能無し刻印使いの最強魔術〜とある魔術師は来世の世界を哀れみ生きる〜
EP.30 魔術師は編入させる
やはり扉を開けた先には、本を読んでいるレオがいた。扉を開けた俺に気づくと、メガネを外して意地の悪い笑みを向けてくる。
「何だ?もう私が恋しくなったのか?」
「そんなわけないだろう。お前に紹介しておきたい奴がいてな」
「どもー!クルシュがお世話になってます!」
俺の後ろから跳ねて出てきたエリルが俺の前に出てくると、レオは突然の登場に少し戸惑っていた。
「もう学園で友達ができたのか?」
「友といえば友だが少し違うな。こいつは学園じゃない」
「?、どういう事だ?」
「んー、クルシュの親戚?かな」
「まぁそうだな、遠い親戚だ」
「ほう、クルシュの親戚か。私はレオ・ヴォルフォード、王国騎士をやっている」
「へぇ、こんな綺麗なお姉さんが騎士団なんて僕ビックリだよ」
「褒めても何も出ないぞ。それで?何しに来たんだ?アリスはどうした?」
「アリスは家で寝ている。今日は入学式で色々と疲れたんだろう」
と、その話を聞いていたエリルが俺の耳元でつぶやく。
「ねぇ、アリスって誰?」
「領主の娘だ。後で紹介する」
「綺麗だといいな〜」
こいつは昔から女といえば綺麗なヤツにしか興味が無い。フェンリルだと言うのに人間のような思考を持っている。
「でだ、こいつを学園に入学させたい」
「なるほど。だがそんな直ぐに編入など出来ないだろう?」
「学園校則第1条第80項、入試首席は1度限りで理事長へ頼みを聞き、実行する権利を持つ。今から学園に出向かうのでな」
「そんなところまで読んでいたのか..........。まぁいい、行ってこい。あと、あまり女の子を家に1人にしておくものじゃないぞ?」
「分かっている。じゃあまた学校でな」
「ああ、また明日だな」
そう言って俺は扉を閉じた。転移魔術を起動する途中にエリルが俺に聞いてきた。
「結局、あのレオさんだっけ?どういう人?」
「俺は今、クルシュ・ヴォルフォードと名乗りレオの弟ということになっている。つまりあれは一応俺の姉ということになる」
「異兄弟ね、まぁ悪くは無いんじゃない?」
「お前は俺の従兄弟辺りにしておくか」
「まぁそれが妥当かもね」
納得したような顔をするエリルと次に来たのは王立ゼルノワール学園。
そしてここはその理事長室、赤い絨毯の上には黒で統一された家具が置かれる。俺達は黒革製のソファに促された。
「何故あんたがここに居るんだ?」
「うむ?そりゃあ、ワシが理事長兼、学園長じゃからじゃよ」
「そうか、まぁいい」
そう言って白く長い髭をいじるのはロンド・ゼルノワール。まぁ学園長と兼任している学園はそう少なくないと聞くしな。
「俺がここに来た理由は単純明快だ。エリルをこの学園のSクラスに編入させたい」
「ほほう、それはまた.........」
「どうも。エリル・リリアスです。僕は特に高名な貴族でもましてやどこかの王族でもない一般人だよ。クルシュの親戚なんだ」
「なるほど、ふむ。しかしクルシュ君、まさか編入を願いにしてくるとは思わなかったぞ」
「前例がないなら作ればいい、そうだろう?」
「しかし編入となれば当然試験を受けてもらう。それは分かっているのだろうね?」
「当然だ。問題ないな?」
「もちろん。大丈夫だと思うよ〜」
「ふむ」
ロンドが指を鳴らすと紙が出てくる。横に羽根ペンが差し出され、とある1問がそこには書かれていた。
終問
光の神位魔法の代表的な術式を完成させ技名を答えよ。
ふむ、確かにこいつの人間化の時の刻印は翠碧の刻印だ。専門以外の神位魔法までは知らないと思ったのだろう。ましてや技名を知らなければ術式も完成できないからな。よく見ているが残念だったな、こいつは神をも殺す、しかし神に仕える神狼フェンリル、全ての魔法を使えなければ神にも太刀打ちできない。まぁもっとも昔は魔術であるためこいつは全ての魔術を、と言うべきだが。
「あー、えっと............」
「ふむ、ギブアップかな?」
「いいの?これ」
「いいんじゃないか?お前にとっては」
「んー、なんかなぁ」
そう言いながらも淡々と羽根ペンを走らせていく。数分後、術式を完全に書き終えたその横に『旋律の天歌』と書かれていた。
ふむ、その魔法か。まぁ問題は無いな、この魔法は賢者が最初に見つける魔法のスタートラインだ。俺も弟子入りした奴らには徹底的にこれをマスターさせたものだ。
「な、何っ............」
「どうだ?これでいいだろう?」
「う、うむ..........問題、ない............」
「だそうだ。まぁこの程度簡単か」
「うん、簡単すぎて遠慮するよホント」
「さて、編入試験は合格ということでいいな?ではこれで失礼するぞ。そこに書いてある住所に明日までに制服とその他を用意して送り付けておいてくれ」
