リーンカーネーション 小学生に戻ったおれ

seabolt

タッチゲーム


「ぎゃーー!!」

休み時間に村上君の叫び声が教室に響きわたった。天野さんと山田さんと話をしていた俺たちはその叫び声に驚き振り返った。すると、村上君がお尻を抑えて反り返っていた。その背後には、カンチョーを決めたぞと不敵な笑いを浮かべている中田君がいたんだけど、その光景を見たクラスのみんなは驚いていた。すると、中田君は

「俺は女子のお尻を触った訳ではない」

そう言って、ふふふと笑っている。その視線の先は矢部っちに向かっていた。次の瞬間、次の生贄が決まっていたようだ。

それに気付いていない矢部っちは、村上君の姿を見て絹やんと笑いながら話をしていた。

「やーねー」

「本当、又、くだらない遊びを始めたわ」

そんなことを山田さんと天野さんが俺と話をしていると休み時間は、終わったのだった。

***

お昼休み、給食を終えるとほとんどみんなが校庭に出て遊ぶのだがこの日は違った。中村くんが矢部っちに話しかけていた。内容はどうも俺たちが優勝したことを聞いているようだった。だからドッチボールをするメンバーも興味深々にそのまま矢部っちの周りに集まっていてその話を聞いている。そんな状態だから俺はというとドッチボールにも行けずにどうしようかなぁ?と考えているとそれを見ていた天野さんと山田さんがやってきて話を始めた時だった。

ズボッ!!

「うっ・・・うぁああああ!!」

矢部っちの叫び声が教室に響きわたった。その背後には、やはり中田君がいてどうやらカンチョーを決めていたのだった。海老反りでお尻を抑えている。そんな光景を見て俺の横で山田さんと天野さんがモゾモゾとして、お尻を俺の方へくっつけてきた。

「またなの?」

「本当、サイテー」

そんなことを言いながら、ボンボンとお尻を俺に当ててくる。ちょうど、俺の後ろには誰もいない。そっと二人のお尻を触るとその動きをやめた。けど、これ以上はできない。すると耳元で

「でた。エロエロ大魔神」

「ホント」

とは言うものの二人は怒らない。そんな状態を見ていたら、中田君がちらりと俺の方を見たかと思うとやられた矢部っちを見て笑っているみんなの後ろに消えていたと思ったら

「ゔぁあああああ!!!」

村上君の叫び声が教室に響きわたった。これを機に男子の中でタッチゲームではなくて、カンチョーゲームが始まったのだった。しかも、標的は男子ばかり、そんな中で一番やられたのは、村上君だった。こうして、この日から男子達の間でカンチョーゲームが始まったのであった。

***

この日は終わったんだけど、実はこれからが俺の出番だった。そう村上君が影でやっている悪事を止めないといけない。
下校時間がきた。まずは山田さんが佐野さんを足止めしているとその隙に俺は校舎裏で服を着替えて天野さんと一緒に佐野さんの通学路で待ち伏せをした。そして、曲がり角の死角になっているところで佐野さんと入れ替わりそのまま歩いていると後ろから俺に合わせるように歩く数人の足音がしてきた。その光景をさっきの死角から天野さんと山田さんと佐野さんが見守っていた。すると、その足音が急に駆け足になって俺の後ろまで来たかと

「タッチ!!やったぞー」

そう言ってお尻を触ってできたので直ぐにその手を掴んだ。
 
「なに!?」

その手は紛れもなく村上君ののだった。

「はなせ!!」

必死にその手を振りほどこうとする村上君の後ろから天野さんの声がして来た。

「村上!!観念しなさい」

天野さんと山田さんの登場に村上君を残して、他のみんなは逃げてしまった。

「禁止されてること、やったわね!!」

「しらねえ!俺はやってない!佐野!!やってないよな?」

すると村上君のの目の前に佐野さんが現れた。

「わたし?わたしがどうしたの?」

「えっ?」

言葉をなくした村上君

「じゃあ、こいつは?」

やつと出番になった。

「俺だよ。しっかりと俺の尻を触ってくれたな。村上」

「えっ?あっ」

こうして村上君は観念したのだった。ここであったことは内緒にするから、今後、佐野さんにこんなことをしないと約束させ、佐野さんへのタッチゲームは終わったのだった。この後、着替えるために天野さんの家に行ったんだけど、そこであったエッチなことはまたの機会にして、
このことがあってか村上君はカンチョーゲームを率先してやっていた。多分、今回の腹いせだと思うんだけど、これが女子にまで波及するとは思っても見なかった。





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