異世界転移したら勇者になったんだが?
朝の出来事①
俺は目を覚ますと、布団の上にいた。
「あ?昨日は確かベッドで寝たのよな?」
「何言ってんの?昨日この部屋に入ってすぐ寝てたじゃない!」
「は?え、?」
「寝ぼけてるの?」
先に起きていたセリスは眠たそうにしながらも教えてくれる。
「え?じゃあ昨日のは?」
「昨日の?服のこと?」
「いや、告は…じゃなくて!そ、そうだ!」
「ほんとにどうしたの?」
「何でもないから気にしないでくれ!」
「そ、そう?ならいいけど」
セリスは不思議そうな顔で見てくる。そりゃそうだろうなぁ、いつもクールぶってる俺がこんなにも寝ぼけてんだからな。はぁ、なんだよ、セリスと付き合えたのは夢だったのかよ。ちくしょう。
本気でソウタが落ち込んでいる時、セリスは内心すごく喜んでいた。それは、セリスがソウタに夢を操る魔法をかけていたからだ。
ソウタがあんなにも落ち込んでくれてる!私のこと本気で好きなんだ!と喜んでいると、ソウタが近付いてきた。
「どうしたの?」
「お前、俺に何かしただろ?」
「えっ!?いや、何もしてないよ?」
「俺の目を見て言えるか?」
「うん!」
そう言ったセリスの目はすごく泳いでいた。やっぱりこいつのせいだったのかよ!
「やっぱりセリスがやったんじゃないか」
「え?なんのこと?」
「とぼけんなよ、またアイアンクローして欲しいのか?」
「私が魔法をかけました!ごめんなさい!」
すぐに謝ってきた。前くらったのが余程痛かったのだろう。
「なんで俺に魔法をかけたんだよ」
「ソウタの本音が聞きたかったから」
「は?本音?」
「うん。夢を操って、本音を言わせたの」
「なら、あれが俺の本音なのか?」
「うん!」
「そうか」
そう言うとソウタは黙ってしまった。あれ?怒ったのかな?もしかして、嫌われた?いや!ソウタはそんなすぐに人を嫌いにならない!よね?そう、だよね?う〜、こんなことになるなら魔法なんか使わなきゃよかったよぉ。
セリスがそう不安になっているとソウタがセリスの頭を撫でる。
「ふっ、お前、夢の中と一緒だな?」
「え?」
「俺に嫌われたと思って泣きそうになってたんだろ?」
「泣きそうになってなんかないもん!」
「嘘つけよ」
そう言って俺は笑い、セリスの頭をぐしゃぐしゃになるまで撫でる。するとセリスに手を払われた。
「もう!やめてよ!せっかく整えたのに!」
「はははっ!悪い悪い。俺はセリスのこと嫌ったりしないから安心してくれ」
「だから不安になってなんかないってば!」
そう言いながらセリスがポカポカ殴ってきた。全然痛くない。それが可愛く思えて笑ってしまう。
「あー!笑ったな!?馬鹿にしてるんでしょ!」
「馬鹿になんてしてないぞ?可愛いなぁと思ってたんだ」
「へ?」
「好きだよ、セリス」
「〜〜////!?」
すると、セリスの顔はトマトのように真っ赤になった。すると、扉が開き、
「その、すまないな。聞くつもりはなかったんだ。ただ部屋にいるかどうか気になって、扉の前に来たら聞こえてしまったんだ。すまない」
「……」「……」
俺とセリスは無言でザックを見る。ザックはもの凄く申し訳なさそうにしている。わざとではないのだろう、だがしかし、こんなにいいタイミングの時に普通入ってくるか?
