嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~

黒虱十航

悪魔

行きつけのアクセサリーショップのある駅までの間、あまりの威圧感に耐えられなかった俺は、とうとう何があったのか諸所でぼやかしながらも話した。話の始まりは俺が作文を書いて書き直しになったこと。そこからハチの悩みを話した。勿論耳が聞こえない事は伏せた。そして何故か東浪見たちと仲良くなり東浪見がキレて卓球に遊びに行った時に酷い目にあったが俺が勝負にしゃしゃり出て鹿渡とかなりの長期戦をしたこと、その後に俺とハチが正式に思いやり部に入り求名の依頼がやってきたこと。求名の依頼については、ぼやかしたもののどこまで知ってるのか分からないので何ともいえない。深夜に走ってて求名にあい結果、求名も思いやり部に入ったこと。そして今、よく分からんことで暇を潰して部活時間を過ごしていることなんかを話した。
「へぇ、流石だね。ちょっと私には考えられないな。誰かを助ける、とか誰かのために戦う、とか超カッコイイけど正直言って自己満足だしね」
「そうですよね。自己満足でしたから俺もそんなことしないと思ってたんですけど。まあ、何ですかね。人間色々あるってことですよ」
ほんとにそうだ。腐った社会を見限ってそれで諦めたはずなのにどうして救って、助けて、世界を変えようだなんて思ったんだろうか。まあ、思いやり部、しいては世界に希望をもっている北風原菜月に毒されたのかもしれない。
「色々、ね。そういうこともあるのかなぁ。」
「無い人もいるでしょうけど。少なくとも俺には、そういうことがあったってだけです。これだけ聞くと道徳の教科書に載りそうじゃないですか?」
「そうかもね。ほら、着いたから行こう」
全ての考えを見通しているのだとしたらこの人は、俺の秘密さえも知っているんじゃないかとそんな疑惑が心の奥で湧き出していた。閉じ込めたはずの化け物は、いまだ怯え、しかしさっきまでのように怯えて縮こまるのではなくものすごい嫌悪感で腹立っているような、そういう感じだった。俺には深くは、わからない。けれども、抱えている化け物の操作ぐらい出来なければと思う。


駅を降りて少し歩く時間があったのだがその時間では特に話すことも無く黙々と進んでいた。この人という人物がつかめていない部分もあるのだがそれでもこうやって動きが早いのには好感が持てる。リア充のようにのろのろ歩く奴は苦手だ。広がったりされたら尚の事面倒だし追い抜くときにこちらにちらっと視線を寄せてくるのが気持ち悪い。その点生谷さんは歩くスピードが早かった。そんな些細なことを考えながらも歩いて、しばらくしてザ・アクセサリーショップといった感じのお店に入った。どうやらここが行きつけのお店らしい。店内には、指輪やネックレス、イヤリングなど結構種類が豊富においてあり、生谷さんも店内に入ってからすぐに色んなところを見ていた。
「ねぇ、これとこれ、どっちがいいと思う?」
生谷さんがそういって俺に見せてきたのはいうまでも無く俺からみてもセンスがいいと思えるアクセサリーだった。指輪だ。デザインがきれいで大人っぽい。体が小さくても大人の色気というのが存分に出ていてギャップが激しすぎる。
「どっちがいいと思う?」
「あーー、じゃあ、俺が両方買いますよ。迷ってるんですよね?」
「いや、分かってるくせにそういうのは性質が悪いよ。全くそういう所は、面白いけど。ほら、選んで。何度か経験あるでしょ?」
「詳しくは無いですからね?」
「それでいいの」
そういわれて渋々二つの指輪を確認する。片方が黄緑色に光る星のような宝石、片方は真っ黒で吸い込まれてしまいそうな色の宝石だ。
「緑っぽいのがスフェーンで、黒っぽいのがオブシディアン。どっちも私の好きな宝石なんだけどね。どっちが好き?」
「何か、マニアックなセレクトですね」
「まあね。私、石言葉で宝石を選ぶから」
「石言葉?」
互換からするに花言葉の石版だろうからなんだ?とは思わないが、この二つの石の石言葉が生谷さんのお眼鏡に適ったというのなら気になってしまう。
「スフェーンが永久不変でオブシディアンが完璧、摩訶不思議。私にピッタリでしょ?」
「そうですね・・・。似合いすぎて驚きました」
ホント、この人に似合いすぎてる。
「ていうか、高校生ですけど宝石とか買うお金、あるんですか?」
「いや、あるにはあるけど流石にそんなたくさん買えないよ。だから一つ。普段もそうだけどそこまでチート級に裕福って訳じゃないからね。宝石を買うって行っても結構前からしっかり考えるんだよ?こう見えて。」
「考えないと思われている自覚あるんですね」
実際、容姿自体は幼い。故に宝石なんて似合わないしちょっと背伸び、という感じなのだがこの人の持ち合わせている魅力というのだろうか。それがもう、真逆の効果を発揮しているのだ。幼くてもむしろ似合ってしまう。それとこの人のチート級ステータスを考えると「ここからここまで全部頂戴」とかいいそうだし怖い意外だ。
「で、どっち?」
「あーー・・・そうですね・・」
永久不変と完璧、摩訶不思議。どっちがこの人に合うかといわれれば比べにくいが漆黒というのがすごいイメージにあう。その石の組織とかを分析しない限り俺は、色なんて普段分かりはしないのだが他の人の印象がある。
「じゃあ、こっちで」
そういって俺はオブシディアンを指差した。
「そう?じゃあ、こっちにしようかなぁ・・・・」
そういって指輪を眺める生谷さんを見ているとふと、疑問がわいてくる。別に聞かなくてもいいのだがそれでも聞かないと微妙なもやもやが消えないので聞いておく。
「それってどこでつけるんですか?外とか行かないんじゃなかったでしたっけ?」
「え?学校に決まってるじゃん」
「は?校則で駄目ってなってましたよね?」
「いや、そんなの無視でいいでしょ」
「いやいや、だめですよね?」
「校則なんて変えられるし。私が生徒会長を論破すればいいだけでしょ?」
「・・・・流石ですね」
ホント、考えがぶっ飛びすぎてる。生徒会長を論破とか軽く引くんですけど。まあ、実際そうなんだけどね。でもうちの生徒会長も手強そうでしたよ?生谷さんがレジで会計をしている間にそんなことを考える。いや、あの人、ホントすごい。

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