異世界転移したら勇者になったんだが?
プレゼント
「はぁ〜、久しぶりにゆっくりできるぜぇ」
俺達は砂漠から抜け出すと近くにあった街に来ていた。そこで宿をとって休むことにした。
そして今俺は入浴中だ。セリスとメイには先に風呂に入ってもらって、二人で買い物に行ってもらっている。砂漠の中で大量の食料を失ったので買ってきてくれと頼んだら喜んで行ってくれた。
「ふぅ〜、そろそろあがるか」
お風呂に浸かってからまだ五分ほどしか経っていないのだが、ソウタはのぼせやすい体質なので、すぐに湯からでてしまうのだ。
そして風呂からでて着替えようとした時に扉が開いた。
「「「.......」」」
しーんっと静まり返り、セリスとメイは持っていた袋を落としてしまった。その瞬間、
「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
二人とも扉を閉めずにどこかへ走って行ってしまった。
「せめて扉ぐらい閉めて行ってくれよ...」
そんなソウタの悲しい願いは誰にも届くことはなかった。
その頃、ソウタの裸を見た二人は宿を出て、喫茶店の中にいた。
「あ、あ、あれ、が男の人の、は、はだ、か」
「あわわわわわ」
二人とも顔を真っ赤にして先程のことを思い出している。そして二人とも少し落ち着くとセリスがメイに質問する。
「...ねぇメイ、どこまで見た?」
「どこまで、とおっしゃいますと?」
「そ、ソウ、タの裸の部分とか...」
「そ、それは...」
その途端、二人とも顔を真っ赤にしてしまう。お互いソウタの全てを見てしまったのだ。その事は顔を見ればすぐにわかってしまう。
「怒ってるかな?」
「そんなことで怒らないと思いますが...」
二人が次に気にする事はソウタが怒っているかどうかだった。わざとではないのだが、ソウタの裸を見て逃げてしまったので、何か言われるか心配なのだ。
「帰ろ...」
「そうですね...」
どよーんっとした感じで宿に戻ると、服を着たソウタがソファで寝転んでいた。
「寝てるね」
「そうですね」
つんつんっと頬を触ってみても起きる気配がまるでない。
「死んでるみたいだね」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ...」
あなた彼女ですよね!?っていう目でセリスを見ると、えへへっとした感じで笑っている。
「そうだ!ソウタに何かプレゼントしよ!」
「いいですね!」
そうと決まれば急げ!という感じで外に出て、屋台を見回る。
「ねぇ!こんなのどう思う?」
そう言ってセリスが持ってきた物は不気味なおもちゃだった。
「驚くかな?」
「...ソウタさんのプレゼントを探しに来たんですよね?」
「そうだけど、脅かしてみたいんだもん」
「そういうのはまた今度にして、今はプレゼントを探しましょ?この街、いい物がたくさんありますよ!」
「そうだね!」
そして、色々な物を見て回って気付いた。それは、ソウタの好みを知らなかったのだ。あの和服を着た少年はいったいどんな物が好みなのだろう?と考えれば考えるほどわからなくなってきたのだ。
「ソウタって何あげれば喜ぶかな?」
「難しいですねぇ、もういっそセリスさんをあげれば凄く喜ぶんじゃないですか?」
メイが冗談気に言うと、セリスが「はっ!」と何か閃いたような声を出した。
「それだよ!」
「え!?ちょ、待ってください!」
セリスはどこかに走り去ってしまった。置いていかれたメイは一人でプレゼントを探す事になってしまった。
無事にソウタへのプレゼントを買うことができたメイは宿の前で、ようやくセリスと再会することができた。
「もう!どこに行ってたんですか!」
「ごめんね!探す物が決まったから急いじゃったの!」
「そうですか、いい物が見つかってよかったですね!」
「メイもね!」
そして部屋の中に入るとソウタが起きていた。
「おかえり」
「「ただいま!」」
「で、なんで浴室に入って来たんだ?」
「買い物して汗かいたから、お風呂に入ろうと思ったの」
「そうか、ならなんで逃げたんだ?」
「「は、恥ずかしかったので...」」
「恥ずかしいのは俺だ」
そうですよね!と内心思いつつ、メイがプレゼントを出した。