そんなことを考えていると、
「じゃ、邪魔したね?続きをどうぞ」
「おい!待てよ!」
そう言ってザックがどこかへ行こうとしたので捕まえる。
「や、やめてくれ!ほんとにわざとじゃないんだ!」
「あ?何言ってんだよ。別に怒ってねーよ」
「へ?ほ、本当かい?」
「あぁ」
「よ、よかった」
「ただ殺意が湧いただけだ」
「やっぱり怒ってるじゃないか!」
俺とザックが話しているとセリスがこちらに来
る。
え?セリス、だよな?寝ぼけているのかゆらりゆらりと揺れながらこっちへ向かって来ている。え、なんか怖い。とおもっていると、
「ザックさん」
「は、はい」
「せっかく、いい雰囲気になっていたのに、よくも邪魔をしてくれましたね?」
「ひ、ひぃぃ!」
「ちょ、落ち着け!セリス!」
セリスは相当怒っている。目から光が消え、口調も変わっている。いつもみたいな元気の良さがまるでない。めちゃくちゃ怖かったのでザックは腰を抜かして動けないのかその場から動かなくなった。そして俺はセリスを止めるために腕を掴むとようやく正気に戻った。
「どうしたんだよ急に」
「え?なにが?」
「なにが?ってお前ザックに……」
「え?なにが?」
「いや、なんでもないです。はい」
「変なソウタ」
変なのはお前だよ!と言いたいが言えない。凄く怖いもん!相当怒ってるよこれ!
「あ、あのセリスさん」
「なに?」
「ごめんなさい!」
ザックが土下座した。スライディング土下座だ。ていうか大柄の男がスライディング土下座するってなんかシュールだな、と思っていると
「別にいいよー?気にしてないからね!」
「ほ、本当かい!?」
「うん!」
そう言ったセリスの目には光がない。たぶんまだ怒っている。それもザックはわかったのだろう。視線で俺に助けを求めてきた。やれやれだぜ。
「なぁセリス」
「なぁに?」
「怒ってるのか?」
「べつに?怒ってないよ!」
そう言ってるが頬を膨らましている。はぁほんとにこいつは手のかかる奴だなと思いながらも、
「好きだよ、セリス。俺と付き合ってくれ」
「えっ!?」「えっ?」
セリスとザックが目を見開いている。今言うのか!?って目でザックが俺を見てくる。だってしょうがねぇじゃん。もう我慢できねぇんだよ。すると、セリスがすごい笑顔な顔で抱きつきながら返事をしてくれた。
「うん!お願いします!」
「よっしゃー!!!!!!」
俺は今度こそ叫んだ。嬉しいんだもん!
「君、そんな幼女と、本当に…」
「言っとくがこいつは150歳超えてるぞ?」
「何っ!?」
ザックが驚いている。そういえばセリスについて話してなかったかと思っているとザックが言ってはいけないことを言ってしまった。
「君、ババァが好きだったのかい!?」
「死ねぇぇぇぇぇ!!!!」
「落ち着けぇぇぇぇぇ!!」
ザックがそう言った瞬間、セリスがザックに飛びかかろうとしたのを俺が抑える。
数分間セリスが俺の腕の中で暴れ、疲れたのか大人しくなった。
「やっと大人しくなったか」
「ねぇ、ソウタ」
「なんだ?」
「私っておばあちゃんなの?」
「年齢だけな」
「うっ、やっぱり、ババァなんだ」
「だから年齢だけだって。見た目と性格はこんなに可愛いじゃないか」
「ほんと?」
「あぁ」
「嘘じゃない?」
「もちろん」
「嘘だったら剥ぐ」
「なんでそんなに剥ごうとするんだよ!」
するとセリスは満足そうな顔をして俺の胸に顔をぐりぐりしてきた。
「助かったよ、ソウタ君。命の危機を感じたよ」
「お前が失礼なことを言うからだろ?」
「そうだな。セリスさん、本当に申し訳ない」
「もういいよ!」
