嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~

黒虱十航

赤頭巾は傷つくⅠ

家に帰った頃には家族全員が寝静まっていた。父さんは例の如く外で撮影らしく帰ってきていないし作家は昼夜逆転が当然、何ていっている母さんがいるわけだし普通寝静まってるわけじゃないんだけど結局60キロ近く走っていたため流石の母さんも寝ているようだ。昼夜逆転のわりに寝てるのは不思議だが母さんは小説かいてる時ぶつぶついってるので静かだったらまず寝ているはずだ。流石に走りすぎておなかも空いたので冷蔵庫から色々と漁るがこの時間帯にあまり重いものを食べるのはよろしくない。今日だけで90キロ走ってるわけだからかなりカロリーを消費してはいるんだけどそれでもちょっと重いものを食べようと思いはしない。だったら何を食べるか、というのが問題ではあるのだが食べ盛り育ち・・・・盛りの健全な高校生をそこそこ満腹状態にする重くない食べ物というのは中々見つからない。食べるものが見つからない、となると一層食べたくなるのが人間で、なんだか無茶苦茶、空腹に襲われた。何せ、さっきまで走って走って誤魔化してきた空腹感が一気に襲ってきてるのだ。耐え難い空腹である事は変わりない。そんなことで冷蔵庫を漁り、菓子の入っている棚を漁り家の中を漁っている間に見つかった戦利品は少ない。
1、袋ラーメン
2、マックスコーヒー
3、シロップジュース
うわぁ・・・・・まともな戦利品が無い。袋ラーメンは重いし、マックスコーヒー飲んでも腹は膨れないしシロップジュースは甘すぎる。因みにシロップジュースとは俺お手製の甘いジュースである。主成分はその名の通りガムシロップ。練乳に蜂蜜、ミックスジュースを混ぜたもので飲めばまず思考が加速する。まあ、それでも瞬間的な耳の思考判断には敵わないけど。
「ふぁぁ・・・。お兄ちゃん、なにやってるの?」
「おう、春。どうしたんだ?」
俺が三品とにらめっこしている(その場合俺、最強)と売れっ子ネットアイドル春が降りてきた。電気つけてなかったが俺とは違い春の視力は筋金入りなので俺を黙視出来たようだ。俺調べによると案外遊びまくってる奴のほうがテレビみまくってゲームやりまくってるのに視力がいい傾向にある。真面目な奴程勉強するので視力が落ちていく。よく、検査とかでテレビ、ゲームをやる時間が長いと視力が落ちる危険性があります気をつけましょう、とか言われても全然視力が落ちずにゲームをやる時間が減ったほうが視力が落ちるってよくあるパターンなんだよなぁ。
「何って、ちょっとおなか空いたから降りてきただけなんだけど?」
「いや、お前寝たんじゃないのかよ。明日も学校なんだから寝ろよ寝ろ」
「それは、お兄ちゃんもでしょ?何か楽しそうな部活入ったんだし頑張りなよ?」
「頑張るって言ってもなぁ。俺の思ったことやれば頑張んなくてもいいしな」
「ふーん。まあ、楽しそうだからいいけど。」
「なんだそれ。お前は俺の母ちゃんか」
「お母さんは、こういうこと言ってくれないでしょ?だから、愛しい愛しい妹の春が代わりに言ってあげてるの。ほら、親の愛を受けないと抱き枕が無いと寝れなくなっちゃうって言うじゃん?抱き枕とかあっても面倒なだけだしね」
「ぐ・・・・。その言葉、聞いてそれが愛だと思える人はいないでしょ?そういうことさえ言わなきゃ純粋に兄を心配するいい妹だったのに」
ホント、何でそういうこと分かっちゃうかなぁ。春と俺は以心伝心なのだろうか。確かに俺は、抱き枕とは言わないが何かしら抱いていないと眠れない。そこそこ大きめじゃないときつく、普通の枕を抱いて寝ている。だが、別に愛が足りてないとかそういうことじゃない。そんなことあるわけ無いだろ。これから主夫になるまで脛をかじりまくるつもりなんだから。親の脛ほどかじっても許されるものは無い。
「いや、春はお兄ちゃんのものじゃないし。皆のものだよ☆」
「・・・・もういいわ」
何か疲れた。とりあえずどうやって腹を満たすかどうか考えないと。
「そ。そうだ、お兄ちゃんは、なにやってたの?袋麺とマッカンと・・・お兄ちゃんがよく飲んでるデブジュース?」
「デブジュース言うな。俺、よく飲んでるけど太んねぇだろ?」
「んー、まあそうだねぇ。で、何してたの?」
ちょっともう、突っ込むのにも疲れたしボケるのはやめて欲しい。個人的には眠いレベルだしなぁ。とはいえここで目をこすればまた「お兄ちゃん、やばい、可愛すぎる」とかいって話が逸れるんだろうし何とか耐えなければなるまい。
「腹減ったんで何か作ろうと思ってな。重いのはちょっときついから軽めのもの」
「軽めのもので、どうしてこの3品が浮かぶの?お兄ちゃん変だよ」
「そうだよなぁ。俺も思う。ま、何とかなるだろ」
そういって俺は、さらにラーメンの麺をなにもせずにそのまま入れてガシガシと潰す。小さく食べやすくしたところでシロップジュースをかけて軽く火をかける。シロップジュースが馴染んだ辺りで完成である。
「なにそれ?」
「俺も分からん。創作スイーツ?」
「アバウトだなぁ。そういう所がまあ、男らしくていいんだろうけどね」
そういっているうちに春の分も用意する。一応お兄ちゃんだしそれぐらい用意するのは当然なのだが俺の作ったよく分からん創作スイーツが食べたくないのか不思議そうに首をかしげた。『何言ってんの?』と心で言っている。いや、比喩とかじゃなくて。
「何?」
何?食べる気無いの?というのと一応さっきの突っ込み、いいんだろうけどってなんだ、という意味を込めて若干トーンを気をつけて言う。
「いや、なんで私に渡すの?」
「なんでってお前が腹減ったから降りてきたって言ってたから」
「そういうさりげない優しさだけはラノベの主人公みたいなんだけどなぁ」
「ホントだよなぁ」
ホント、俺のさりげない優しさとたまにそれを鼻にかけている感じとかは、ラノベの主人公みたいなのに男の娘キャラだし普通の高校生感がすごい。
「ま、いいから食べろよ。俺が作ったんだし旨いのは間違いない。」
そういって俺達はその創作スイーツを口に運んだ。なんだか恐る恐るだったのだが意外に春は迷わずに食べていた。何?俺のことをそんなに信用してるの?
「やっば。これおいしすぎ。ほどよい塩気がやたら甘いジュースにマジで合う。これ、売ろうよ売ろう。絶対儲けられるよ」
「お前、今何時だと思ってるんだ?」
「えーっともう5時、だね」
「はぁ?」
てっきり3時ぐらいだと思ってたが確かに確認していたわけじゃないし腹へって探すのに必死だったからしょうがない。まあ、求名と会ってから無茶苦茶走ったしなぁ。
「何?ボケてるの?春はボケキャラだから突っ込まないよ?」
「その設定はなんなんだよ。」
「設定じゃないよ、事実だよ。それに設定決めてる人がいたら設定とか言っちゃだめなんだよ。その人は頑張って自分が作ったキャラを演じてるんだし」
「・・・・そうだよ、なぁ・・・」
ふと脳裏に浮かぶのはレッドフード、求名だった。

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