異世界を8世界ほど救ってくれって頼まれました。~本音で進む英雄譚~(仮)
1-8 ギルドカード作成!
「はい、いらっしゃい」
ギルドに入ると開口一番、金髪美人がそっけなく挨拶をしてきた。
面倒くさそうに髪を書き上げる仕草はサマになっているが、顔はしかめっ面だった。
「冒険者登録をしたいんだけど、ここで合ってるか?」
お姉さんはチッと舌打ちをして、書類を用意してくれた。
「ここ、名前だけ書けば後はこっちでやるから。多分説明してもすぐわかんないだろうからまずカードを作って」
「は、はい……」
俺達三人はなんだか迫力のある美人に逆らえず、ぺらいシートに名前を書いて提出した。
受け取った後はものすごい早さで書類を書きはじめ、五分くらいで何やら金属のプレートを差し出してきた。
「これ」
「え、ええ」
ぶっきらぼうに金色のプレートを差し出され受け取る。
「名前が間違っていないか確認して。それが終わったら、この装置にカードを差し込んで上のガラスに手を置いてくれる?」
気怠そうに煙草に火を点けだした美人の言う事に従い、ゲーセンのゲームにありそうなカードリーダー一体型の装置にカードを差し、手を乗せる。
「はい、起動と」
カチッと何かのスイッチを押すと、装置が光りだしウイーンと音がし出した。一分程で終り「チーン」というなじみ深い音と共に排出された。
「それで登録できたから。次はそっちのお嬢さんだな。早く」
ふーと煙を吐きながら、めんどくさそうに、しかし丁寧に一つずつ作業をこなしてくれる。
実は良い人なのではなかろうか?
「どれ……お、ちゃんと『ハル=カミシロ』って書いてるな。ジョブは……『勇者』か、良かったここで変なジョブになって一悶着とか嫌だしな」
「私も終わったわよ、名前もジョブも問題なし!」
「みたいだな、レベルはどうだった?」
ちなみに俺のレベルは五だった。あの騒動でレベルが上がっているみたいだ。
「レベル四……まあまあスタートとしてはいいんじゃない?」
俺達が満足していると、泣きそうな顔でフィリアが戻ってくる。
「ハルさぁーん……私はダメな子ですー……ジョブが……」
カードを握って俺に抱きついてくる。柔らかいっ!
慌てて引き離し、フィリアに確認する。
「一体ジョブは何だったんだ? 流石に女神見習いとかにはならないだろ?」
「うう、ぐす……はい、一応、魔法使いになる予定だったんですけど……賢者に……」
賢者ならいいじゃないか、と思ったがステータスを見てみると……。
【フィリア】
レベル:1
ジョブ:賢者
※以下略
「プッ……(ポンコツ)って……」
「ふ、ふふ……ご、ごめんね……でも賢者なのにポンコツ……」
「うわーん!!」
フィリアはまだ何も戦闘をこなしていないのでレベルは1。それはいい。
しかしポンコツとは何事なのだろうか?
すると美人が頭を掻きながらやはり気怠そうに、新しい煙草に火を点ける。
「ああ、たまに居るんだよそういう称号が付くやつ。ポンコツは見ての通りポンコツだな……ふー……」
「ちなみにこの場合どうなるんだ?」
「そうだなあ……魔法が発動しなかったりすることはあるらしいぞ? それより次の説明を始めていいか?」
煙草を吸いながら、早くしろと言わんばかりに急かしてくる。しかし面倒くさそうにする割にちゃんと聞けば答えてくれるんだな……。
フィリアには悪いが次を聞こうと思ったら、奥から別の人がやってくる。
ピシっとしたスーツっぽい服をきた眼鏡のお姉さんだった。
「あー!? マスター! 何でカウンターに居るんですか! ルーミはどこいったんですか? あの子に留守を頼んだはずですけど……」
「あー? 何か用事ができたから早上がりしたぞ? 仕方ないから私が座ってたんだよ」
ふー、と煙を吐きながら眼鏡のお姉さんに目を向ける。
「あの子の用事なんて彼氏とのデートに決まってます! もうー、マスターは対応すっごい悪く見えるのに、いい人なんだから……」
褒めているんだか分からない感じで頭を抱える眼鏡の人。やはりいい人らしい。
「何だよそれ……あ、ちょうど煙草が切れたから交代してくれ。今から職業の確認とギルドの説明が残ってる」
「分かりました。気を付けてくださいよ? この前も道に迷ったお婆さんを助けようとして一緒に迷ってたんですから」
残念美人というところだろうか、いい人なんだろうけどなぁ……。
あの態度でギルドマスターというのも驚愕だが。
「それではマスターに代わり、わたくしコルベットが案内致しますね! 一度皆さんのカードをお預かりしてよろしいでしょうか?」
この世界にきてようやくまともな対応をしてもらえるな。
とりあえずレベルを上げる方法と領主の館へ行く方法を聞かないとな。俺達はカードをコルベットさんに渡し、しばらくすると……。
「ポ、ポンコツ……プ……」
「うわーん!!!」
フィリアがディスられていた。
