リーンカーネーション 小学生に戻ったおれ

seabolt

春の練習


「集まったのこれだけか?」

そこには、俺と矢部っち、絹やん、外やんとキャッチャー西山さん5人と3年生が4人の合計9名しかいなかったのだ。本来は俺たちがフロッグズに入る予定だったが、優勝後、募集すると募集予想をはるかに大きく上回る20名の応募があって、その中には、5年生が5人もいたらしい。そんなことで、チームを二つに割るということになった。そんな中で、フロッグズのコーチは、体格がいい新しい5年生を中心にチームを組もうとしているようだった、そのためのテストをやっていたみたいだった。一方、矢部っち、絹やんと外やんは、その時のテストで完全に頭に来ていたようだった。そして、コーチにフロッグズを辞めると言ってきたのだった。
 それは、ピッチャーは四谷、他の守備位置は5年生と勝手に割り振られた。揚げ句、反対なら補欠にするとまで言われたのだった。去年の実績を知っていたらそんなことはできないはずなんだけど、四谷のお父さんはかなり曲者で、矢部っちは、バッティングの指導の時に股間まで触られたとか、

「さすがに、あの時は鳥肌が立った」

そうだろう・・と頷くしかないのだが、あの親父に娘がいなくて幸いだと思っていると。箭内さんから

「あの変態コーチ何とかしてよ!!」

女子のことまで行って体をべたべたと触ったとか、それを見かねた女子のコーチが注意をするほどだった。そして、箭内さんから

「あとで家に来てね」

「けど、俺達これから練習なんだけど」

すると箭内さんが辺りを見回した

「コーチは?」

「俺・・」

「え?佐藤君がするの?」

「違うんだ、今日はこのメニューをするようにと言われている」

そこには、キャッチボールとゴロとフライを捕る練習、そして、バントといってもトスをしたボールをバントするというものだった。

「なにこれ?」

「よくわかんなけど、3年生がみんな初心者だから」

「ふーん・・・じゃ・・」

「「私達も手伝いましょうか」」

箭内さんと同じ言葉を山田さんが言った。その言葉に驚いた箭内さんが振り向くと、そこには、天野さんと山田さんがいた。

「私達も練習が終わったところなのよ」

そう言って、俺達の練習が始まった。矢部っちたちも彼女たちが来たことによって、練習が実践に近いものになると喜んでいた。しかし、俺は、この後で地獄が待っているとは、知る由もなかった。

とりあえず、俺達のチーム名は69ers(シックスティナイナーズ)というらしい。意味を知っていたら完全にやばいんだけど、俺たちが住んでいる東町6丁目のナインという意味だと親父は言っていた。けど、その目は笑っていた。

くそ、親父め・・・

そして、ユニフォームは当時の西武ライオンズみたいなカラーリングになって、ライオンズとかいてあるところが"69ers"となっていて結構かっこいいんだけど、なにせ、名前がやばい・・・

そんなことは後にして、練習も終わった頃、フロッグズが練習時間になったらしい・・・
すると、四谷コーチが一言目に

「女子に教わらないといけないようなチームなんて、楽勝だな」

そんなことを言っていた。彼らにしてみれば主力選手が全部こっちにいるんだけど、と言いたそうな絹やんを制した。

「いえいえ、これからですから」

「いいのか?あんなこと言わせて」

「俺たちは3年生にも戦力なってもらわないといけない。それに、7月の試合までは時間がある。だから大丈夫だ」

「でも、今日のメニューじゃ・・・ほら・・・フロッグズは既にノックを始めてるぜ」

するとノックを受けているが、ポロリポロリとエラーの山を築いている。中には万歳をするものや、トンネルをする輩までいたのだった。

「よく見ろよ、基本もわからないから無茶苦茶だろう」

「そうだな・・」

「まずは、キャッチボールで正面で撮る癖をつけないと、続いて軽いフライとゴロの練習、そして、バットに当てる感覚を身に着けることこれが第一だと・・・知り合いの野球選手が言っていたよ」

「そうなんだ・・」

こうして、練習を終えた俺を校舎裏待っていたのは、天野さん、山田さん、箭内さん、太田さん、森さんの5人だった。そして、俺は、有無を言わされずに、銭湯へ連れ込まれたのだった。後はご想像通り、Hなことを一杯したのだった。

「コメディー」の人気作品

コメント

コメントを書く