甘え上手な彼女2
第18話
*
高志が部屋を出た後、優一はベッドで眠っていた。
体力的な疲れと精神的な疲れで、直ぐに眠気はやってきた。
うとうとし出した頃、部屋のロックが外れる音が聞こえた。
「ん……なんだ高志……早かったな……」
高志が帰って来たのだろうと思い、ベッドから起き上がる。
眠たい目を擦る。
「眠たかったら寝てていいですよ~、私は優一さんの寝顔見て楽しんでますから」
「ん……あぁそうか……しかし、いつからお前はそんな気持ち悪い……ってきゃぁぁ!!」
優一は思わず女子のように叫んだ。
いつの間にか部屋に侵入していた芹那から、優一は距離を取る。
眠気はどこかに驚きでどこかにいってしまい、優一は布団を被って丸まっていた。
「な、なんでお前が!! また縛るのか!」
「今回は何もするなって言われました……」
「それが普通なんだよ! くそ……高志の仕業だな……はぁ……目が冷めちまった」
「あ、じゃあお話でもします?」
「しない、俺は寝る……」
「え~、それじゃあつまらないです~」
「知るか! 俺はつかれてるんだよ!」
不満そうに頬を膨らませる芹那に、優一は瀬を向けて布団を被る。
「じゃあ、私の独り言を聞いてもらっていいですか?」
「勝手にしろ……」
優一から許可が出ると、芹那は一人で話し始めた。
「最近、色々考えるんです……私のこの性癖が無かったらって……」
「……」
優一が芹那のそんな一人言を黙って聞いていた。
風呂の中で高志とした話しを丁度思い出し、優一は考えていた。
優一が芹那と付き合わない、大きな理由、それは芹那の性癖だった。
それさえ無ければ、芹那は可愛いし気が利く良い子だ。
「優一さんは……私のこの性癖が無かったら……私の事……好きになってくれるかな? って……良く考えるんです」
「……」
芹那の言葉に優一も考える。
もしも芹那が普通の子だったら自分は芹那と付き合っていたのか……。
考えても優一はわからなかった。
彼女は欲しい、でも付き合うということの意味を優一はまだよくわかっていない。
「優一さん……答えなくて良いですから聞いて下さい……」
「………」
「私……やめます、この趣味」
「……」
言葉にこそ出さなかったが、優一は驚いていた。
そういう性癖というものはやめようと思ってやめられるものでは無い。
しかも、高志や紗弥達の前ではもうバレているのオープンにしているし、バレている為か若干開き直っている。
そんな態度を急に変えられるものだろうかと、優一は考えていた。
「そうすれば……ゆ、優一さんは……私の事……」
「待て」
「え……」
「人が黙ってれば、何を勝手に色々言ってんだアホ」
「イタ! 痛いです~」
「普通に痛がるんじゃねーかよ……はぁ……お前は無理に変わる必要なんてねーよ」
「え……でも、それじゃあ……」
「アホ、俺見たいな理想の高い奴ほっておいて、さっさと他の良い奴見つけろよ。それが一番だ」
「そ、そんなの……」
「男なんて星の数ほど居る……だからよ……」
「違います!!」
突然大きな声を出した芹那。
優一は驚き、目をぱちくりさせながら、芹那を見る。
すると芹那は高志のベッドに座り、もじもじしながら優一に言う。
「わ、私は……優一さんだから……良いんです……」
「な……」
顔を赤くしながら言う芹那に、高志は目を丸くする。
こんな事を女子から言われる日が来るとは、優一は夢にも思わなかった。
なんで自分はこんな良い子を突き放そうとしているのだろう?
あんな性癖なんてものは二人で乗り越えられるじゃないか。
高志と紗弥だって、色々あったが今は仲良くやっている。
俺のために変わろうとしてくれるこの子の告白を断る理由はどこにあるのだろうか?