「これ!お詫びにあげます!」
「え?いいのか?」
メイがプレゼントに選んだものは、お守りだった。
「それは幸運のお守りというものなんです!」
「おぉー、ありがとな!俺、すげー運悪いからこれでマシになるな!」
「えへへ、喜んで貰えて嬉しいです!」
メイが照れていると、セリスがモジモジし始めた。そんな様子のおかしいセリスを見ていると意を決したように、「ちょっと待ってて!」と言って浴室の方へ行ってしまった。
「どうしたんだアイツ?」
「さぁ?」
「お、おまたせ」
「おう、何してた...」
「セリスさん!?なんて格好してるんですか!?」
セリスを見た瞬間ソウタが止まった。原因はセリスの服装だ。なんと体中にリボンを巻いて、首から看板をかけて『私を好きにして?』と書いてあったからだ。
メイは急いでセリスを浴室に戻し、着替えさせた。ソウタのいる部屋に連れ戻した。だが、まだソウタは固まったままだ。
「ソウタさーん?大丈夫ですか〜?」
「はっ!」
メイが声をかけるとようやく意識を取り戻した。
「なんであんな格好してたんだ?」
「プレゼント」
「は?」
「メイがね、私をプレゼントにすればいいって言ってくれたの」
「お前のせいか」とメイを睨めつけたら、「冗談のつもりだったんです」と言った。なるほど、という事はただのセリスの暴走か。
「セリス、ありがとな」
「...えっち」
「あんな格好を思いついたのはお前だろ?」
「そうだけど...」
すると今度は小包を渡してきた。
「これもプレゼントか?」
「うん!お揃いだよ!」
小包の中にはブレスレットが入っていた。俺のは銀と黒で、セリスのは赤と黒だ。
「これってセリスの色だよな?」
「うん!私のはソウタの色!これ付けてるとソウタが近くにいる気がするんだ!」
「ありがとな、すげぇ嬉しい」
セリスは満足そうにし、その場をくるりと回ったりジャンプしたりしている。
「今度は俺からみんなに何かプレゼントするよ」
「「ホント(ですか)!?」」
「あぁ」
俺が約束すると二人とも凄く喜んでくれた。こいつらに出会えて良かったなぁと思いながら、貰った物を身につけ、買ってきてもらった食料の整理をし、今日の一日が終わるのであった。
俺達は砂漠から抜け出すと近くにあった街に来ていた。そこで宿をとって休むことにした。
そして今俺は入浴中だ。セリスとメイには先に風呂に入ってもらって、二人で買い物に行ってもらっている。砂漠の中で大量の食料を失ったので買ってきてくれと頼んだら喜んで行ってくれた。
「ふぅ〜、そろそろあがるか」
お風呂に浸かってからまだ五分ほどしか経っていないのだが、ソウタはのぼせやすい体質なので、すぐに湯からでてしまうのだ。
そして風呂からでて着替えようとした時に扉が開いた。
「「「.......」」」
しーんっと静まり返り、セリスとメイは持っていた袋を落としてしまった。その瞬間、
「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
二人とも扉を閉めずにどこかへ走って行ってしまった。
「せめて扉ぐらい閉めて行ってくれよ...」
そんなソウタの悲しい願いは誰にも届くことはなかった。
その頃、ソウタの裸を見た二人は宿を出て、喫茶店の中にいた。
「あ、あ、あれ、が男の人の、は、はだ、か」
「あわわわわわ」
二人とも顔を真っ赤にして先程のことを思い出している。そして二人とも少し落ち着くとセリスがメイに質問する。
「...ねぇメイ、どこまで見た?」
「どこまで、とおっしゃいますと?」
「そ、ソウ、タの裸の部分とか...」
「そ、それは...」
その途端、二人とも顔を真っ赤にしてしまう。お互いソウタの全てを見てしまったのだ。その事は顔を見ればすぐにわかってしまう。
「怒ってるかな?」
「そんなことで怒らないと思いますが...」
二人が次に気にする事はソウタが怒っているかどうかだった。わざとではないのだが、ソウタの裸を見て逃げてしまったので、何か言われるか心配なのだ。
「帰ろ...」
「そうですね...」
どよーんっとした感じで宿に戻ると、服を着たソウタがソファで寝転んでいた。
「寝てるね」
「そうですね」
