嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~

黒虱十航

約束してないんですが2

急いで部屋に戻りせめてもの弱者の抵抗として一番センスのあると思う組み合わせの服を着る。つってもそこまで種類がないし背が伸びてないから昔のも多いんだけど。
「お兄ちゃんどしたの?」
「あ、あぁ。」
俺が慌しく着替えて荷物を確認していると春が聞いてくる、俺の表情や動作をみていたら妹なんだし分かるだろう。伊達に十数年一緒にすんでない。そのわりに目が見えないことが分かってない辺りがまだまだだとは、思うけど。まあ、事情ぐらいは話すべきだろう。個人的には俺に玄関に出させたことを恨む気持ちもわくがこいつだって確信犯な訳じゃないしいいだろう。
「いや、同級生が来てた。今からちょっと出てくるから。帰り、何時か分かんないから連絡する。連絡無ければ心の中で心配してくれ」
「・・・え?何それ。お兄ちゃんが怯えてる・・・?」
「いや、だからなんで俺が怯えることが珍しいみたいないい方してるんだよ。」
「事実お兄ちゃんが怖がるのなんてジェットコースターぐらいじゃん?」
「まあ、否定できん」
ほんとにジェットコースターはキツイ。何度も何度も乗れるって程空いてないから鍛えられないしそれ以外にも鍛えたり出来そうなことはやったけどどうもジェットコースターだけは駄目だ。
「ま、正直言ってやばいからな。」
「ふーん。何?結構考えてることがやばいの?」
「否定できん。だが考えてることなんて分からないからな。ま、今日が終わっても連絡がこないようだったらガチで心配してくれ。通報しなくてもいいから。」
「了解。」
遺言を渡す感覚で春に言い残して俺は、持ち物をもって外に出た。


「何か、待たせちゃってすいません」
「いやぁ、そんなこと無いよ。私が急に押しかけたんだし」
だったら帰ってくれないかな、といいそうになったが何とかギリギリのところで飲み込んだ。しかし、俺をみてくる生谷さんの目は俺を追い詰めてきているようだった。
「帰らないよ。帰ったら来た意味ないし」
「んっ・・・・・」
正直リアルにびびった。ここまでラノベのラスボスみたいな人がリアルにいるとは思ってもいなかった。まあ、その興味の対象はラノベ主人公であって俺じゃないんだけど。ラノベ主人公って誰だろ。鹿渡とか?いや、でもリア充過ぎるしな。ぼっちも確かいなかったし分からん。
「君はほんとに面白いことを考えるんだね。」
「っっ」
駄目だ。この人には勝てない。本能が叫んだ。俺に巣食う化け物でさえ静まり怯えていた。駄目だな、これ。たとえ俺が吸収の天才でもガチもんの人生の天才には叶うはずが無い。天才、いや神かもな。そのほうがしっくりくる。破壊神とかすっげぇしっくり来るな。
「それは、酷いって。それに思った事はしっかり口で言おうよ。つまんない」
「ぐぅ・・・と、とにかくカフェ行っちゃいましょ。この時間なら空いてると思いますけどゴールデンウィークですし分からないですよ」
「それもそうだね。」
だめだ。もう、考える余裕も無い。この人は、ガチの破壊神。俺でさえ人間の領域を出れていないのだとこの人をみれば一目瞭然だ。


俺の家から徒歩数分のところにカフェがある。何でも母さんの友人が営んでるそうで母さんがテレビで紹介してからそこそこの有名店になっている。とはいえそこまで混んでるという事ではない。それに俺は一応顔見知りなので結構よくしてくれる。安くしてくれることはないが小遣いにも困ってないし大丈夫だ。今月はゴールデンウィークということで大目に貰った分と前にちょっとやって入ってきてる金があってかなり余裕がある。明日も明後日も何とかなるぐらいはあるし少しぐらい使ってもいいだろう。
「へぇ、ここ結構有名だよね。行きつけなの?」
「あ、いやまあ、母親がここの店主の友人で何度か・・・」
「ふーん。じゃ入ろっか。」
一応、エスコートと思い精一杯の注意を払って席までたどり着くんだがやっぱり俺を追い詰めるような生谷さんの目は変わってくれない。
「注文、どうする?」
「あー」
おそらく、お勧めを聞いてきてるのだろう。分からんけど。
「ここ、コーヒーが美味しいですよ」
「んーそうなんだ。でも私朝ごはん食べてきてないんだよねぇ。君のじゃないの?何か急いで出てきたみたいだし」
「・・・・・・そうっすね。じゃ、軽く朝ごはん食べます。呼んじゃっていいですか?」
「うん」
許可をとってから店員さんを呼んで注文をする。基本的には自分の分は自分で言う、と言う感じだと思うのだが生谷さんと一緒にいるというだけでも心臓がえぐられている気がする。
「コーヒーとサンドウィッチをお願いします。生谷さんは?」
「君のお勧めで」
「・・・・っ」
何となくこの展開は予想できてましたよ。はい、こうなると思ってましたから文句は無いですよ。だが、お勧めといわれても好みも分からん。あ、やば。変に考えちゃだめだ。
「じゃあ、コーヒーをもう一つとモーニングパンケーキを。」
俺が注文し終えると店員さんが去っていきそれと共に興味深いものをみる目で、挑戦的に俺をみている生谷さんに気がつく。
「よく分かったね。流石」
「・・・・。まあ、わざとそっちのほうに目線を集中させていましたから」
この人ほどにすごい人だし誘導の可能性もあったが別にクイズじゃないので間違えたってデメリットは無い。なら、誘導に乗るのが得策だ。
「ま、お勧めを知りたかったけど」
「ぐぅ・・・・・・・」
「でもパンケーキも食べたかったしいいよ。」
「そりゃどうも。」
こんな会話のたどたどしさ、普段の俺なら考えられない。けれども今回ばっかりはしょうがない。いくら凄腕ゲーマーでも自分の腕を超える腕前のゲーマーと戦ったら100%力を発揮できない。まあ、中には120%を引き出してくるような凄腕もいるかもしれない。けれどそれは同次元の戦いだ。次元が違えばどんなに努力したって100%力を発揮できない。
「ねぇ、ねぇ、君ってスマホでゲームとかやる?」
「は?あ、ああまあ」
急な質問に煮え切らない返事をしてしまう。っていうか本気で質問の意図が分からないとか考えたら読まれて先を行かれちゃうから考えたら駄目だ駄目。
「それがどうしたんですか?」
あくまで冷静に。冷静。
「いや私もね、ゲームやるんだよ。ほら、これとか」
そういって画面を見せられた。
「そう何すか。俺、やるっていってもパソコンからデータを移動できたりするのだけですから。」
「ふぅん。」
やっぱり疑うような声だった。

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