徒然なるままに

嘉禄(かろく)

キミとの誓い

クリスマスも終わり、世間は年末ムード。
彼氏は山形に住んでいるので滅多に会えないが、年末休暇に入ったということで私の住む東京に来た。
事前に来られる日と行く場所を決めておいた。

会える当日、私は待ち合わせ場所であるみなとみらい線の改札の前で待っていた。
合流してから街に繰り出し、様々なショッピングモールを見て回りお互いに

「これ似合いそうだね。」
「お前にはこれがいいんじゃない?」

と、着せ替えのようなことをしながら夜まで時間をつぶした。
みなとみらいに来た目的は、イルミネーションを見て回るためだ。
クリスマスは過ぎていたからツリーは無かったが、mark isの前やクイーンズパークなどを見て回り、最後に夜景を見るために観覧車に乗った。
私のリクエストで乗ったのだが、何故か高所が苦手になっていて私はパニックになってしまった。
それを誤魔化すべく、彼氏が口の挟む間もないくらい早口で話していたら突然目の前に何かを差し出された。
よく見ると、それはハート形の箱に入った指輪だった。
私がひたすらに驚いていると、

「嵌めてやるからどっちか手出せ。」

と言われたのでおずおずと右手を差し出したら薬指に嵌めてくれた。
右手の薬指、意味は「精神の安定」。

もうすぐ降りなければならないという時に、彼氏から

「どうする、あとちょっとで終わりだけど。」

と言われて私は隣に座ってと催促し、そっとキスをした。唇を離したあとも、ギリギリまで抱きしめていた。
降りたあとはいつも通り恋人繋ぎをして、バイバイする時までずっと幸せな気分だった。

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