錬成七剣神(セブンスソード)
転校
が、そんな不安に駆られているのは聖治だけで、クラスメイトたちは聖治の席に集まり気軽に声をかけてくれた。
「はじめまして。ねえねえ、前はどこに住んでたの?」「部活には所属してた?」「こんな時期に転校なんて珍しいね。なんか事情でもあったのかな?」「なあ、サッカー部入ろうぜサッカー部!」「そんなことより剣道部どう? いま人いないんだよ、ここならすぐレギュラーだよ!?」
「ええ、……っと」
矢継ぎ早に聞かれる質問に聖治は戸惑ってしまう。
しかし嫌ではなかった。むしろ自分に関心を持って話しかけてくれるのをうれしく思う。
戸惑っていた表情からも自然と笑みが漏れてきた。
「お~いみんなぁ~、まずは落ち着くんだなあ~」
するとゆっくりとした声が聞こえてきた。見ると二人の男子が近づいて来る。
声を掛けてくれた男子は大きく背もそうだがお腹も大きかった。髪は黒くて短髪だ。
表情はとても温厚そうで大きいわりには威圧感は全然なく、動物で例えるならパンダのようだ。
反対にもう一人の男子は小柄で髪は白い。
表情はにやついているというか悪戯が好きそうな顔をしている。こっちは例えるならキツネだろうか。
そんな二人が近づいてきた。
「いきなりで大変だな転校生君。大丈夫かい? でもまあ、これも転校生の恒例、ってことで我慢してくれ」
「みんなもぉ、せっかく来てくれたのに、困らせたらダメなんだなぁ~」
「あ、ああ。ありがとう。君たちは?」
「なぁわりぃわりぃ。こっちもいきなり近づいて不審がらせたかな。俺は皆森星都。それでこっちのでかいのが――」
「織田力也だよぉ。よろしくね、聖治君」
「ああ、こちらこそよろしく」
聖治は身体の大きい方、織田から伸ばされた手を握り握手を交わした。
「皆森君も、よろしくな」
「ああ、いい、いい! 星都って呼び捨てにしてくれ。それだけで親近感が上がるからな。君付けは心の距離が開けちまう」
「僕のことも、呼び捨てでいいからねぇ~」
「分かった。なら改めて。よろしく、星都、力也」
「おう」
「よろしくぅ」
まだ転校初日なのに二人の友達ができた。気が早いかもしれないが、それでも、聖治は不思議と二人とは仲良くなれそうな気がしていた。
「おい皆森、織田。抜け駆けかー?」「独り占めはよくないぞ。あ、二人か」
「一斉に掛かるお前らが悪いんだよ。シッシッ、あっち行ってろ」
せっかく集まって来てくれたみんなを星都が払っている。
「星都、気持ちは嬉しいんだが、俺はみんなとも……」
そんな星都に聖治は遠慮しがちに言うのだが言い終わる前にみんなはいなくなっていた。
(ああ……)
寂しい。
「はじめまして。ねえねえ、前はどこに住んでたの?」「部活には所属してた?」「こんな時期に転校なんて珍しいね。なんか事情でもあったのかな?」「なあ、サッカー部入ろうぜサッカー部!」「そんなことより剣道部どう? いま人いないんだよ、ここならすぐレギュラーだよ!?」
「ええ、……っと」
矢継ぎ早に聞かれる質問に聖治は戸惑ってしまう。
しかし嫌ではなかった。むしろ自分に関心を持って話しかけてくれるのをうれしく思う。
戸惑っていた表情からも自然と笑みが漏れてきた。
「お~いみんなぁ~、まずは落ち着くんだなあ~」
するとゆっくりとした声が聞こえてきた。見ると二人の男子が近づいて来る。
声を掛けてくれた男子は大きく背もそうだがお腹も大きかった。髪は黒くて短髪だ。
表情はとても温厚そうで大きいわりには威圧感は全然なく、動物で例えるならパンダのようだ。
反対にもう一人の男子は小柄で髪は白い。
表情はにやついているというか悪戯が好きそうな顔をしている。こっちは例えるならキツネだろうか。
そんな二人が近づいてきた。
「いきなりで大変だな転校生君。大丈夫かい? でもまあ、これも転校生の恒例、ってことで我慢してくれ」
「みんなもぉ、せっかく来てくれたのに、困らせたらダメなんだなぁ~」
「あ、ああ。ありがとう。君たちは?」
「なぁわりぃわりぃ。こっちもいきなり近づいて不審がらせたかな。俺は皆森星都。それでこっちのでかいのが――」
「織田力也だよぉ。よろしくね、聖治君」
「ああ、こちらこそよろしく」
聖治は身体の大きい方、織田から伸ばされた手を握り握手を交わした。
「皆森君も、よろしくな」
「ああ、いい、いい! 星都って呼び捨てにしてくれ。それだけで親近感が上がるからな。君付けは心の距離が開けちまう」
「僕のことも、呼び捨てでいいからねぇ~」
「分かった。なら改めて。よろしく、星都、力也」
「おう」
「よろしくぅ」
まだ転校初日なのに二人の友達ができた。気が早いかもしれないが、それでも、聖治は不思議と二人とは仲良くなれそうな気がしていた。
「おい皆森、織田。抜け駆けかー?」「独り占めはよくないぞ。あ、二人か」
「一斉に掛かるお前らが悪いんだよ。シッシッ、あっち行ってろ」
せっかく集まって来てくれたみんなを星都が払っている。
「星都、気持ちは嬉しいんだが、俺はみんなとも……」
そんな星都に聖治は遠慮しがちに言うのだが言い終わる前にみんなはいなくなっていた。
(ああ……)
寂しい。
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