異世界を8世界ほど救ってくれって頼まれました。~本音で進む英雄譚~(仮)
1-10 変形は男のロマン
「おいおい!? でけぇなんてもんじゃねえぞアレ!?」
「この距離であの大きさ……ゆうに10メートルは越えているわね……」
俺と綾香が目視でジャンボグリーンスライムとやらを確認し戦慄する。
あんなのに踏みつぶされたら一発でアウトだ!
「ははははは早く逃げましょう!? ジャンボスライムの動きは遅いみたいですし!」
<ジャンボ「グリーン」スライムですよ雌豚>
「いや、今そんなこと言ってる場合じゃないからな!? よし、急ぐぞ!」
不穏な言葉が聞こえたが今は突っ込んでいる場合じゃない。
俺達三人は急いで町へと走り出す。とりあえず町まで逃げれば……町まで……。
あれ?
「ちょちょちょ、ちょっと待て! このまま町まで逃げたらあいつはどうなるんだ?」
<お答えしますマイマスター。あの規模の魔物が町へ突っ込んできた場合、家屋の7割は破損。住んでいた人々はスライムに飲まれ溶かされることでしょう。服だけが溶けるとか甘い事は言いません。すべからくスライムの養分になることでしょう。ホホホ……>
怖っ!? ということは俺達狙いなら町へ戻るのは被害を増やすだけ……。
「ど、どうしよう陽!? まだ死にたくないよ!?」
おお、焦っている綾香を見るのは久々だな……いつもこうなら可愛いんだが。などと言うと別のベクトルで、アプローチをかけてくるので口が裂けても言わないが。
「ローラ、何か良い手は無いか?」
ゆっくりと、しかし確実に歩を進めてくるジャンボグリーンスライムを見ながらコントローラーへ話しかける。
<その言葉を待っていました。では、奥の手を使いましょう>
「お、奥の手ですか……? だ、大丈夫なんですか……?」
<牛おっぱいは魔法の準備でもしていなさい、この奥の手は貧乳と陽さんだけしか使えないのですから>
「並はあるわよ!?」
「うわーん!!」
「ええい話がややこしくなる! 早く奥の手を教えてくれ!」
<畏まりました。ではコントローラーのボタンを今から教える順番に押してください>
「わ、分かったわ」
色々思うところはありそうだが、綾香も死にたくはないだろう。大人しく言うことを聞いていた。
これで嘘だったら多分壊すな。
<上上下下左……>
「やめろぉ!? それは嘘だな……?」
<流石です。では……上、下、L1、R2、左、右、L2、R1の順でお願いします>
こいつは……。ええい、やるしかないか!
「「上、下、L1、R2、左、右、L2、R1……」」
綾香と二人でカチャカチャとコントローラーを操作すると、音声が鳴り響きその形を変えていく!
<コマンド確認。アルティメットモードへ移行します>
「「おおー!」」
カシャン! ガキィィン!
<お待たせしました、コントローラーアルティメットモードです>
俺達の手にはどういう変形を行ったのか分からないくらいまったく別の形……そう、剣の刃が無い状態の部分を握っていた。
「何か剣っぽいな? ここからどうするんだ?」
「刃が無いと戦えないわよ?」
<焦るな貧乳。それでは、目を瞑って理想とする刃の形を念じてください>
「ん……こうか……」
「後で覚えてなさいよ……ん……」
「わわ!? す、すごいです……!」
<成功です。目を開けてください>
「おお! 何だこれ! カッコいい!」
俺の剣は刀を模した、反りのある刃ができていた。光っているのはもしかして……。
「これは魔力の刃か?」
「あ、そういうことね」
綾香の剣はクレイモアとかバスタードソードみたいな大型の刃だった。
<その通りです陽さん。これならあのジャンスラはすぐに倒せるでしょう>
「い、今略……」
<シャラップ>
「ひい!?」
「よし、これならいけそうだ! フィリア、魔法で雑魚の相手を頼むぜ! うおおおお!」
「あ、待ってよ陽!」
「≪ライトニング≫!」
進路上の雑魚を魔法で倒してくれたので、俺達はそのままジャンボグリーンスライムへ斬りかかる!
ジュエェェェェアアア!!
同胞を殺された怒りか、スライムが咆哮をあげる!(どうやって鳴くんだ?)
「せい!」
ブジャアア
少し浅かったか!? スライムの体の一部を切り取ったがまだまだ元気だ。
<どこかにコアがあるはずです。それを探してください>
「了解! こっちも! とおおおお!」
綾香の縦斬りがキレイに決まり、体の三分の一をえぐり取っていた。
分裂をするかと思ったけど、斬った端から消滅しているのでスライムの体はどんどん小さくなっていく。
「これで終りだ!!」
ジュェア!?