「んじゃ、朝飯食ってこの街をでるか」
「おー!」
「む、そうか。ならここで食べて行ってくれ。ご馳走するよ」
「そうか?サンキュー」
「さんきゅー」
そして目が覚めてから二時間、ようやく朝食をとることになった。だが俺は先に歯を磨きたかったので、セリスをザックと共に先に行かせた。
「はぁ、疲れる。けど、楽しいな」
そう言ったソウタの言葉は誰も聞くことはなかった。
「あ?昨日は確かベッドで寝たのよな?」
「何言ってんの?昨日この部屋に入ってすぐ寝てたじゃない!」
「は?え、?」
「寝ぼけてるの?」
先に起きていたセリスは眠たそうにしながらも教えてくれる。
「え?じゃあ昨日のは?」
「昨日の?服のこと?」
「いや、告は…じゃなくて!そ、そうだ!」
「ほんとにどうしたの?」
「何でもないから気にしないでくれ!」
「そ、そう?ならいいけど」
セリスは不思議そうな顔で見てくる。そりゃそうだろうなぁ、いつもクールぶってる俺がこんなにも寝ぼけてんだからな。はぁ、なんだよ、セリスと付き合えたのは夢だったのかよ。ちくしょう。
本気でソウタが落ち込んでいる時、セリスは内心すごく喜んでいた。それは、セリスがソウタに夢を操る魔法をかけていたからだ。
ソウタがあんなにも落ち込んでくれてる!私のこと本気で好きなんだ!と喜んでいると、ソウタが近付いてきた。
「どうしたの?」
「お前、俺に何かしただろ?」
「えっ!?いや、何もしてないよ?」
「俺の目を見て言えるか?」
「うん!」
そう言ったセリスの目はすごく泳いでいた。やっぱりこいつのせいだったのかよ!
「やっぱりセリスがやったんじゃないか」
「え?なんのこと?」
「とぼけんなよ、またアイアンクローして欲しいのか?」
「私が魔法をかけました!ごめんなさい!」
すぐに謝ってきた。前くらったのが余程痛かったのだろう。
「なんで俺に魔法をかけたんだよ」
「ソウタの本音が聞きたかったから」
「は?本音?」
「うん。夢を操って、本音を言わせたの」
「なら、あれが俺の本音なのか?」
「うん!」
「そうか」
そう言うとソウタは黙ってしまった。あれ?怒ったのかな?もしかして、嫌われた?いや!ソウタはそんなすぐに人を嫌いにならない!よね?そう、だよね?う〜、こんなことになるなら魔法なんか使わなきゃよかったよぉ。
セリスがそう不安になっているとソウタがセリスの頭を撫でる。
「ふっ、お前、夢の中と一緒だな?」
「え?」
「俺に嫌われたと思って泣きそうになってたんだろ?」
「泣きそうになってなんかないもん!」
「嘘つけよ」
そう言って俺は笑い、セリスの頭をぐしゃぐしゃになるまで撫でる。するとセリスに手を払われた。
「もう!やめてよ!せっかく整えたのに!」
「はははっ!悪い悪い。俺はセリスのこと嫌ったりしないから安心してくれ」
「だから不安になってなんかないってば!」
そう言いながらセリスがポカポカ殴ってきた。全然痛くない。それが可愛く思えて笑ってしまう。
「あー!笑ったな!?馬鹿にしてるんでしょ!」
「馬鹿になんてしてないぞ?可愛いなぁと思ってたんだ」
「へ?」
「好きだよ、セリス」
「〜〜////!?」
すると、セリスの顔はトマトのように真っ赤になった。すると、扉が開き、
「その、すまないな。聞くつもりはなかったんだ。ただ部屋にいるかどうか気になって、扉の前に来たら聞こえてしまったんだ。すまない」
「……」「……」
俺とセリスは無言でザックを見る。ザックはもの凄く申し訳なさそうにしている。わざとではないのだろう、だがしかし、こんなにいいタイミングの時に普通入ってくるか?
