錬成七剣神(セブンスソード)
捜索1
水門市中心部。山と海に挟まれ田舎でしかなかった港町が近代化を遂げ、今では高層ビルが立ち並びスーツ姿の人々が往来する光景が広がっている。
さきほどまで歩いていた田舎道とは違い大地にはアスファルトが敷かれ、車が行き交う様子は距離というより時代を跨いで来たようだ。
水門市で一番大きい駅である水門駅前に聖治たちは集まっていた。
「それで、もう一人ってどんな人なんだ?」
当然だが聖治はもう一人のことを知らない。探そうにも分からなければ探しようがない。
「なんだよ剣島、聞かないからてっきり知っているもんだと思ってたよ。お前、けっこう間抜けだよな」
「そんなことはない。そんなことはないはずだ、きっとな」
「魔堂魔来名って名前だよ。その人が最後の一人で、正真正銘の団長となるべく作られた人物なの」
聖治の質問には香織さんが説明してくれた。聖治と星都のやり取りを楽しそうに見つめながら口にする。
だが、聞き捨てならないセリフだ。
「正真正銘の団長って、どういう意味ですか?」
そのことを日向が聞き返す。聖治も疑問に思っていたことだ。
セブンスソードは七人のスパーダを殺し合わせ、最後の一人を団長にする儀式だったはず。なのに、正真正銘とはどういう意味だろうか?
「うん。実はね、魔卿騎士団は元々その人を団長とするために作ったんだけれど、初期のホムンクルスに七本の剣を宿すことは容量オーバーで不可能だったの。
一体に七本のスパーダを宿すには、相手を倒し吸引するという、成長という過程が必要だった。だから、セブンスソードという儀式に発展したの。
それで、最初に作られたのが魔堂魔来名。金色の髪に白いコートを着た男性で、会えば分かると思う」
「そうだったのか」
聖治は新たな事実に納得していたが、それ以上に香織さんの話し方が気になっていた。
今まではセブンスソード関連の話は沈痛な雰囲気で話していたが、魔来名の時に限ってはむしろ喜んでいたように聞こえたのだ。
もしかしたら、香織さんはその魔堂魔来名という人と知り合いなのかもしれない。
聖治は気になったが、詮索するのは悪い気がして口には出来なかった。というより聞きたくてもどう聞けばいいのか分からなかった。
「じゃあ、その魔堂魔来名って人を探すわけだが、全員で探すのは効率が悪い。かといって一人じゃ危険だ。ここは二人一組になって探そう」
「二人一組か~。誰が組むよ?」
「そうだな。なら……」
聖治は片手を顎に当てふと考える。二人一組で探すなら組み合わせは……。
「こうしよう。安神姉妹はそのままだとして、あとは星都と力也。俺と香織さんだ」
聖治は適当だと思われる組み合わせを発表する。それで皆は納得してくれたのだが、星都だけがジト目で見上げてきた。
その後「ちょっと話がある」と力也と一緒に皆から少し離れた場所まで連れて来られた。
「どうした星都、俺に話か?」
「当然だ!」
聖治にはなんのことか分からないが星都は大声で言ってきた。
「俺は気づいているんだぜ、剣島」
「なに?」
星都はなにやら不気味に笑っている。すると腕を持ち上げいきおいよく聖治に指さした!
「この人選、香織さんと二人きりになるのが目的だろう!?」
ドーン!
「どうだ聖治!?」
「…………」
「なんとか言えよ!」
「…………」
「だんまりか!?」
「…………」
「香織さんになにをするつもりだ? どうするつもりだ? 二人っきりになろうなんて俺と力也が許さないぞ!」
「いや、僕は別にぃ……」
「どうなんだ聖治!?」
「…………」
「なぜ言わない!?」
「いや、その解釈にびっくりしていた」
「俺のせいかよ!?」
無表情で話す聖治と反対に星都のテンションは高い。
さきほどまで歩いていた田舎道とは違い大地にはアスファルトが敷かれ、車が行き交う様子は距離というより時代を跨いで来たようだ。
水門市で一番大きい駅である水門駅前に聖治たちは集まっていた。
「それで、もう一人ってどんな人なんだ?」
当然だが聖治はもう一人のことを知らない。探そうにも分からなければ探しようがない。
「なんだよ剣島、聞かないからてっきり知っているもんだと思ってたよ。お前、けっこう間抜けだよな」
「そんなことはない。そんなことはないはずだ、きっとな」
「魔堂魔来名って名前だよ。その人が最後の一人で、正真正銘の団長となるべく作られた人物なの」
聖治の質問には香織さんが説明してくれた。聖治と星都のやり取りを楽しそうに見つめながら口にする。
だが、聞き捨てならないセリフだ。
「正真正銘の団長って、どういう意味ですか?」
そのことを日向が聞き返す。聖治も疑問に思っていたことだ。
セブンスソードは七人のスパーダを殺し合わせ、最後の一人を団長にする儀式だったはず。なのに、正真正銘とはどういう意味だろうか?
「うん。実はね、魔卿騎士団は元々その人を団長とするために作ったんだけれど、初期のホムンクルスに七本の剣を宿すことは容量オーバーで不可能だったの。
一体に七本のスパーダを宿すには、相手を倒し吸引するという、成長という過程が必要だった。だから、セブンスソードという儀式に発展したの。
それで、最初に作られたのが魔堂魔来名。金色の髪に白いコートを着た男性で、会えば分かると思う」
「そうだったのか」
聖治は新たな事実に納得していたが、それ以上に香織さんの話し方が気になっていた。
今まではセブンスソード関連の話は沈痛な雰囲気で話していたが、魔来名の時に限ってはむしろ喜んでいたように聞こえたのだ。
もしかしたら、香織さんはその魔堂魔来名という人と知り合いなのかもしれない。
聖治は気になったが、詮索するのは悪い気がして口には出来なかった。というより聞きたくてもどう聞けばいいのか分からなかった。
「じゃあ、その魔堂魔来名って人を探すわけだが、全員で探すのは効率が悪い。かといって一人じゃ危険だ。ここは二人一組になって探そう」
「二人一組か~。誰が組むよ?」
「そうだな。なら……」
聖治は片手を顎に当てふと考える。二人一組で探すなら組み合わせは……。
「こうしよう。安神姉妹はそのままだとして、あとは星都と力也。俺と香織さんだ」
聖治は適当だと思われる組み合わせを発表する。それで皆は納得してくれたのだが、星都だけがジト目で見上げてきた。
その後「ちょっと話がある」と力也と一緒に皆から少し離れた場所まで連れて来られた。
「どうした星都、俺に話か?」
「当然だ!」
聖治にはなんのことか分からないが星都は大声で言ってきた。
「俺は気づいているんだぜ、剣島」
「なに?」
星都はなにやら不気味に笑っている。すると腕を持ち上げいきおいよく聖治に指さした!
「この人選、香織さんと二人きりになるのが目的だろう!?」
ドーン!
「どうだ聖治!?」
「…………」
「なんとか言えよ!」
「…………」
「だんまりか!?」
「…………」
「香織さんになにをするつもりだ? どうするつもりだ? 二人っきりになろうなんて俺と力也が許さないぞ!」
「いや、僕は別にぃ……」
「どうなんだ聖治!?」
「…………」
「なぜ言わない!?」
「いや、その解釈にびっくりしていた」
「俺のせいかよ!?」
無表情で話す聖治と反対に星都のテンションは高い。
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