嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~

黒虱十航

約束

「うす」
部室の扉を開けて既にいた求名と北風原に一応あいさつをする。まあ、あいさつといえるか分からないけどそんな事はどうでもいい。あいさつなんてあれだ。結局のところいらない、友達と同じレベルの存在でしかない。
「失礼いたします。・・・・?」
俺の後ろにいたハチも入ってきてすぐに異変に気がついたようだ。いや、実際異変って言うと悪い感じがするけど普通にいつもと違うだけなのだが。まあ、如何わしい方面でもないのでいいだろう。んでもって何が起きてるのか説明しよう。求名はいつもの席に座っていないがまあ、それぐらいだ。立ってなんか冊子を持ってる。中身については分からない。だがまあ、問題は北風原。正直言って俺が目が見えていたらラノベ調の流れになっていたんだろうなぁ。多分パンツ見えてるし。
「これは触れないほうがいい流れだよな?」
だが、俺はパンツを見えていない。なので「え?い、いやべべべ別にみてないし」などと自白する必要も無い。あせることも無いので相手方が俺の目が見えないという事実を勘付くことも無い。このへんが結構大きかったりする。
「あら、何のことを言っているのかしら?」
ほんとに触れないほうがいい流れっぽい。なら、触れないでおこう。因みに部活着が汚れてきていないので制服状態だった。そのため何があったか知らんが結構高い位置にある机に乗っていたので普通にパンツが見えるというわけだ。上を向かなくたってひらひらしたスカートが視界に入ればみようとするだろう。だがまぁなに?こういう時だけは目が見えなくてよかったと思う。相変わらずのプライドの高さで何事も無かったように降りる辺りがすごいのだが食べ物をおくので一応拭いて置かなければならない。
「ったく、しょうがねぇな。」
俺が、掃除のために部室においておいた雑巾をぬらして軽く拭く。家からほうき2本とはたき1つ、雑巾4枚をもってきているので掃除には困らない。
「そういう所は手際がいいのよね」
「こういう所以外も結構手際いいぞ~~?なんせ末は主夫かニートかってレベルだからな。マジで働かない適正がありすぎて怖い。」
「よくまあ、そんなことを恥ずかしげも無く・・・」
俺が言うと北風原はこめかみを押さえてため息を吐く。いやいや、そんな春みたいなことしなくたっていいでしょ?呆れないで。ねぇ、呆れないで?俺、期待の新生よ?なんなら職を選びたい放題のチートキャラよ?天性の強キャラだよ?
「師匠。お茶が入りました」
「おう、さんきゅ」
そんなことを思っていると可愛らしい声が聞こえた。もうなんかさっきのストレスもあるしこのごろ疲れてるからハチの声を聞いてるだけで癒される。やっぱあれだ。ハチは俺の心のオアシスだ。まあ、色々トラウマの象徴でもあるけどね?
「ん?今日、茶葉替えたか?」
「よくお分かりになりましたね。流石師匠。面白い茶葉が見つかりましたのでクッキーの試食に合わせて試飲していただきたくて」
「お前、結構お茶のお店とかに行くのか?」
「はい。というか私の母が茶葉やコーヒー豆を売る仕事をしておりますのでそのつながりで、といったかんじです」
「ほぅ」
やっぱり親がやっていることっていうのは子供も引き継ぎやすいのだろうか。そんなことを考えながらいい香りのする紅茶をほんの少し口に含む。
「ああ、なるほど。美味いな」
「そうですか。お口にあったようでよかったです」
あぁ、マジ癒される。寒くは無いといっても温かい飲み物というのは人を癒してくれる。それにかなり癒される匂いもまた素晴らしい。ほんのりとコーヒーの香りもする。確認してみるとハチがお皿に出したクッキーの中に少し混ざってあるようだ。
「もうあれだな。俺と同じぐらい料理上手くなってるんじゃないのか?それぐらい上手かったらいいお嫁さんになれるだろ。」
もうマジで。ハチ、可愛し声優だし無茶苦茶需要ありそう。結婚した奴はもう、幸せもんだな。まあ俺は、愛ある結婚なんかするきないけど。養ってもらえればそれでいいしなんなら一生独り身の独身貴族である誉田先生の気持ちも分かってしまう。
「いえいえ。まだまだ未熟です」
「そうか?ま、俺も未熟だからな」
俺が、そんなことを言うと部室に居る3人が一気に静まる。え?何か俺やった?そんな疑問が胸のうちではねる。いや、俺のスキルがあれば何とかなるしそもそもやらかすはずがないんだけど求名にしろ北風原にしろ特殊な奴が多いからな。北風原は、普通だけど特殊を装ってるって感じだけど。
「貴方でもそんなことを言うのね。何かあったの?」
「おぬし急に謙虚になったな。疲れてるのか?」
「・・・・・・師匠・・。」
「おいおい、お前ら俺をなんだと思ってるんだよ」
ホントにこいつら、俺をどんだけ馬鹿にするんだ。
「何ってそんなの自意識の塊でしょ?」
「中2病ナルシスト?」
「っち、お前ら、すっごいブーメラン投げるなぁ」
自意識の塊とか酷すぎる。求名のようにナルシストっていってくれたらまだ救われたかもしれないけど。まあ実際、いつもの言動が無茶苦茶ナルシストだし俺は、誰よりも優れていると思ってたからしょうがないかもしれない。
「・・・・ま、疲れたんだよ。そんで?ゴールデンウィークの、どうするんだ?正直忙しいからメールとかやりたくないんだけど」
「貴方・・・部活をなんだと思ってるの?そんな自由参加とでも?」
「え?自由参加じゃないの?この部活自由なんじゃねぇの?」
「んまあ、そうね・・・・・。でも出かける時には自由ではないわ。思い出を共有するのが友達の鉄則ですもの。貴方が鹿渡なんて輩をメンバーに加えたせいで面倒なことになったけれども。」
「まあ、俺も鹿渡嫌いだけどどうせあれだろ?3人で服とか見るんだろ?それだと俺一人暇じゃんか。かと言って俺は一人で服屋の前にいて不審がられたく無い」
「なら一緒にみればいいじゃない。貴方、ファッションセンスもあるんでしょ?」
「あ、まあセンスはファッション雑誌とかみて鍛えたからそこそこな」
実際、服って言ってもそこまで種類は無い。外でポイント稼ぎするっていっても数種類上下があれば組み合わせで変えられるんだ。それに服につぎ込む金を他のところにつぎ込んでる。
「やっぱり。流石というかなんと言うか・・・」
まあ、そんな風に尊敬されても正直自分に自信を持てなかった。きっと北風原も俺をみてそう思ったのだろう。まあ、北風原は見抜けてはいなかったが。まあ、それは俺の察知能力が相当なものだからって言うのもある。察知、観察スキルは他の能力よりもずば抜けて高い。完璧超人のさらに上だ。俺とこの世界の能力の違いが俺をここまで腐らせたんだろう。まあ、生谷さんと仲良くなれる気はしない。

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