錬成七剣神(セブンスソード)

奏せいや

真相7

 聖治はみんなを見つめた。ここにいる大切な一人一人を守り抜くために。聖治は決めた、セブンスソードを戦い抜くと。

「協力するんだ、俺たち、『七人全員』で!」

 セブンスソード。それは一人になるまで殺し合いを続ける最悪の儀式だ、希望はない。

 けれど殺し合いではなく、絆の力を合わせれば前提は覆る。

「やろう、みんな!」

 聖治からの声かけに、星都せいと力也りきや香織かおりさんも立ち上がる。

 その顔にはもう絶望はない。希望と、明るい明日を目指す意思が輝いていた。

「他の三人もこんな殺し合いは嫌なはずだ。それなら分かり合える。ともに戦える。ほかの三人の情報は? ここの生徒なのか?」

「ううん。ここにいるのは私たちだけ。一人の行方は分からないけど、二人は水門みなと孤児院という場所にいるわ」

「なら明日そこに向かう」

 方針は決まった。聖治の熱い声に三人も力強く頷き返してくれる。

 聖治たちは立ち上がって互いを見遣った。眩い雰囲気は友情からかもしれない。

 もしくは生死を共にする者同士の信頼かもしれない。もしくは両方で、聖治たちは固い結束を感じ合っていた。

「なあ、景気付けだ。こういうのやっておかないか?」

 星都せいとがそう言い出すと手を伸ばしてきた。どうやらこの手に重ねろということらしい。
「ああ!」

 その誘いに聖治は一番に乗り手を翳す。力也りきや香織かおりさんは目を合わせると笑顔で頷き、二人も手を重ねた。

 四人は輪を作り、中心に皆の手が重なった。

 会ったのは今日が初めてだが聖治たちはすでに運命共同体だ。絶対にこの危機から脱するために、力を合わせる。

 聖治はみんなへと声をかけた。

「生き残ろう、絶対に!」

『おー!』

 一斉に声を上げ、重ねた手を上げる。

 絶望の中に叩き落された聖治たちだが、そんな時こそ、彼らは団結したのだ。
 絶望なんかするものか。

 絆の力で切り抜けられると信じているから。

 錬成七剣神セブンスソードが、開幕した。

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