのは彼女も同じはずなのに。むしろ心配しなければならないのは自分の方だ。そう思った聖治は自分が情けなく思った。

「すまない、心配かけた。日向ひなたは大丈夫か? 昨日はよく眠れたか?」

「はい、私は大丈夫です」

 日向ひなたは笑顔で答えてくれた。しかし、その表情には疲れの色がはっきりと浮かんでいた。

「嘘は言わなくていいよ、よく眠れていないんだろ。今からでも休んだ方がいい」

「は、はい……。そ、それよりもこれを!」

「ん?」

 日向ひなたは恥ずかしそうに目を伏せたがすぐに思い出したかのように焦って手紙を渡してきた。

聖治は受け取ると中を読んでみる。

「なに?」

 そこへ書かれていた内容に表情が歪んだ。

「あの、どうしましょうか……?」

 日向ひなたが不安そうな目で見上げてくる。しかし、聖治はすぐに答えられなかった。

「くそ!」

 聖治は手紙を握り締める。しまったと思うのも遅すぎた。

 手紙の内容。

 それは、香織かおりさんが一人で魔来名まきなを説得しに行くというものだった。

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