優一はようやく気がついた。
難しい事を考える必要なんてなかった。
「なぁ……お前……」
「だから私、決めたんです!」
「はぇ?」
優一が話そうとしているところを芹那が遮った。
芹那はベッドから立ち上がり、優一の目の前に立つ。
「私………今日からSになります!」
「はぇ?」
「優一さんって、いつも殴られたりしてるじゃないですか! だから、SよりMなんですよね!?」
「いや、まてまて!」
「私、今日優一さんの足を踏んで思ったんです……虐めるのも楽しいって……」
「うっとりしながらとんでもない発言をするな!! とりあえず話しを聞け!」
「ゆ、優一さんは……縛られるのと鞭で打たれるの……はぁはぁ……ど、どっちが良いですか? いえ、どっちが良いの? この豚野郎!」
「なんか変なスイッチ入った!? 馬鹿! 話しを聞け!!」
「あ、焦らないで下さい……はぁはぁ……と、とりあえず、踏んであげますから感謝しやがってください!」
「イデ!! ば、馬鹿! やめろ!」
「キャ!!」
優一は芹那の足を掴む。
足を掴まれた芹那はバランスを崩し、ベッドに倒れる。
「お、おい……大丈夫か?」
倒れた芹那を心配し、優一は倒れた芹那の様子を見る。
「や、やっぱり優一さんは……S?」
「ダメだ、こいつ面倒くさい……」
倒れた芹那の様子を見ながら、優一は肩を落とし溜息をついて呟く。
やっぱり芹那と付き合うなんて考えられないと思いながら、優一は高志が居る女子部屋に向かう。
その後ろを顔を赤くしながら、芹那がついて来る。
「おいコラ高志!」
「あ?」
芹那のカードキーでロックを外し、優一は扉を開けて叫ぶ。
部屋の中では高志と紗弥と由美華の三人でトランプをしていた。
「お、無事だった……わけでもないらしいな……」
後ろの芹那の様子を見て、高志は優一に言う。
「たく……やっぱりこいつは無理だ!」
「え~なんでですか~ちゃんと女王様になれるようにしますから~」
「なんの話しをしてたんだよ……」
「誤解するな高志! これはこいつの妄想で!!」
「はいは、わかったから。芹那も那須もすわりなさい! みんなでトランプしましょ!」
「由美華、自分が負けてるからって……」
由美華の提案で五人でトランプをし、夜は更けていった。
高志が部屋を出た後、優一はベッドで眠っていた。
体力的な疲れと精神的な疲れで、直ぐに眠気はやってきた。
うとうとし出した頃、部屋のロックが外れる音が聞こえた。
「ん……なんだ高志……早かったな……」
高志が帰って来たのだろうと思い、ベッドから起き上がる。
眠たい目を擦る。
「眠たかったら寝てていいですよ~、私は優一さんの寝顔見て楽しんでますから」
「ん……あぁそうか……しかし、いつからお前はそんな気持ち悪い……ってきゃぁぁ!!」
優一は思わず女子のように叫んだ。
いつの間にか部屋に侵入していた芹那から、優一は距離を取る。
眠気はどこかに驚きでどこかにいってしまい、優一は布団を被って丸まっていた。
「な、なんでお前が!! また縛るのか!」
「今回は何もするなって言われました……」
「それが普通なんだよ! くそ……高志の仕業だな……はぁ……目が冷めちまった」
「あ、じゃあお話でもします?」
「しない、俺は寝る……」
「え~、それじゃあつまらないです~」
「知るか! 俺はつかれてるんだよ!」
不満そうに頬を膨らませる芹那に、優一は瀬を向けて布団を被る。
「じゃあ、私の独り言を聞いてもらっていいですか?」
「勝手にしろ……」
優一から許可が出ると、芹那は一人で話し始めた。
「最近、色々考えるんです……私のこの性癖が無かったらって……」
「……」
優一が芹那のそんな一人言を黙って聞いていた。
風呂の中で高志とした話しを丁度思い出し、優一は考えていた。
優一が芹那と付き合わない、大きな理由、それは芹那の性癖だった。
それさえ無ければ、芹那は可愛いし気が利く良い子だ。
「優一さんは……私のこの性癖が無かったら……私の事……好きになってくれるかな? って……良く考えるんです」
「……」
芹那の言葉に優一も考える。
もしも芹那が普通の子だったら自分は芹那と付き合っていたのか……。