ギルドに入ると開口一番、金髪美人がそっけなく挨拶をしてきた。
面倒くさそうに髪を書き上げる仕草はサマになっているが、顔はしかめっ面だった。
「冒険者登録をしたいんだけど、ここで合ってるか?」
お姉さんはチッと舌打ちをして、書類を用意してくれた。
「ここ、名前だけ書けば後はこっちでやるから。多分説明してもすぐわかんないだろうからまずカードを作って」
「は、はい……」
俺達三人はなんだか迫力のある美人に逆らえず、ぺらいシートに名前を書いて提出した。
受け取った後はものすごい早さで書類を書きはじめ、五分くらいで何やら金属のプレートを差し出してきた。
「これ」
「え、ええ」
ぶっきらぼうに金色のプレートを差し出され受け取る。
「名前が間違っていないか確認して。それが終わったら、この装置にカードを差し込んで上のガラスに手を置いてくれる?」
気怠そうに煙草に火を点けだした美人の言う事に従い、ゲーセンのゲームにありそうなカードリーダー一体型の装置にカードを差し、手を乗せる。
「はい、起動と」
カチッと何かのスイッチを押すと、装置が光りだしウイーンと音がし出した。一分程で終り「チーン」というなじみ深い音と共に排出された。
「それで登録できたから。次はそっちのお嬢さんだな。早く」
ふーと煙を吐きながら、めんどくさそうに、しかし丁寧に一つずつ作業をこなしてくれる。
実は良い人なのではなかろうか?
「どれ……お、ちゃんと『ハル=カミシロ』って書いてるな。ジョブは……『勇者』か、良かったここで変なジョブになって一悶着とか嫌だしな」
「私も終わったわよ、名前もジョブも問題なし!」
「みたいだな、レベルはどうだった?」
ちなみに俺のレベルは五だった。あの騒動でレベルが上がっているみたいだ。
「レベル四……まあまあスタートとしてはいいんじゃない?」
俺達が満足していると、泣きそうな顔でフィリアが戻ってくる。
「ハルさぁーん……私はダメな子ですー……ジョブが……」
カードを握って俺に抱きついてくる。柔らかいっ!
慌てて引き離し、フィリアに確認する。
「一体ジョブは何だったんだ? 流石に女神見習いとかにはならないだろ?」
「うう、ぐす……はい、一応、魔法使いになる予定だったんですけど……賢者に……」
賢者ならいいじゃないか、と思ったがステータスを見てみると……。
【フィリア】
レベル:1
ジョブ:賢者
※以下略
「プッ……(ポンコツ)って……」
「ふ、ふふ……ご、ごめんね……でも賢者なのにポンコツ……」
「うわーん!!」
フィリアはまだ何も戦闘をこなしていないのでレベルは1。それはいい。
しかしポンコツとは何事なのだろうか?
すると美人が頭を掻きながらやはり気怠そうに、新しい煙草に火を点ける。
「ああ、たまに居るんだよそういう称号が付くやつ。ポンコツは見ての通りポンコツだな……ふー……」
「ちなみにこの場合どうなるんだ?」
「そうだなあ……魔法が発動しなかったりすることはあるらしいぞ? それより次の説明を始めていいか?」
煙草を吸いながら、早くしろと言わんばかりに急かしてくる。しかし面倒くさそうにする割にちゃんと聞けば答えてくれるんだな……。
フィリアには悪いが次を聞こうと思ったら、奥から別の人がやってくる。
ピシっとしたスーツっぽい服をきた眼鏡のお姉さんだった。
「あー!? マスター! 何でカウンターに居るんですか! ルーミはどこいったんですか? あの子に留守を頼んだはずですけど……」
「あー? 何か用事ができたから早上がりしたぞ? 仕方ないから私が座ってたんだよ」
ふー、と煙を吐きながら眼鏡のお姉さんに目を向ける。
「あの子の用事なんて彼氏とのデートに決まってます! もうー、マスターは対応すっごい悪く見えるのに、いい人なんだから……」
褒めているんだか分からない感じで頭を抱える眼鏡の人。やはりいい人らしい。
「何だよそれ……あ、ちょうど煙草が切れたから交代してくれ。今から職業の確認とギルドの説明が残ってる」
「分かりました。気を付けてくださいよ? この前も道に迷ったお婆さんを助けようとして一緒に迷ってたんですから」
残念美人というところだろうか、いい人なんだろうけどなぁ……。
あの態度でギルドマスターというのも驚愕だが。
「それではマスターに代わり、わたくしコルベットが案内致しますね! 一度皆さんのカードをお預かりしてよろしいでしょうか?」
この世界にきてようやくまともな対応をしてもらえるな。
とりあえずレベルを上げる方法と領主の館へ行く方法を聞かないとな。俺達はカードをコルベットさんに渡し、しばらくすると……。
「ポ、ポンコツ……プ……」
「うわーん!!!」
フィリアがディスられていた。
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