書道室で聞いてしまったことを僕は嘘だと信じていたいがどうやらそうでもないらしい。

ノベルバユーザー235268

5.騒がしは倍。

1年生は3級の勉強に本腰を入れる時期が来た。

因みに先に言うと部室にいる人たちは荒れている。理由は簡単。魔の中間テストだ。どうやら良くない奴が多いらしい。苦笑いしかないな。

「ささちゃん来た!テスト、どうだった?」
「心愛より悪かったら爆笑してやる!」
「菜奈先輩、落ち着いて。心愛それはありえないから。」
「ありえないって何!?心愛より一教科でも悪かったら…」
「僕学年トップですけど?」
「「「え?」」」

時が止まった気分だった。
「いや、だからトップですって。ほら。」

ぱっと順位表を見せてくる笹原。6教科中4教科はトップどうやら数学と英語がトップを取れなかったらしい。
そっか、思い出した。こいつ頭いいわ。

「……忘れてた。笹原、お前1年代表やってたな。入学式の時に。」
「んぁ…黒歴史。」
「何故に?」

思い出したくない、それが前面に出ている表情。中々にかっこよかったと僕は思っていたが…なんかあったけ?

「いや、だってあれ……。いや、やっぱやめときます。」
「気になるやん!」

いや流石にそこで止めるかな!?なんでかな!?僕気になるなぁ〜とか言ってやりたい。あんまり煽ると後輩とは思えぬグーパンが飛んでくる。かなり痛めだ。

「んゃぁ…うん。あれやりたくてやった訳でもないし。なんかこう、うん。」

どうやらしっくりこないらしく困った表情の笹原。その時だった。

「神奈、やりたくないってずっと言ってたもんなぁ。前日にあんなにイヤイヤ言って完璧にこなすあたりが神奈らしいけど。」

この声は間違いない。笹原の幼馴染、菅原だ。その煽るようにいう声、また笹原に仕返しされると思うのだけど…。

「そーだね、かなり嫌がってたわ、僕。でもね、光星。人が嫌がってることを言うのはやめなよ。」
「はぁ〜、やだ!」
「そっかぁ〜」

あ、やべぇ。菅原、謝れ…そんな満面な笑みで言うな…未来は見えてるだろ!?同じことをお前は何度もやってるはずだろ!?

「そっか〜、じゃあ僕も言っちゃお〜!」

この明るい声…間違いない。お疲れ様、菅原。そして頑張れ…。

「例えば光星くん、君は昨日の朝起きたら〜」
「うわぁー!やめろ!やめろよ!」
「え〜、なんでかな?」
「人が嫌なことを言うなって昔習ったろ!」

あ、それ矛盾…そして笹原はそれを

「じゃあてめぇーも言うなぁぁぁぁ!」

許すことはありえないんですよね、知ってました。ってかいつもの事だよね。菅原いい加減学習してくれよ。毎回同じことしてるじゃねーか。

「…ほんとに学年トップなんだ。」

ポツリ、須恵島の呟きにすぐさま反応する笹原。お前らホント仲いいな。

「どーした、チビ助。」
「…何もない。簿記1位は当たり前だと思うけどね。」
「取ってない奴が言うな。まぁ、確かに当たり前だよな、僕は。」

知ってるぞ、僕は。陰でずっと努力してるお前を。何が当たり前だよ…。テスト前なんて連絡すらつかなかったじゃねーか。

「僕は出来なきゃですもんね、君からしたら。偉そうに言うやつが出来なかったら、いい弄るためのネタになったのに残念だったね。」

ふいっそんな効果音がぴったりな行動をする笹原。そのまま自分の席まで行きちゃっちゃっと教科書類をロッカーに置きに行った笹原。なんであんなに半ギレ状態なのか。

「…なにあれ感じ悪っ!」
「当たり前って言われた途端だったね、簿記部だし簿記は当然では?って感じなんだけどなぁ。まぁ、あの感じならほっときゃ元に戻るでしょ。」

東雲の言う通りだと流石に今回ばかりは思う。触らぬ神に祟りなしとか言いますし?

「なんで機嫌悪いか突き止めてやるっ!」

なんでそうなるんだ君は?笹原ご愁傷様、どうやら須恵島は君につきまとう気らしいですよ。

本当に、テスト終わりは騒がしいさが倍になるな。

6.これは全力で。
あれからも変わらず毎日変わらず学校と部活の日々だ。さほど変化はない。何故さほど、と言ったのかというと笹原の機嫌が治ったのが原因だろう。

「ゲームイベントじゃん!」

その一言と共に期限はみるみる急上昇。最近はゲームばかりやってるのが目に付く。検定近いぞ…。

「神奈〜。今暇?」
「どこをどうやったら君には暇に見えるのかゆっくり、ゆーっくり説明頂いても?」
「携帯ポチポチしてるから暇かなって。」
「ふーん、で?用件は?」
 「減価償却の計算、教えてもらえないでしょーか…。」
「無理、ゲーム中。紅月先輩暇そうじゃん。」

ちょっと待って、生贄は俺かよ!?2年生じゃねーのか!?そこは普通東雲やろ!?もちろん俺の心はパニック。そりゃね、そりゃね!いつも2年推しの君がなぜに僕に振るのかな?ん?

「あれ、ホントだ。じゃあ、紅月先輩教えてください。減価償却。」
「あ、私も聞きたい。」
「俺も。」

あ、私も私もとの声がどんどん上がる。あれ…これ理解してないね…?固定資産。

「俺、神奈に教えて欲しいんだけど。」

す、菅原!?ゲーム中にそれ言うのはよくないと思うけど…?

「やだ、ゲーム中なんだけど。」
「誰が今すぐって言いましたか?」
「…あー。なるほどね…。んー、じゃあいいよ。教える。」
「は!?え!?なんで!?心愛にも教えてよっ!」
「やだね。今すぐお断り。」
「今日ワークやるんでしょ!?なら光星も困るでしょ!?」
「俺、わかんないの直接法だけだからあんまり問題な…。」
「分かった、僕が一気に教えよう。」

そうだ、それがいい。俺が一気に教えればいいじゃん。

「じゃあ、俺パスで。神奈。」
「ん、いいよ。いつものとこでいいよね?」
「助かる。」
「んーん、いいよ。」

あの二人にはどうやら共通の場所があるらしい。幼馴染ってのはこういう時に便利だよな、って少しだけ思う。いや、いないわけじゃないけど疎遠になってるだけだ。高校が違いましてや3年生。みんなそんなもんだろう。

「東雲。今日計測の時間借りていいよね?」
「いいけど…そうなると計測スガくんとささちゃんだけになるよね…?」
「そゆことになりますね。」

ゲームやりながらこっちの会話に参加。相変わらず笹原は器用だ。

「なら、見直しやる?」
「見直し…。んー…光星、どうしたい?」
「なんならそん時に俺がわかんないの全部教えてよ。」
「構わないけど…。」
「ん、なら紅月先輩に教えて欲しい人は1年1組に、そうじゃない人は1年2組に移動してください!」
「「「はい!」」」

そう言えば笹原、菅原、須恵島、小谷以外にまともに関わった1年生いない。ってことで名前が全くわからない。まぁ、どうにかなるだろう。…須恵島いるし。

「菅原と笹原いがいで2組行くやつ、いる?」
「…いや、いないっすね。」
「まじかよ。」

笹原の言葉に俺は思う。今年は不安要素がどんどん出来ていくなっと。

検定まであと3週間、これは全力で教えなくては。

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