そんなことを考えていると、
「じゃ、邪魔したね?続きをどうぞ」
「おい!待てよ!」
そう言ってザックがどこかへ行こうとしたので捕まえる。
「や、やめてくれ!ほんとにわざとじゃないんだ!」
「あ?何言ってんだよ。別に怒ってねーよ」
「へ?ほ、本当かい?」
「あぁ」
「よ、よかった」
「ただ殺意が湧いただけだ」
「やっぱり怒ってるじゃないか!」
俺とザックが話しているとセリスがこちらに来
る。
え?セリス、だよな?寝ぼけているのかゆらりゆらりと揺れながらこっちへ向かって来ている。え、なんか怖い。とおもっていると、
「ザックさん」
「は、はい」
「せっかく、いい雰囲気になっていたのに、よくも邪魔をしてくれましたね?」
「ひ、ひぃぃ!」
「ちょ、落ち着け!セリス!」
セリスは相当怒っている。目から光が消え、口調も変わっている。いつもみたいな元気の良さがまるでない。めちゃくちゃ怖かったのでザックは腰を抜かして動けないのかその場から動かなくなった。そして俺はセリスを止めるために腕を掴むとようやく正気に戻った。
「どうしたんだよ急に」
「え?なにが?」
「なにが?ってお前ザックに……」
「え?なにが?」
「いや、なんでもないです。はい」
「変なソウタ」
変なのはお前だよ!と言いたいが言えない。凄く怖いもん!相当怒ってるよこれ!
「あ、あのセリスさん」
「なに?」
「ごめんなさい!」
ザックが土下座した。スライディング土下座だ。ていうか大柄の男がスライディング土下座するってなんかシュールだな、と思っていると
「別にいいよー?気にしてないからね!」
「ほ、本当かい!?」
「うん!」
そう言ったセリスの目には光がない。たぶんまだ怒っている。それもザックはわかったのだろう。視線で俺に助けを求めてきた。やれやれだぜ。
「なぁセリス」
「なぁに?」
「怒ってるのか?」
「べつに?怒ってないよ!」
そう言ってるが頬を膨らましている。はぁほんとにこいつは手のかかる奴だなと思いながらも、
「好きだよ、セリス。俺と付き合ってくれ」
「えっ!?」「えっ?」
セリスとザックが目を見開いている。今言うのか!?って目でザックが俺を見てくる。だってしょうがねぇじゃん。もう我慢できねぇんだよ。すると、セリスがすごい笑顔な顔で抱きつきながら返事をしてくれた。
「うん!お願いします!」
「よっしゃー!!!!!!」
俺は今度こそ叫んだ。嬉しいんだもん!
「君、そんな幼女と、本当に…」
「言っとくがこいつは150歳超えてるぞ?」
「何っ!?」
ザックが驚いている。そういえばセリスについて話してなかったかと思っているとザックが言ってはいけないことを言ってしまった。
「君、ババァが好きだったのかい!?」
「死ねぇぇぇぇぇ!!!!」
「落ち着けぇぇぇぇぇ!!」
ザックがそう言った瞬間、セリスがザックに飛びかかろうとしたのを俺が抑える。
数分間セリスが俺の腕の中で暴れ、疲れたのか大人しくなった。
「やっと大人しくなったか」
「ねぇ、ソウタ」
「なんだ?」
「私っておばあちゃんなの?」
「年齢だけな」
「うっ、やっぱり、ババァなんだ」
「だから年齢だけだって。見た目と性格はこんなに可愛いじゃないか」
「ほんと?」
「あぁ」
「嘘じゃない?」
「もちろん」
「嘘だったら剥ぐ」
「なんでそんなに剥ごうとするんだよ!」
するとセリスは満足そうな顔をして俺の胸に顔をぐりぐりしてきた。
「助かったよ、ソウタ君。命の危機を感じたよ」
「お前が失礼なことを言うからだろ?」
「そうだな。セリスさん、本当に申し訳ない」
「もういいよ!」
「んじゃ、朝飯食ってこの街をでるか」
「おー!」
「む、そうか。ならここで食べて行ってくれ。ご馳走するよ」
「そうか?サンキュー」
「さんきゅー」
そして目が覚めてから二時間、ようやく朝食をとることになった。だが俺は先に歯を磨きたかったので、セリスをザックと共に先に行かせた。
「はぁ、疲れる。けど、楽しいな」
そう言ったソウタの言葉は誰も聞くことはなかった。
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