詩花 嵐のなかに花一輪

葵冬弥

詩花 嵐のなかに花一輪

少しの音も許さず


雨は止まず降り続ける


耳を塞いでも


頭に響いて


目を閉じても


さらに恐くなるだけで




周りから


仮面をつけた大人達が


騒ぎ立てる


雨が降り続けて


風が全身を叩いてく


口からもれるのは


呪文のような


言葉の羅列


空気に紛れて抜けてくだけ




雨は止むことなく叩きつけられ


風は止まることなく吹きつける


一粒の反抗さえ許さず


それは積もってさらに


雨風を強めていく




そんななかで


君が嵐を止めた


嵐の中心で叫んだ


だけどそんな反抗を


嵐は許そうとせずに


のみ込もうとする


それが僕の中の


何かを破った


君が傷つくぐらいなら


僕が壊れるよ


僕が君を守りたいから


僕は今少しだけ


君を嵐からまもる


ぼう風になるよ


せめて目が覚めるまで


良い夢を見ててね

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