横薙ぎでスライムを真っ二つにすると上下ともに消滅した。それと同時に魔力の刃が消える。
「ふう、何とかなったか……これすごいな!」
「そうね、これがあったら刺客もすぐに……」
言い終わらない内に綾香が顔から倒れこむ。
え? どうしたんだ?
「お、おい! 綾香! ……あ……」
助け起こそうとした俺も綾香に覆いかぶさる形で倒れこんでしまった。起き上がろうとしても指一本動かせない。
「はあ、はあ……陽ぅ……」
「だ、大丈夫か! どこか痛むのか!?」
「陽が……上に……えへへ……」
頭以外は無事みたいだな。
「ハルさぁーん! アヤカさーん! ふへ!?」
急に姿を消した俺達を探しにフィリアが来て変な声を上げていた。
「おい、ローラ……これはどういうことだ?」
<お答えします、マイマスター。このアルティメットモードは魔力を消費して刃を形成するモードなのですが……>
「それはさっき言ってたわよね?」
<ええ、ただ使っている間、どんどん消費していくので今のお二人の魔力量ではこの時間の戦闘に耐えられなかった……そういうことです>
「何だと!? じゃあ俺達はどうなるんだ?」
<このままじっとしていれば徐々に魔力が回復しますから待ちましょう>
「なんてこと……あ!? ちょ、スライム!? スライムがスカートの中に!? 取って! とってぇ!?」
どうやら雑魚がまだ残っていたらしく、綾香のスカートへ侵入したらしい。
「何てうらや……いや、すまん俺も指すら動かせないんだ」
「フィリアー! お願い何とかしてぇ!」
するとフィリアがスッと綾香の耳元へ顔を近づけ、何事か話しかけていた。
「(ハルさんとの添い寝権、わたしにもいただけますか?)」
「(!? ひ、卑怯な……! 私が身動き取れないことをいいことに……!)」
「(そうですか……残念です……下着は諦めてもらうしかありませんね)」
「(くっ!? し、仕方ない……とりあえずお試しで一回。陽が嫌がれば無し。それでどう?)」
「(分かりましたあ♪)」
「えい! えい!」
ピギュウ……
フィリアが★ステッキでスライムを滅していく。これくらいなら何とかなるらしい。
「……早く魔力かいふくしねぇかな……」
段々と日が暮れていく中、綾香の上でそんな当たり前のことを呟くしかできなかった。
「この距離であの大きさ……ゆうに10メートルは越えているわね……」
俺と綾香が目視でジャンボグリーンスライムとやらを確認し戦慄する。
あんなのに踏みつぶされたら一発でアウトだ!
「ははははは早く逃げましょう!? ジャンボスライムの動きは遅いみたいですし!」
<ジャンボ「グリーン」スライムですよ雌豚>
「いや、今そんなこと言ってる場合じゃないからな!? よし、急ぐぞ!」
不穏な言葉が聞こえたが今は突っ込んでいる場合じゃない。
俺達三人は急いで町へと走り出す。とりあえず町まで逃げれば……町まで……。
あれ?
「ちょちょちょ、ちょっと待て! このまま町まで逃げたらあいつはどうなるんだ?」
<お答えしますマイマスター。あの規模の魔物が町へ突っ込んできた場合、家屋の7割は破損。住んでいた人々はスライムに飲まれ溶かされることでしょう。服だけが溶けるとか甘い事は言いません。すべからくスライムの養分になることでしょう。ホホホ……>
怖っ!? ということは俺達狙いなら町へ戻るのは被害を増やすだけ……。
「ど、どうしよう陽!? まだ死にたくないよ!?」
おお、焦っている綾香を見るのは久々だな……いつもこうなら可愛いんだが。などと言うと別のベクトルで、アプローチをかけてくるので口が裂けても言わないが。
「ローラ、何か良い手は無いか?」
ゆっくりと、しかし確実に歩を進めてくるジャンボグリーンスライムを見ながらコントローラーへ話しかける。
<その言葉を待っていました。では、奥の手を使いましょう>
「お、奥の手ですか……? だ、大丈夫なんですか……?」
<牛おっぱいは魔法の準備でもしていなさい、この奥の手は貧乳と陽さんだけしか使えないのですから>
「並はあるわよ!?」
「うわーん!!」
「ええい話がややこしくなる! 早く奥の手を教えてくれ!」
<畏まりました。ではコントローラーのボタンを今から教える順番に押してください>
「わ、分かったわ」
色々思うところはありそうだが、綾香も死にたくはないだろう。大人しく言うことを聞いていた。
これで嘘だったら多分壊すな。
<上上下下左……>
「やめろぉ!? それは嘘だな……?」
<流石です。では……上、下、L1、R2、左、右、L2、R1の順でお願いします>
こいつは……。ええい、やるしかないか!
