リーンカーネーション 小学生に戻ったおれ

seabolt

えっ?そっち?

井上さんと太田さん、山田さんに囲まれた俺、確実に岡田さんのことで何かを言ってくるに違いなかった。そして、想定通り岡田さんの話をし始めた。

「佐藤君!!岡田さんには注意してよ」

「え?なぜ?」

俺の答えに怒ったのは太田さんだった

「なぜじゃないわよ。多分、彼女、あなたのこと好きよ」

「どうして?」

すると山田さんがため息交じりに

「あんな事されたら好きになってしまうわよ」

「おれ?何かした?」

「「「あ~あ~」」」

呆れた3人は俺に詰め寄ってきた

「何故、あの時に彼女を助けたのよ」

「そうよ」

あの時って、多分、算数の授業の時だろう。そう思っていると

「それに黒板の落書き、あんなこと言ったらだめでしょ」

「え?何が?」

「何がじゃないわよ!!!あんなかっこいいこと言ったら好きになるに決まってるでしょ」

「えっ?そっち?」

「あ~この人何にもわかってないわ」

「本当に困った人ね」

呆れかえっている3人に俺は

「でも、君達でも同じことをしたよ」

「またまた~」

「これだから困るのよねぇ~」

すると3人は俺の肩をポンと叩いた。

「わかったわ。佐藤君を信じる。けど、岡田さんには注意してね。それと沢田さんにも」

こうして、俺は解放された。ようやく家路についたのだがその途中で岡田さんが待ち伏せをしていた。俺を見つけるとどことなくはにかんで笑みを浮かべている。そして、俺に近づいてきて、手を取った。

「今日は、ありがとう・・・ただ、それを言いたくて・・」

言葉とは握りしめているその手にはかなり力が入っている。

「別にいいよ・・・」

俺の言葉を聞いてじっと見つめたかと思うとニコリと笑顔をみせて

「じゃ・・・さよなら」

そう言い残して、彼女は、去って行った。


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