甘え上手な彼女2

Joker0808

第4話

「なになに? 紗弥ってもしかして今日の放課後暇?」

「うん、暇になっちゃった」

「じゃあ、私らと遊ぼうよ! 偶には女子だけでさ!」

「うーん、高志も居ないし……偶にはいっか」

「そうしなよ、お互い偶には友達とも交流しておかないと」

 高志は紗弥にもそう言い、今日は互いに友人と遊びに行くことになり、珍しく放課後は別々になった。

「ほらほら、旦那は置いて、さっさと行こ」

「じゃあね高志、また夜ね」

「あぁ、じゃあな」

 紗弥はクラスの女子に連れられて、教室を後にして行った。
 残された高志も優一と合流し、二人で教室を後にする。

「なぁ、どこ行くんだよ」

「まぁ、ついて来ればわかるよ」

 優一と一緒に学校を出て、駅前の大通りを歩いていた。
 目的地をいつまでも教えてこない優一に、高志は不信感を抱き始めていた。
 歩き始めて少し経過した頃、優一が足を止めた。

「よ! お待たせ」

「おせーぞ、優一、高志!」

「え? 泉に……赤島?」

 優一が足を止めたのは、カラオケ店の店先だった。
 店の中入ると、そこにはクラスメイトの泉と赤島が居た。
 二人とも同じクラスの男子で、高志は偶に話しをするくらいの関係で、そこまで仲が良い訳では無かった。

「一体どうしたんだ? この二人も交えてカラオケとか?」

「? 何言ってるんだよ、高志」

「聞いて無いのか?」

 俺が尋ねると、泉と赤島は不思議そうな顔で高志にそう言ってくる。
 高志は何の事なのかさっぱりわからず、首を傾げる。

「いや、合コンのメンツ合わせでお前と優一を呼んだんだけど? 納得してくれたんじゃ無いのか?」

「はぁ!? 合コン?? そんなの聞いてないぞ!」

 高志はまさかの出来事に声を上げる。
 直ぐさま優一の肩を掴み問い詰める。

「おい! どういう事だ! 合コンなんて聞いてないぞ!」

「そりゃな……言ったらお前、来ないだろ?」

「当たり前だぞ! 俺には紗弥が居るの!!」

「だから、数合わせだって、座ってれば良いから、偶には俺たち非リア充の役に立て」

「お前、クラスの奴らに彼氏彼女を紹介するんじゃ無かったのかよ!」

「だから、今日はこの二人の番なの。だけど向こうが、いきなり二人で会うのは厳しいから、合コン形式にしたんだよ」

「だからって、なんで俺が!」

「向こうが四人だからだよ。大丈夫だって、広いこの町の中だぞ? 宮岡に見つかるわけないだろ」

「そう言うことを言ってんじゃねーんだよ! 俺はただ……信じてくれてる紗弥を裏切りたくないわけで……」

「そうか……そうだよな……無理言って悪かったな……」

「ゆ、優一……」

 いつも以上に物分かりの良い優一に、高志は感動を覚える。
 
(こいつも俺の気持ちを察してくれたんだな……)

 なんて事を高志が考えていると……。

「そういう訳で、今日はもっと無理をしろ」

「え……」

 優一にそう言われ、高志は無理矢理に合コンに参加させられた。

「おい! なんださっきの流れは! 完全に俺を帰してくれる展開だっただろ!!」

「うるせーんだよリア充が! 俺たちモテない男の役に立った後で爆発しろ!!」

「お前はもっと友人を大切にしろ!!」

 部屋に入っても言い争いを続ける高志と優一を見て、泉と赤島が止めに入る。

「おい、落ち着けって! もうすぐ女の子来るんだろ?」

「そうだよ、俺たちの為にも大人しくしていてくれ!」

 高志と優一は二人にそう言われ、言い争いをやめる。
 なんでこんなことになってしまったのだろうと、高志は溜息を吐く。

「はぁ……仕方ない、座ってるだけで良いなら協力する」

「お前はどうせ家に帰って宮岡とイチャイチャすんだろ?」

「うるせーよ!」

 ピリピリした空気の中、部屋の扉が開く。
 女子のメンバーがやってきたようだった。





 高志達がカラオケについた頃、紗弥はクラスメイトの女子二人プラス由美華と共に駅前を歩いていた。

「どこ行く?」

「そうだなぁ~、紗弥と由美華も居るし……みんなでカラオケは?」

「お、いいねぇ~、二人もそれで良い?」

 クラスメイトの女子二人に尋ねられ、紗弥と由美華は笑顔で答える。

「いいね、結構久しぶりかも」

「紗弥は最近八重君とばっかり一緒だもんね」

「まぁね」

 由美華の言葉に紗弥は少し照れた様子で答える。
 そんな紗弥に、クラスメイトの女子は羨ましそうに言う。

「良いなぁ~私も彼氏欲しい~」

「八重君メッチャ紗弥の事大事にしてるよね? あんな彼氏欲しいわ……」

 高志の事を良く言われたのが嬉しいのか、紗弥は非常に上機嫌だ。
 
「で、夏は二人でどこに行くの??」

「まだ決めてないけど、海とか行きたいねって行ってるよ」

「じゃあ、水着買わなきゃじゃん!」

「そうだね、夏休みだし暇な時に行こうかなって」

 高志に水着を選んで貰おうと、紗弥はまだ水着を買っていない。
 誘ったら一緒に行ってくれるだろうか?
 などと、少し心配な紗弥。
 男性に、一緒に女性用水着コーナーに来てくれと言うのは、少し申し訳ない。

「さ……紗弥……ち、ちなみに…はぁはぁ……ビキニとかにするの?」

「うん、どうしたの由美華。なんか息荒いけど?」

「そ、そんな事無いわよ!?」

 暑さで少し調子が悪いのだろうか?
 などと紗弥は少し由美華を心配しながら、カラオケ店までの道を歩く。
 歩いて数分、目的てカラオケ店に到着し紗弥達は受付を始める。

「え! 数分待つんですか?」

「申し訳ありません、お部屋の方の掃除がまだでして……直ぐに終わりますので、そちらの席でお待ち下さい」

 受付の女性にそう言われ、紗弥達は入り口付近のソファーで呼ばれるのを待つ。

「やっぱり、明日から夏休みだからみんな来るのかな?」

「予約すればよかったね」

 出てくる客も、歌っている客も学生が多く、みんな考える事が同じなのがわかる。
 

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