リーンカーネーション 小学生に戻ったおれ

seabolt

攻防

3対2で迎えた5回裏、ワンアウト2塁、一打同点のチャンス。ランナーはさっきヒットを打った江藤、そして、迎える5番バッターに俺は対峙している。スローボールを武器にいている俺にとって、これほど分が悪い状況はない。確実に3塁へ盗塁をされ、バントで1点を取られるというのが明白だった。しかもこの5番は橋本さんからヒットを打っている人物だった。しかし、俺には選択肢が一つしかなかった。そして、俺は投球モーションに入った。

超山なりのボール

「ストライク!!」

バッターもランナーもこの魔球に呆然としていた。まさかのボールそれがしかもストライクで入って来るとは思ってもみなかったようだ。しかし、問題はこの次の2球目だ。同じ球を投げると確実に盗塁をされてしまう。しかし、俺には選択肢がなかった。2球目

超山なりのボール

「ランナー走った!!」

その声が聞こえた瞬間

ガキッ!!

「ファール!!」

バッターがボールに手を出してくれたのだった。これはラッキーだった。走った江藤は2塁に戻った。こうして、カウントはツーストライク、ノーボール、投球モーションに入る

ストレート

「ランナー走った」

江藤が盗塁をした。

「ストライク!!バッターアウト!!」

「サード!!」

キャッチャーがサードへボールを投げた。

「セーフ!!」

ツーアウトランナー3塁、ピンチはまだ続く・・・この状態で、超山なりのボールを投げるのは自殺行為に思える。少なくとも誰もがそう思うだろう。投げた瞬間、3塁ランナーはホームへ走り、ホームスチールをすることも考えておかないといけない。けど、一番やって来るのは、スクイズだ。超山なりのボールをバンとするのは簡単に思える。しかし、ツーアウトだだから、100%バントと絞ることはできない。だから、俺は、超山なりのボールに首を縦に振った。投球モーションに入る

超山なりのボール

バッターは、予想通りバントの構えを見せた。俺が投げ終えると矢部っ地の声がしてきた。

「ランナー走った」

その瞬間にバットにあったったボールがグランドに転がり始めた。

ザザー!!

ホームベースに江藤が滑り込んだ。俺は、転がったボールを取り抑え、直ぐにファーストに投げた。

「セーフ!!」

俺は天を仰いだ。








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