先程の問題用紙に住所を書き残し俺達は退室した。
「何だ?もう私が恋しくなったのか?」
「そんなわけないだろう。お前に紹介しておきたい奴がいてな」
「どもー!クルシュがお世話になってます!」
俺の後ろから跳ねて出てきたエリルが俺の前に出てくると、レオは突然の登場に少し戸惑っていた。
「もう学園で友達ができたのか?」
「友といえば友だが少し違うな。こいつは学園じゃない」
「?、どういう事だ?」
「んー、クルシュの親戚?かな」
「まぁそうだな、遠い親戚だ」
「ほう、クルシュの親戚か。私はレオ・ヴォルフォード、王国騎士をやっている」
「へぇ、こんな綺麗なお姉さんが騎士団なんて僕ビックリだよ」
「褒めても何も出ないぞ。それで?何しに来たんだ?アリスはどうした?」
「アリスは家で寝ている。今日は入学式で色々と疲れたんだろう」
と、その話を聞いていたエリルが俺の耳元でつぶやく。
「ねぇ、アリスって誰?」
「領主の娘だ。後で紹介する」
「綺麗だといいな〜」
こいつは昔から女といえば綺麗なヤツにしか興味が無い。フェンリルだと言うのに人間のような思考を持っている。
「でだ、こいつを学園に入学させたい」
「なるほど。だがそんな直ぐに編入など出来ないだろう?」
「学園校則第1条第80項、入試首席は1度限りで理事長へ頼みを聞き、実行する権利を持つ。今から学園に出向かうのでな」
「そんなところまで読んでいたのか..........。まぁいい、行ってこい。あと、あまり女の子を家に1人にしておくものじゃないぞ?」
「分かっている。じゃあまた学校でな」
「ああ、また明日だな」
そう言って俺は扉を閉じた。転移魔術を起動する途中にエリルが俺に聞いてきた。
「結局、あのレオさんだっけ?どういう人?」
「俺は今、クルシュ・ヴォルフォードと名乗りレオの弟ということになっている。つまりあれは一応俺の姉ということになる」
「異兄弟ね、まぁ悪くは無いんじゃない?」
「お前は俺の従兄弟辺りにしておくか」
「まぁそれが妥当かもね」
納得したような顔をするエリルと次に来たのは王立ゼルノワール学園。
そしてここはその理事長室、赤い絨毯の上には黒で統一された家具が置かれる。俺達は黒革製のソファに促された。
「何故あんたがここに居るんだ?」
「うむ?そりゃあ、ワシが理事長兼、学園長じゃからじゃよ」
「そうか、まぁいい」
そう言って白く長い髭をいじるのはロンド・ゼルノワール。まぁ学園長と兼任している学園はそう少なくないと聞くしな。
「俺がここに来た理由は単純明快だ。エリルをこの学園のSクラスに編入させたい」
「ほほう、それはまた.........」
「どうも。エリル・リリアスです。僕は特に高名な貴族でもましてやどこかの王族でもない一般人だよ。クルシュの親戚なんだ」
「なるほど、ふむ。しかしクルシュ君、まさか編入を願いにしてくるとは思わなかったぞ」
「前例がないなら作ればいい、そうだろう?」
「しかし編入となれば当然試験を受けてもらう。それは分かっているのだろうね?」
「当然だ。問題ないな?」
「もちろん。大丈夫だと思うよ〜」
「ふむ」
ロンドが指を鳴らすと紙が出てくる。横に羽根ペンが差し出され、とある1問がそこには書かれていた。
終問
光の神位魔法の代表的な術式を完成させ技名を答えよ。
ふむ、確かにこいつの人間化の時の刻印は翠碧の刻印だ。専門以外の神位魔法までは知らないと思ったのだろう。ましてや技名を知らなければ術式も完成できないからな。よく見ているが残念だったな、こいつは神をも殺す、しかし神に仕える神狼フェンリル、全ての魔法を使えなければ神にも太刀打ちできない。まぁもっとも昔は魔術であるためこいつは全ての魔術を、と言うべきだが。
「あー、えっと............」
「ふむ、ギブアップかな?」
「いいの?これ」
「いいんじゃないか?お前にとっては」
「んー、なんかなぁ」
そう言いながらも淡々と羽根ペンを走らせていく。数分後、術式を完全に書き終えたその横に『旋律の天歌』と書かれていた。
ふむ、その魔法か。まぁ問題は無いな、この魔法は賢者が最初に見つける魔法のスタートラインだ。俺も弟子入りした奴らには徹底的にこれをマスターさせたものだ。
「な、何っ............」
「どうだ?これでいいだろう?」
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「さて、編入試験は合格ということでいいな?ではこれで失礼するぞ。そこに書いてある住所に明日までに制服とその他を用意して送り付けておいてくれ」
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コメント
ノベルバユーザー201082
いつも楽しみにしてます!!