考えても優一はわからなかった。
彼女は欲しい、でも付き合うということの意味を優一はまだよくわかっていない。
「優一さん……答えなくて良いですから聞いて下さい……」
「………」
「私……やめます、この趣味」
「……」
言葉にこそ出さなかったが、優一は驚いていた。
そういう性癖というものはやめようと思ってやめられるものでは無い。
しかも、高志や紗弥達の前ではもうバレているのオープンにしているし、バレている為か若干開き直っている。
そんな態度を急に変えられるものだろうかと、優一は考えていた。
「そうすれば……ゆ、優一さんは……私の事……」
「待て」
「え……」
「人が黙ってれば、何を勝手に色々言ってんだアホ」
「イタ! 痛いです~」
「普通に痛がるんじゃねーかよ……はぁ……お前は無理に変わる必要なんてねーよ」
「え……でも、それじゃあ……」
「アホ、俺見たいな理想の高い奴ほっておいて、さっさと他の良い奴見つけろよ。それが一番だ」
「そ、そんなの……」
「男なんて星の数ほど居る……だからよ……」
「違います!!」
突然大きな声を出した芹那。
優一は驚き、目をぱちくりさせながら、芹那を見る。
すると芹那は高志のベッドに座り、もじもじしながら優一に言う。
「わ、私は……優一さんだから……良いんです……」
「な……」
顔を赤くしながら言う芹那に、高志は目を丸くする。
こんな事を女子から言われる日が来るとは、優一は夢にも思わなかった。
なんで自分はこんな良い子を突き放そうとしているのだろう?
あんな性癖なんてものは二人で乗り越えられるじゃないか。
高志と紗弥だって、色々あったが今は仲良くやっている。
俺のために変わろうとしてくれるこの子の告白を断る理由はどこにあるのだろうか?
優一はようやく気がついた。
難しい事を考える必要なんてなかった。
「なぁ……お前……」
「だから私、決めたんです!」
「はぇ?」
優一が話そうとしているところを芹那が遮った。
芹那はベッドから立ち上がり、優一の目の前に立つ。
「私………今日からSになります!」
「はぇ?」
「優一さんって、いつも殴られたりしてるじゃないですか! だから、SよりMなんですよね!?」
「いや、まてまて!」
「私、今日優一さんの足を踏んで思ったんです……虐めるのも楽しいって……」
「うっとりしながらとんでもない発言をするな!! とりあえず話しを聞け!」
「ゆ、優一さんは……縛られるのと鞭で打たれるの……はぁはぁ……ど、どっちが良いですか? いえ、どっちが良いの? この豚野郎!」
「なんか変なスイッチ入った!? 馬鹿! 話しを聞け!!」
「あ、焦らないで下さい……はぁはぁ……と、とりあえず、踏んであげますから感謝しやがってください!」
「イデ!! ば、馬鹿! やめろ!」
「キャ!!」
優一は芹那の足を掴む。
足を掴まれた芹那はバランスを崩し、ベッドに倒れる。
「お、おい……大丈夫か?」
倒れた芹那を心配し、優一は倒れた芹那の様子を見る。
「や、やっぱり優一さんは……S?」
「ダメだ、こいつ面倒くさい……」
倒れた芹那の様子を見ながら、優一は肩を落とし溜息をついて呟く。
やっぱり芹那と付き合うなんて考えられないと思いながら、優一は高志が居る女子部屋に向かう。
その後ろを顔を赤くしながら、芹那がついて来る。
「おいコラ高志!」
「あ?」
芹那のカードキーでロックを外し、優一は扉を開けて叫ぶ。
部屋の中では高志と紗弥と由美華の三人でトランプをしていた。
「お、無事だった……わけでもないらしいな……」
後ろの芹那の様子を見て、高志は優一に言う。
「たく……やっぱりこいつは無理だ!」
「え~なんでですか~ちゃんと女王様になれるようにしますから~」
「なんの話しをしてたんだよ……」
「誤解するな高志! これはこいつの妄想で!!」
「はいは、わかったから。芹那も那須もすわりなさい! みんなでトランプしましょ!」
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コメント
黒流星
たまに、優一のとこが、高志になってます。