リーンカーネーション 小学生に戻ったおれ

seabolt

超山なりのボール

「矢部っち!!走れ!!」

超山なりのボールを見て思わず叫んだ。その声を聞いた矢部っちは、慌てて三塁へ向かって走って行った。

「セーフ!!」
 
ここまではいい。そして、問題は次のボール、サインはホームスチールを出してもらった。コーチはというと押せ押せムードだと勘違いしていたようで、俺の進言に

「わかった」

なんだかよくわからないけど、ホームスチールのサインをだしていた。相手はデータ野球をしている。このサインもバレている可能性もあった。

第二球目

矢部立ちが走った。キャッチャーが立ち上がりウエストしたボールは中途半端な山なりのボールだった。


ザザー

「セーフ!!」
 
同点!!

わーとベンチは盛り上がった。そして、池上フレンズでは、パソコンに座っていた少年が苛立っていたのが見えた。そして、チェンジの後、彼はチームメイトを罵倒したのだった。


「なぜ!!俺の命令を聞かないんだ!!」


その声はは、俺たちにも十分聞こえていた。

「なぜ!!俺の言うとおりにしなかったんだ!!」

そんな彼の言葉を池上フレンズの監督が制していたのだった。確かに、あの場面直球を投げていれば、ホームスチールは防げたのは、間違いない、しかも、その指示を彼は出していたようだった。
回は進み、5回表、実は、この回から俺が登板することになっていた。超山なりのボールを主体とした投球に、俺は揺れて落ちる謎のボールこれが、池上フレンズには究極の攻撃となっていた。
それもそのはず、山なりのボールへの練習は彼らは十分にしてきていたのだった。しかし、揺れて落ちてくるなんて想定外のはず・・回転をなくしたことによって、ボールは無回転の揺らぎ・・そう・・・ナックルボールへと変化していた。
ボールを鷲掴みにしていた俺にとっては、離す瞬間だけの問題だったのだが、それがナックルへと変化していたとは知らなかった。
当然、審判も知らない。ただ・・打者が驚いて、3振をしただけなんだけど・・・こうして、回は進み、6回裏になった。



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