徒然なるままに

嘉禄(かろく)

Bond with the Ryu


俺には行きつけの店がある。
どんな店かというと、ホストがいる店。
まあ文字通りそういうことだ、何故行くかというとただのストレス発散なのだが。

店内は禁煙、とNo.1が定めたので外に出て煙草を吸っていると横から手が伸びてきて煙草を取られた。


「煙草、やめろっつったろ」


そう言いながらその人は煙草を踏み潰した。
それを聞いて俺は苦笑で返す。


「喘息なんて子供の頃の話じゃない、大丈夫よ」
「いつぶり返すかなんて分かんねーだろ、何のために店内禁煙にしたと思ってんだ」
「…へーえ、俺の為だったんだ?
流石No.1だねー」
「茶化すな、あとまだその気持ち悪い喋り方してんのか」
「酷いわねー、お気に召さない?」
「召さない、俺の前ではやめとけ」
「はいはい悪かった」


Ryuこと琉司はこの店のNo.1で、皆に慕われているアルファベットのカリスマホストだ。
時々雑誌の取材を受けて表紙を飾っているのも見かける。

こいつの居ない時に吸ってるんだけどなー、と思いつつ空を見上げるとある事に気づいた。
そういや琉司が俺と一緒にいる時煙草を吸っているのを見たことがない。
こいつ、かなりのヘビースモーカーなのに。
見た目に反してそういうとこ気にすんのよねーこいつ。

そう思いつつ整いすぎた横顔を見つめると、琉司がこっちを向いた。


「…んだよ、じろじろ見んなよ」
「あれれー琉司くん照れてるー?」
「うるせぇ照れてねーよ」
「耳真っ赤ですけどー?」
「うっせぇな」


そんな他愛もない言い合いをする中、煙草の火が静かに消えていった-



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