「「上、下、L1、R2、左、右、L2、R1……」」
綾香と二人でカチャカチャとコントローラーを操作すると、音声が鳴り響きその形を変えていく!
<コマンド確認。アルティメットモードへ移行します>
「「おおー!」」
カシャン! ガキィィン!
<お待たせしました、コントローラーアルティメットモードです>
俺達の手にはどういう変形を行ったのか分からないくらいまったく別の形……そう、剣の刃が無い状態の部分を握っていた。
「何か剣っぽいな? ここからどうするんだ?」
「刃が無いと戦えないわよ?」
<焦るな貧乳。それでは、目を瞑って理想とする刃の形を念じてください>
「ん……こうか……」
「後で覚えてなさいよ……ん……」
「わわ!? す、すごいです……!」
<成功です。目を開けてください>
「おお! 何だこれ! カッコいい!」
俺の剣は刀を模した、反りのある刃ができていた。光っているのはもしかして……。
「これは魔力の刃か?」
「あ、そういうことね」
綾香の剣はクレイモアとかバスタードソードみたいな大型の刃だった。
<その通りです陽さん。これならあのジャンスラはすぐに倒せるでしょう>
「い、今略……」
<シャラップ>
「ひい!?」
「よし、これならいけそうだ! フィリア、魔法で雑魚の相手を頼むぜ! うおおおお!」
「あ、待ってよ陽!」
「≪ライトニング≫!」
進路上の雑魚を魔法で倒してくれたので、俺達はそのままジャンボグリーンスライムへ斬りかかる!
ジュエェェェェアアア!!
同胞を殺された怒りか、スライムが咆哮をあげる!(どうやって鳴くんだ?)
「せい!」
ブジャアア
少し浅かったか!? スライムの体の一部を切り取ったがまだまだ元気だ。
<どこかにコアがあるはずです。それを探してください>
「了解! こっちも! とおおおお!」
綾香の縦斬りがキレイに決まり、体の三分の一をえぐり取っていた。
分裂をするかと思ったけど、斬った端から消滅しているのでスライムの体はどんどん小さくなっていく。
「これで終りだ!!」
ジュェア!?
横薙ぎでスライムを真っ二つにすると上下ともに消滅した。それと同時に魔力の刃が消える。
「ふう、何とかなったか……これすごいな!」
「そうね、これがあったら刺客もすぐに……」
言い終わらない内に綾香が顔から倒れこむ。
え? どうしたんだ?
「お、おい! 綾香! ……あ……」
助け起こそうとした俺も綾香に覆いかぶさる形で倒れこんでしまった。起き上がろうとしても指一本動かせない。
「はあ、はあ……陽ぅ……」
「だ、大丈夫か! どこか痛むのか!?」
「陽が……上に……えへへ……」
頭以外は無事みたいだな。
「ハルさぁーん! アヤカさーん! ふへ!?」
急に姿を消した俺達を探しにフィリアが来て変な声を上げていた。
「おい、ローラ……これはどういうことだ?」
<お答えします、マイマスター。このアルティメットモードは魔力を消費して刃を形成するモードなのですが……>
「それはさっき言ってたわよね?」
<ええ、ただ使っている間、どんどん消費していくので今のお二人の魔力量ではこの時間の戦闘に耐えられなかった……そういうことです>
「何だと!? じゃあ俺達はどうなるんだ?」
<このままじっとしていれば徐々に魔力が回復しますから待ちましょう>
「なんてこと……あ!? ちょ、スライム!? スライムがスカートの中に!? 取って! とってぇ!?」
どうやら雑魚がまだ残っていたらしく、綾香のスカートへ侵入したらしい。
「何てうらや……いや、すまん俺も指すら動かせないんだ」
「フィリアー! お願い何とかしてぇ!」
するとフィリアがスッと綾香の耳元へ顔を近づけ、何事か話しかけていた。
「(ハルさんとの添い寝権、わたしにもいただけますか?)」
「(!? ひ、卑怯な……! 私が身動き取れないことをいいことに……!)」
「(そうですか……残念です……下着は諦めてもらうしかありませんね)」
「(くっ!? し、仕方ない……とりあえずお試しで一回。陽が嫌がれば無し。それでどう?)」
「(分かりましたあ♪)」
「えい! えい!」
ピギュウ……
フィリアが★ステッキでスライムを滅していく。これくらいなら何とかなるらしい。
「……早く魔力かいふくしねぇかな……」
段々と日が暮れていく中、綾香の上でそんな当たり前のことを呟くしかできなかった。
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント