錬成七剣神(セブンスソード)
出発3
年下の子供にも遠慮しない恐ろしい女の子だった。つい感想を言ってしまう。
「なあ剣島、言いたいことがある」
「なんだ?」
すると星都が言ってきた。
「怖い」
「なんだ星都、案外小心者なんだな」
「お前さっき怖いものを見たとか言ってたじゃねえか!」
「フッ。覚えてないな」
「お前またかよ!?」
そんなこんなで二人は言い合いをした後香織さんのところへ戻っていった。
「香織さん。どうやら悪い人たちじゃないというか、彼女たちなら大丈夫だと思います」
「分かったわ。でも、どうやって接触しようかしら……」
「俺が一人で行きます。俺が提案したことですし、彼女たちなら分かってくれると思う」
聖治は香織さんの顔を見ながら気負わずに言った。彼女たちの人間性は今見ただけだが信用出来るし、一人で行くことに不安はない。
まさか彼女たちが襲ってくるなんて、聖治には想像出来なかった。
「おい剣島、一人で大丈夫かよ?」
「そうだよ聖治君~、一人は危険だよぉ」
「大丈夫さ二人とも。心配は嬉しいが、あの二人ならきっと分かってくれる。そう思うんだ」
聖治は手に持ったカバンを改めて持ち直してから門を潜った。聖治が敷地内に入って来たことに子供たちから奇異の目で見られる。
それでも聖治は普段通りを意識しながら二人に近づいていった。
「あのねえ日向、ああいう時はビシって言わないと駄目でしょ」
「だ、だけどお姉ちゃん。まだ二人ともも小さいんだし……」
「なあ、今いいかな?」
項垂れている日向を此方が注意している。そこへ聖治は声をかけたが此方に露骨に警戒されてしまった。
「何、あんた?」
「ちょっとお姉ちゃん、初対面の人に失礼だよ」
そんな姉を日向が慌てて注意していた。
「実は、君たちに話があって今日は来たんだが……」
聖治は本題を言おうとするのだが、その前に視線を逸らしてしまった。こうも睨まれてしまうと話づらい。
しかし言わなくてはならないのだ。黙っていても不信感を煽るだけだ。それにいきなり錬成七剣神など言えばもっと警戒されるだろう。
が、
「二人は、錬成七剣神って分かるかな?」
聖治は早速地雷を踏んだ。
「それで、俺は君たちと仲間に――」
「日向ぁ! 早く逃げるわよ!」
「え?」
此方は日向の手を掴み走り出した!
「ま、待ってくれ! 違う、話を聞いてくれ!」
聖治は慌てて声を掛けるが二人は聞いてくれず孤児院の裏へと向かっていく。聖治もすぐに二人のあとを追いかけた。
「くそ、なにがまずかったんだッ」
聖治は走るが二人の先を見ると裏口があった。正門よりも小さい柵のような門を開け、二人は外へと飛び出した。
「お、お姉ちゃん!」
「いいから! 早く!」
そのまま二人は砂利の道の上を走って行く。
だがその先には香織さんたち三人が囲っていた。聖治たちが走り出したのを見て先回りしていたようだ。
前を三人に阻まれたことにより姉妹の足が止まる。聖治も追いつき、前後を挟んだ形になる。
「くそ! 仲間もいたのか!」
「おい剣島! 怯えてるぞ、なんて説明したんだ!?」
「まだ何も言ってない!」
なんとか安神姉妹を止めることには成功したものの、この状況は返ってまずい。
星都の言う通り此方は激しく警戒しており日向も不安そうに聖治たちを見ていた。
「なあ剣島、言いたいことがある」
「なんだ?」
すると星都が言ってきた。
「怖い」
「なんだ星都、案外小心者なんだな」
「お前さっき怖いものを見たとか言ってたじゃねえか!」
「フッ。覚えてないな」
「お前またかよ!?」
そんなこんなで二人は言い合いをした後香織さんのところへ戻っていった。
「香織さん。どうやら悪い人たちじゃないというか、彼女たちなら大丈夫だと思います」
「分かったわ。でも、どうやって接触しようかしら……」
「俺が一人で行きます。俺が提案したことですし、彼女たちなら分かってくれると思う」
聖治は香織さんの顔を見ながら気負わずに言った。彼女たちの人間性は今見ただけだが信用出来るし、一人で行くことに不安はない。
まさか彼女たちが襲ってくるなんて、聖治には想像出来なかった。
「おい剣島、一人で大丈夫かよ?」
「そうだよ聖治君~、一人は危険だよぉ」
「大丈夫さ二人とも。心配は嬉しいが、あの二人ならきっと分かってくれる。そう思うんだ」
聖治は手に持ったカバンを改めて持ち直してから門を潜った。聖治が敷地内に入って来たことに子供たちから奇異の目で見られる。
それでも聖治は普段通りを意識しながら二人に近づいていった。
「あのねえ日向、ああいう時はビシって言わないと駄目でしょ」
「だ、だけどお姉ちゃん。まだ二人ともも小さいんだし……」
「なあ、今いいかな?」
項垂れている日向を此方が注意している。そこへ聖治は声をかけたが此方に露骨に警戒されてしまった。
「何、あんた?」
「ちょっとお姉ちゃん、初対面の人に失礼だよ」
そんな姉を日向が慌てて注意していた。
「実は、君たちに話があって今日は来たんだが……」
聖治は本題を言おうとするのだが、その前に視線を逸らしてしまった。こうも睨まれてしまうと話づらい。
しかし言わなくてはならないのだ。黙っていても不信感を煽るだけだ。それにいきなり錬成七剣神など言えばもっと警戒されるだろう。
が、
「二人は、錬成七剣神って分かるかな?」
聖治は早速地雷を踏んだ。
「それで、俺は君たちと仲間に――」
「日向ぁ! 早く逃げるわよ!」
「え?」
此方は日向の手を掴み走り出した!
「ま、待ってくれ! 違う、話を聞いてくれ!」
聖治は慌てて声を掛けるが二人は聞いてくれず孤児院の裏へと向かっていく。聖治もすぐに二人のあとを追いかけた。
「くそ、なにがまずかったんだッ」
聖治は走るが二人の先を見ると裏口があった。正門よりも小さい柵のような門を開け、二人は外へと飛び出した。
「お、お姉ちゃん!」
「いいから! 早く!」
そのまま二人は砂利の道の上を走って行く。
だがその先には香織さんたち三人が囲っていた。聖治たちが走り出したのを見て先回りしていたようだ。
前を三人に阻まれたことにより姉妹の足が止まる。聖治も追いつき、前後を挟んだ形になる。
「くそ! 仲間もいたのか!」
「おい剣島! 怯えてるぞ、なんて説明したんだ!?」
「まだ何も言ってない!」
なんとか安神姉妹を止めることには成功したものの、この状況は返ってまずい。
星都の言う通り此方は激しく警戒しており日向も不安そうに聖治たちを見ていた。
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