リーンカーネーション 小学生に戻ったおれ

seabolt

秘策

「矢部っち・・」

「何だ渉・・」

「俺がファーボールで出たら1球目は見逃してくれ・・」

「どうして?」

「俺・・・盗塁するから」

「わかった」

「それとその次のストライクは、右に流して打ってくれ」

「え?そんなことできるかな?」

「ま・・やってみてくれ」

「わかった・・」

ツーアウトランナーなしで俺の打順・・・しかし、敬遠だ・・・どうしても俺と対決したくないらしい。だから、2球目が終わった時点で、俺は、打席を左に変えた。クロマティースタイルで

「カモーーン!!」

お尻を振り振りしてやった。

「ヘイ!!カモーーン!!」

しかし、彼らの作戦は徹底していた。敬遠だ・・・

「ピッチャー弱気(よわき)~!!ヘイ!!おちんちんついているの?」

しかし、キャッチャーは立ったまま・・

「ボール!!」

結局、敬遠だった。続く矢部っちの一球目、盗塁をした。

「セーフ」

というより彼らは、送球すらしてこなかった。ここまで徹底しているのか・・・ということは、3塁盗塁も楽勝と次の球で盗塁をした。

キン!!

ストライクが入ったのか・・・と矢部っちは、思いっきり引っ張っているが偶然にも3塁強襲ヒットに!!ボールが転々としている間に俺は3塁を蹴ってホームへ駆け込んでいた。

「セーフ!!」

こうして、3回裏に1点を返すことが出来た。ボールがホームへと投げられている間に矢部っちはセカンドまで進塁していた。ツーアウト2塁、打席は3番の外やん・・・

「ピッチャー交代!!」

ピッチャーが変わってその第1球目を見て俺は驚いた。

超山なりのボールを投げていたのだった。

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