嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~

黒虱十航

赤頭巾は傷つくⅡ

そんなことを考えながら食べて、結局時間がそこまで無かった為寝ることが出来なかった。おかげで無茶苦茶眠いがそんなことより俺はやることがあるのだ。ホントなんでこんな忙しなく色々考えないといけないのって感じなんだよなぁ。はぁ、マジ働きたくない。でもまぁ働くことに異論は無い。俺が選んだ道であることも確かなわけだし。不可抗力で入ってしまってどんどん引きずり込まれたとしても俺は、逃げることなんて楽々こなせていたわけだ。けれども俺は逃げなかったんだしならば今のこの場所が俺には適しているということなんじゃないかと、そうふと思ってしまう。だが、な。そういうことじゃない。俺が言いたいのはそうじゃなくてこの学校、キャラが濃すぎるでしょってことだ。普通の学校なら思いやり部みたいなのがあっても真剣に悩みごとを相談しに来る奴はそんなにいないしそもそも俺のように人生について考えるような奴自体が高校生じゃまずほとんどいない。見通しをもっていたとしてもそれはぼんやりとした不確かなものなのだ。俺の様に人生の摂理から世界のルールをわかりきっているような奴はむしろ大人にもいないといっていいかもしれない。まあ、世界とは大体そういうものなんだ。けれどこの高校はおかしい。耳が聞こえず人生をもがき苦しむ八街。文学の天才で入学を条件に専用の部屋を用意してもらった求名。そしてきっと完璧を目指す北風原も・・・・。こんなにも悩み苦しむ奴がいる中でやる思いやり部と悩みの一切無い世界でやる思いやり部。その両者では明らかに仕事量も仕事内容も仕事に対する重圧も違うのだ。そして優れている、救うことの出来る俺は救う義務がある。だから今回の依頼「小説を読んでほしい」を通して求名という人間を変えてやら無ければならない。ノブレス・オブリージュ。優れたものには優れていないものを救う義務がありそれは自身の力に伴う責任とは違う。ただ、優れている人間に合わせられるように世界を修正する必要があるのだ。それは俺だからいえること。俺の様に圧倒的に優れている人間だから言えることなのだ。
「師匠?どうかいたしましたか?」
「え?」
考えていると耳に可愛らしい声が響く。勿論ハチである。なんというかあだ名ってその人を前にしたりその人のことを集中して考えてるときって脳内であっても使っちゃうんだよなぁ。そのわりに全体として脳内でカウントする時だったり真面目なことを考えるときには全然使ってなかったりする。
「おお、ハチか。何でそう思うんだ?」
急に朝からどうかしたのか、何て聞かれたもんでちょっと驚いてしまった。教室では既にリア充たちの声が聞こえていてその声はものすごく醜く気持ち悪い。今教室に入ってきたばかりなので挙動不審だったから聴いたってことも無いだろうし何故そう思うのか疑問だった。
「たいした理由は無いんですけどちょっとぼぅっとなさってたので」
「ああ、まあそうだなぁ。ちょっと寝て無くてな。」
「そうですか。無理なさらずに。」
「おう。さんきゅ。あ、昨日の依頼のやつ、終わったか?」
「はい、読みました。北風原さんも詠み終わったそうなので今日、感想を言う感じでしょうか。」
「まーそうだな」
そういいながら憂鬱な光景が脳裏に浮かぶ。俺が育て上げただけの事はあって八街も大抵の事が出来るので完璧超人には遠いもののかなり頭もよくなってるし北風原だって一応頭いいらしいし純文学も何本かかじってるんだろう。それに結構部室にある本を読んでたし。それを考えると手厳しい評価が返ってきそうだ。まあ、どっちにしたって何とかなるだろう。
「それにしてもあの小説流石に面白かったですね。文学の天才というだけの事はありますね」
「え?あ・・・・・ああ、ま、まあうん。そうだな」
心にも無いことを言った。予想もしない言葉を聞いてしまったからだろうか。それともハチに同調して少しでも上手くやろうと、昔のように思ったのかもしれない。
「では、では」
そういって八街が戻っていってしばらく経って誉田先生が教室に入ってきてホームルームを始めた。今まではどうでもいい内容ばかりのホームルームだったが今日は結構違った。まぁ、俺にはどうでもいい、といってもいいかもしれない。何でもふれあい集会についてらしい。うちの高校は1学期の5月末に各部活と各クラスが地域の人用の出し物を行う。で、7月上旬には七つ星祭りというイベントがある。それはまぁ、地域のセンターでやるイベントらしいのだがそれは生徒会がなにかイベントをやるらしいのでどうでもいい。2学期には9月後半に体育祭、10月後半にハロウィン祭、などなどといった今年のとりあえず前半辺りの説明をしていた。五月末にやる出し物を考えておけってことらしい。前半を大抵説明してしまう辺りが先生らしいといえる。


その話が終わり授業が始まり休み時間になる。休み時間になるとべらべらと話し始めるリア充たち。元リア充というだけあって別に砕け散れとか爆発しろとか死ねとかうざいとかくたばれとか言う気は全然無いわけだけどいやうそ無茶苦茶あるけれどまあ、実際嫉んだりとかそういう事はない。だってリア充って生き辛いんだもん。でもなんだかいつもより鬱陶しい。
「はぁ・・・・・・」
あまりの鬱陶しさのあまりついついため息が口から出てしまう。やっぱり俺のみている世界は歪みきっているのだろうか。普通のことを話しているのに俺の脳に浮かぶ世界は醜くて気持ち悪かった。
「眠ぃ・・・」
きっとこれも眠いせいだ。昼休みまで粘ってから昼休み、机に突っ伏して眠った。


結構、眠気が去って午後の授業は一応真面目に聞いて放課後すぐに部室に向かった。まあ、正直真面目に聞かなくたってちょろいんだけどね。
「あら、今日は随分と早いのね?」
俺が部室の扉を開こうとすると後ろからそんな声が聞こえた。その声は、結構冷たくて鋭い。そのわりに結構可愛らしい辺りが声優であることを示している。勿論北風原である。だが、なんだかとても疲れているようで声が少し鈍い。
「どうしてそんな疲れてるんだ?なんかあった?」
「・・・・流石の洞察力、といったところかしらね。」
そういってから北風原は、目をこする。
「そりゃどうも。そんで、どうした?」
「昨日の依頼をこなしていたのよ。」
「そうか。でもそんな圧倒的に量があるわけじゃないし」
「そうね。でもかなり面白かったから何度も読んでしまったのよ。それでいつものようなルーティンワークをこなしていたら寝れなくてね」
「昼は?」
「私が寝れるわけ無いじゃない。クラスメイトと話してると時間が無くて」
なるほど、と声に出すわけじゃないけれど納得していた。俺もあの頃は昼に寝てたりする暇はなかったので理解できる。ただ謎が一つ。何故あの小説が面白いと思うのか。ま、はっきりつけるのは全員揃ってからいいだろう。

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