嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~

黒虱十航

人生-何度目か

俺は、夕飯を食べ終えいつものようにライデイをやって小説を書いてそれでも時間があまってしまったので作文を少し修正することになった。とはいえ、何か修正する箇所も無く入学から今日まで、どんなことあったのか記憶をさかのぼることにした。さかのぼる、というほどの出来事でもなかったけれど。入学式翌日には、俺はいきなり誉田先生によって第二図書室に向かわされた。そこで出会ったのは言うまでも無く北風原である。数年前は陰キャラだって言うのに今では立派にリア充をやっていた。けれど俺のように高めていたであろう北風原でさえこの世界が腐りきっていることに気付いた様子は無かった。別にそれに悲嘆したわけじゃない。そもそも悲嘆する理由なんか無い。世界は腐りきっている。そんなことに気付けるほどレベルの高い人間がこの世界にはいないと分かっただけでも十分な収穫だった。


それからしばらくして八街がやってきた。そいつは俺が大好きなキャラ、ベナの声優、八田町で正直俺も驚いた。けどそれ以上に驚いたのが八街と俺が顔見知りであり、しかも俺の失敗での象徴である奴だったということだ。耳が聞こえないことは、あまり実感できなかったがそれもまた一つの要因でクラスに馴染めていなかった。とはいえ、俺だってそれに興味を持つはずも無い。いくら過去の失敗の象徴だとしても俺が、他人のために動いてやるなんて事はありえない。けれど俺の出した作文に軽くキレた誉田先生が俺を思いやり部に仮入部させたわけだ。つまり全ての出来事は誉田先生によって回っている。あのときだって今だってそうだ。この世界というのはいつも理不尽で一つのミスだけで貶められるしほんの少しの権力だけで世界を回すことも出来てしまう。そんな理不尽な世界が納得行かないし気持ち悪い。だからそれを腐っていると表現した。けれども本当にそうなのだろうか。


世界は本当に腐っているのか?と俺の中の化け物が叫んでいる。その化け物の正体は俺にも分からなくて俺がこいつを感じたのは2回だけだ。一度目は中学生のとき。誉田先生に出会って作文を書かされたとき。2度目が八街にえらそうに言葉を発した時。俺の中の化け物は言葉に関連したことが起きた時に俺に襲い掛かってくる。今回が3度目。まだ、8時だというのに体感時間は既に何十時間も経っていると感じてしまう。それだけ化け物は俺に大きな影響を与えてくる。
「お兄ちゃん、うなってて五月蝿い。」
「あ?ああ、悪い」
「生放送中なんだからやめてよ。今、一回休憩時間にしたんだからその間にやめてもらわないと」
「そっか、すまんすまん」
「何?むちゃくちゃ素直じゃん。なんかあったの?」
「言っただろ?弟子が」
「何それ?作文じゃん。言われてた奴でしょ、それ。」
「あ?まあな。別にいいだろ」
「いや、変なこと書いてるじゃん。化け物?」
そういわれて、急いで俺は文字を全部消した。元々書いていたところまで全て。そのせいで全て書き直しになってしまった。けれどそうするしかない。どこに書いてあるかなんて分からないのだから。
「何で全部消してるの?」
「いや、ほら何?ちょっと書き直したかったからさ」
「ふーん。ならいいけど」
「何だよ。『えー、超怪しい』って言ってるぞ。」
「何で分かったの?マジで怖いんだけど。まあ別に内緒にしたいわけじゃないから言うけどさ北風原さんと電話番号交換したんだよ。それで話してたら」
「話してたら?」
「お兄ちゃんが怪しいって話になってさ」
怪しいとかマジで酷すぎる。同級生にそんなことを言われるのもだがそんなことを肉親に聞かせてしまうのがちょっともう悲しい。大体怪しいって何だよ。俺、超真面目だし。
「何が怪しいってことじゃないんだよ。けど、何か足りないっていうか何かが他の人と違うって言うかそんな感じで」
「ま、世の天才は、大体なんか欠けてるって言うしな」
ホントびっくりした。流石にばれたかと思った。
「・・・・・」
「なんだよ。見つめて。」
「見つめてるわけじゃないんだけど。お母さんに聞いたんだよね。だから私は知ってるから。流石にお兄ちゃんが望んでないって言ってたし春も言おうとは思わないけど」
本気で気付かれていたみたいだ。まあ、別に八街は別としても北風原はもう、会わないからばらされてもいいんだけどな。まあ、八街にこれを話すことはないだろうな。
「今度自分の口でお前に説明するから戻れ」
「うん、そうする」
そういって春は、部屋に戻っていった。


「ふぅ。」
ため息を吐いてから俺は消してしまった文を書き直す。勿論、文はまるまる変える。何となく文が降りてきたし正直あんな文章だと書き直しになる。


人生
人は、人生で何を考えるのだろうか。今の世は人の世だ。人以外の動物が主となる事はほとんど無く人の都合で世界は動く。その動きというのは大きくなればなるほど強い人物が動かしているのだと分かるはずだ。例えば一つの国。これを高校生が動かすなんて出来るはずが無い。集団を動かすには力が必要だ。その力、というのは勿論肉体的なものではなくかといって頭のキレとかそういうことでもない。偉さとかでもなく適応力のことを指すのだろう。どれだけ腐った世界に順応し、望む言葉をかけられるか、望む言葉として捉え
させるかこそが集団を動かす上での肝である。つまり力とは世界が決める。けれどたまに思うのだ。この世界が腐っているのにそれに適合するものが強いのだろうか、と。
私は思う。この世界は腐りきっているのだと。その理由はいくつでもあげられるが最も大きいのはこの世界にすむ住人が『腐りきっている』ことにあるんだと思う。いくらシステムが神がかっているゲームであってもそれをプレイするプレイヤーのレベルが高ければそのゲームはあまり良いゲームとは言えない。政治だってそうだ。いくら良い議題であってもだめな政治家が話し合っていたらゴミみたいな論理しか生まれない。


人は一人では生きていけない、なんていうやつがいる。けれど原始の人々は一人でも生きていた。そのうち自分一人で生きられなくなって人に助けを乞うことを覚えた。そして群れを作ってしまい弱い人間が生まれてしまった。一人であっても一定の土地と種子が一粒あるだけで強ければ何とかなる。地球で自分一人だけしかいなくなったのならばもっと規模が大きく出来る。人は一人でも生きてはいけるのだ。ただ、こんな腐った世界じゃそんな事はありえない。一人でも生きてはいけるが周囲に腐った奴らがいる以上一人で生きることが許されないのがこの世界。そして腐った奴らが多いから世界は腐って見えてしまう。


けれどもしも自分の世界にはいってくるやつらだけでもいいから腐っていなければきっと世界は腐った世界ではなくなるのかもしれない。


だが、人というのは変わっていいものじゃない。だからせめて私だけは世界が腐っていると言い切るために俺に助けを乞う奴だけでも俺が気付けたやつだけでも助けてやろうと思う。

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