書道室で聞いてしまったことを僕は嘘だと信じていたいがどうやらそうでもないらしい。

ノベルバユーザー235268

2.全員の声が重なる部活終わり。

部活の時間は基本3年生と2年の大会組、2年の講義組と1年生、って感じにわかれてるから、あいつが部活でどんな風にやってるかはイマイチ分からない。ってか知ろうとも思わない。

「…じゃあ、これで部活終わります。立ってくだい。お疲れ様でした。」
『お疲れ様でした!』

先生の話はさることながら自らも長い話をした今日は全員挨拶前に集中力が切れてるのが見て取れる。今日は仕方が無いか。

「紅月先輩!あの…!」

また須恵島だ。疲れる。死んだ。ゲームしたい、まじ逃げたい……。

「なに?どーした?」
「ここが分からなくて……。」
「んーと、ってまた有価証券かよ…(笑)」
「だってぇ〜…」
「ぶふぉッッ」

ってこれは……?やっぱり笹原だァ!そうだよね〜、君須恵島大好きだから来るんだよね〜、あっはっはっ〜……俺疲れてるのか、うん。しゃーない。

「で?今度は何?」
「チビ助っていつも僕への視線冷たいよね、何したいわけ?」
「それはこっちのセリフだぁ!いつも心愛にだけ厳しいこと言うじゃん!なんでなの!」
「さぁ?僕に聞かれても(笑)」
「…堕天してねーか?」
「なんか言いました?紅月先輩」

そんな爽やかスマイルで言われても…。こう見えても笹原は女子に好かれる。高校入ってから2度の告白はどちらも女子だという。笹原のせいで新しい世界に目覚める子も少なからずいるって考えると…なんか俺は複雑だよね…。

「…あれっ?この問題…。」
「なに?クソ簡単とか言ってイヤミいう気?」
「……………。」
「なんか言え!」
「っあ、そういうことか。なるほどね。さんきゅ、っと菜奈先輩!」
「どしたー?」
「頼みがあるんですけど…。」
「…っあ!ごめんあれだよね?忘れてたぁ、すまんな」
「思い出してくれて何よりです、自販機行きましょ?僕カルピス飲みたい!」
「好きだね〜、カルピス。」

きゃっきゃっしながら出ていく東雲と笹原。
笹原は部活終わりは本当にそこら辺の女子。
悲しいことに部活終わり限定、それが謎。まぁ、僕の知ったことではないからいいが。

「はぁ〜、神奈ってどうして可愛いのにあんな性格なんですかね〜。」
「知らねーよ、僕に聞くなよ。」
「ほんと、惜しい性格っていうか…」
「雑談なら僕相手しませんが?」
「別にいいじゃないですか…?部活終わってますし〜」
「ま、せやな」

僕だってそれは思う、女子に妬まれるどころか告白までされるほど人気がある。僕の学年ですらあいつのファン(?)がいる。どこがいいのか。ちなみに答えはみんなほとんど同じ。

『え?顔いいじゃん?スタイルいいじゃん?それでもってちょっと、サバサバした性格してんじゃん?けど、時たまにっこり笑うじゃん?あれがものすごくギャップっていうの?もう可愛くて可愛くて…!!それで学年トップでしょ〜?もう言うことなしじゃん!』

俺はお前に言いたいことだらけだけどな。途中までは全然確かに程度だったんだ、けどな、可愛いとはなんぞや?あいつが?どこが?ギャップ??俺には永遠に冷たいわ!

「……いっ、せんぱいっ!聞いてますー?」
「んや、ごめん聞いてない。この間のことちょっと思い出してて、」
「やっぱり聞いてない、神奈が最近何しても反応薄くてつまらないんですよ〜。」
「いや、知らん。僕の知ったことではない。」
「紅月くん冷たーい。」
「うるさい、月崎。だいたいお前さぁ、その少しウザめのJKみたいなことするなよ。」
「きゃー、紅月くんにウザイって言われたぁ〜」
「ひっぱたくぞ?」
「わりーわりー、ごめんって!その拳しまってくれ。」

今部室に入ってきたこいつ、月崎はいつもウザイめ。語尾は伸びるし喋りはゆるゆる。もう少しどうにかならないものかと問えば無理とかえってくるのが分かっている。
まぁでも、信頼している相手ではあるのだ。結構なんでも言える仲だ。ちなみに拳を構えるまでは僕らの中ではテンプレ、気にしていない。

「ちょっと、紅月先輩。暴力反対〜。」
「…もう帰ってきたし。」
「早かったでしょ?」

にひっと笑いながらも拳をおさめろと言ってくる笹原。東雲は呆れた顔をしている。よくやってるからな、僕ら。東雲からしてもまたいつもの事なのだ。律儀に毎回突っ込むのは笹原くらいだ。

「ほら〜ささちゃんに言われたら聞くしかないだろ?紅月先輩っ?」
「お前に先輩って言われる筋合いないから、だいたいなぁ、「そーだ、月崎先輩。」
「話を遮るなっ!」
「まぁまぁ、どうした、ささちゃん」
「多分先輩の担任の先生が先輩探してましたよ。脱走しやがってー!って叫んでましたけど……大丈夫?」

……それだいじょばないやつじゃね?アウト系じゃね?君、また何から逃げ出したんだよ。言いたいことは色々あるがまぁ、最初はこれだよね。

「「「あほ?」」」


全員の声が重なる部活終わり。

「書道室で聞いてしまったことを僕は嘘だと信じていたいがどうやらそうでもないらしい。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く