最弱になりすました最強
神扇vs芽彩 1
練習場に行くとそこにはたくさんの生徒がいた。みんな観客席に座っている。
「な、なにこれ……」
神扇が目の前の光景に驚いていると千莉が声を掛けてきた。
「なに、と言われても困るわよ」
「あ、千莉さん」
千莉は疲れたようにため息をこぼす。
「はぁ、どっからか情報が出たみたいでほぼ全生徒が集まっているのよ」
「なんでですかね?」
「さっき言ったじゃない。学園一位と編入生の対決よ?見に行かない人はいないわ。……それに学園を救った英雄って言われてるし」
最後のほうが聞き取れなかったのでもう一度聞いてみる。
「最後なんか言わなかった?」
「いいのよ。気にしなくて。知らない幸せもあるから」
「そうですか……」
「まあ、そんな話は置いといて」
「なんか重大なことだと思うんですが……」
「もうすぐ始まるから準備してきなさい」
「めっちゃスルーされてる……」
「早く行きなさい」
千莉に急かされてながら僕は準備室に向かった。
●●●
数分後、僕は芽彩ちゃんと10mぐらい離れたところにお互い立っている。もうすぐ決闘が始まるのだ。
「二人とも準備はいい?」
審判は千莉さんがするみたいだ。
「大丈夫です」
「だ、いじょ、ぶ」
「では、始め!」
千莉さんが合図を出した。
僕は愛用の刀を出し、芽彩ちゃんに向かって駆け出す。芽彩ちゃんは動く様子もなく、なにか呟いてる。
「我に……黒き……纏わせ……」
声が小さく聞こえづらい。
(とりあえず攻撃すれば分かるか)
神扇は間合いに入った瞬間に芽彩を斬りつけた。だが、ガキィンッと硬い感触がした。
「っ!?」
動揺していると目の前に拳があった。神扇はすかさず後ろに下がって威力を殺したが、完全には殺しきれず吹き飛ばされた。
吹き飛ばされたおかげで距離が空き、芽彩の全身を見れた。
「あれはこないだの黒い怪物……?」
神扇の目の前に居たのは小さな少女ではなく、先日戦った怪物と似ていた。黒い鎧から噴きでる霧は意思があるように動いている。
(道理で硬いわけだ)
(どうするかな……)
●●●
(あれが芽彩さんの能力【黒殼の鎧】)
芽彩が最強と言われる所以の象徴。二つ名の【囚われ】もこの鎧と戦い方からきている。鎧が硬すぎて傷をつけた者はいない。しかも芽彩の試合は全て芽彩が一歩も動いていないのだ。まるで囚われているかのように。
(それにしても……凄い気迫)
近くにいるだけなのに鎧から伝わってくるオーラが半端ないのだ。ただそこにいるだけで息が詰まる。それほどに圧倒的なのだ。
(神扇くんは大丈夫かしら……)
「な、なにこれ……」
神扇が目の前の光景に驚いていると千莉が声を掛けてきた。
「なに、と言われても困るわよ」
「あ、千莉さん」
千莉は疲れたようにため息をこぼす。
「はぁ、どっからか情報が出たみたいでほぼ全生徒が集まっているのよ」
「なんでですかね?」
「さっき言ったじゃない。学園一位と編入生の対決よ?見に行かない人はいないわ。……それに学園を救った英雄って言われてるし」
最後のほうが聞き取れなかったのでもう一度聞いてみる。
「最後なんか言わなかった?」
「いいのよ。気にしなくて。知らない幸せもあるから」
「そうですか……」
「まあ、そんな話は置いといて」
「なんか重大なことだと思うんですが……」
「もうすぐ始まるから準備してきなさい」
「めっちゃスルーされてる……」
「早く行きなさい」
千莉に急かされてながら僕は準備室に向かった。
●●●
数分後、僕は芽彩ちゃんと10mぐらい離れたところにお互い立っている。もうすぐ決闘が始まるのだ。
「二人とも準備はいい?」
審判は千莉さんがするみたいだ。
「大丈夫です」
「だ、いじょ、ぶ」
「では、始め!」
千莉さんが合図を出した。
僕は愛用の刀を出し、芽彩ちゃんに向かって駆け出す。芽彩ちゃんは動く様子もなく、なにか呟いてる。
「我に……黒き……纏わせ……」
声が小さく聞こえづらい。
(とりあえず攻撃すれば分かるか)
神扇は間合いに入った瞬間に芽彩を斬りつけた。だが、ガキィンッと硬い感触がした。
「っ!?」
動揺していると目の前に拳があった。神扇はすかさず後ろに下がって威力を殺したが、完全には殺しきれず吹き飛ばされた。
吹き飛ばされたおかげで距離が空き、芽彩の全身を見れた。
「あれはこないだの黒い怪物……?」
神扇の目の前に居たのは小さな少女ではなく、先日戦った怪物と似ていた。黒い鎧から噴きでる霧は意思があるように動いている。
(道理で硬いわけだ)
(どうするかな……)
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(あれが芽彩さんの能力【黒殼の鎧】)
芽彩が最強と言われる所以の象徴。二つ名の【囚われ】もこの鎧と戦い方からきている。鎧が硬すぎて傷をつけた者はいない。しかも芽彩の試合は全て芽彩が一歩も動いていないのだ。まるで囚われているかのように。
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近くにいるだけなのに鎧から伝わってくるオーラが半端ないのだ。ただそこにいるだけで息が詰まる。それほどに圧倒的なのだ。
(神扇くんは大丈夫かしら……)
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