つんつんっと頬を触ってみても起きる気配がまるでない。
「死んでるみたいだね」
「縁起でもないこと言わないでくださいよ...」
あなた彼女ですよね!?っていう目でセリスを見ると、えへへっとした感じで笑っている。
「そうだ!ソウタに何かプレゼントしよ!」
「いいですね!」
そうと決まれば急げ!という感じで外に出て、屋台を見回る。
「ねぇ!こんなのどう思う?」
そう言ってセリスが持ってきた物は不気味なおもちゃだった。
「驚くかな?」
「...ソウタさんのプレゼントを探しに来たんですよね?」
「そうだけど、脅かしてみたいんだもん」
「そういうのはまた今度にして、今はプレゼントを探しましょ?この街、いい物がたくさんありますよ!」
「そうだね!」
そして、色々な物を見て回って気付いた。それは、ソウタの好みを知らなかったのだ。あの和服を着た少年はいったいどんな物が好みなのだろう?と考えれば考えるほどわからなくなってきたのだ。
「ソウタって何あげれば喜ぶかな?」
「難しいですねぇ、もういっそセリスさんをあげれば凄く喜ぶんじゃないですか?」
メイが冗談気に言うと、セリスが「はっ!」と何か閃いたような声を出した。
「それだよ!」
「え!?ちょ、待ってください!」
セリスはどこかに走り去ってしまった。置いていかれたメイは一人でプレゼントを探す事になってしまった。
無事にソウタへのプレゼントを買うことができたメイは宿の前で、ようやくセリスと再会することができた。
「もう!どこに行ってたんですか!」
「ごめんね!探す物が決まったから急いじゃったの!」
「そうですか、いい物が見つかってよかったですね!」
「メイもね!」
そして部屋の中に入るとソウタが起きていた。
「おかえり」
「「ただいま!」」
「で、なんで浴室に入って来たんだ?」
「買い物して汗かいたから、お風呂に入ろうと思ったの」
「そうか、ならなんで逃げたんだ?」
「「は、恥ずかしかったので...」」
「恥ずかしいのは俺だ」
そうですよね!と内心思いつつ、メイがプレゼントを出した。
「これ!お詫びにあげます!」
「え?いいのか?」
メイがプレゼントに選んだものは、お守りだった。
「それは幸運のお守りというものなんです!」
「おぉー、ありがとな!俺、すげー運悪いからこれでマシになるな!」
「えへへ、喜んで貰えて嬉しいです!」
メイが照れていると、セリスがモジモジし始めた。そんな様子のおかしいセリスを見ていると意を決したように、「ちょっと待ってて!」と言って浴室の方へ行ってしまった。
「どうしたんだアイツ?」
「さぁ?」
「お、おまたせ」
「おう、何してた...」
「セリスさん!?なんて格好してるんですか!?」
セリスを見た瞬間ソウタが止まった。原因はセリスの服装だ。なんと体中にリボンを巻いて、首から看板をかけて『私を好きにして?』と書いてあったからだ。
メイは急いでセリスを浴室に戻し、着替えさせた。ソウタのいる部屋に連れ戻した。だが、まだソウタは固まったままだ。
「ソウタさーん?大丈夫ですか〜?」
「はっ!」
メイが声をかけるとようやく意識を取り戻した。
「なんであんな格好してたんだ?」
「プレゼント」
「は?」
「メイがね、私をプレゼントにすればいいって言ってくれたの」
「お前のせいか」とメイを睨めつけたら、「冗談のつもりだったんです」と言った。なるほど、という事はただのセリスの暴走か。
「セリス、ありがとな」
「...えっち」
「あんな格好を思いついたのはお前だろ?」
「そうだけど...」
すると今度は小包を渡してきた。
「これもプレゼントか?」
「うん!お揃いだよ!」
小包の中にはブレスレットが入っていた。俺のは銀と黒で、セリスのは赤と黒だ。
「これってセリスの色だよな?」
「うん!私のはソウタの色!これ付けてるとソウタが近くにいる気がするんだ!」
「ありがとな、すげぇ嬉しい」
セリスは満足そうにし、その場をくるりと回ったりジャンプしたりしている。
「今度は俺からみんなに何かプレゼントするよ」
「「ホント(ですか)!?」」
「あぁ」
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