嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~

黒虱十航

基礎練習

とりあえず俺達は部活を切り上げて一応誉田先生に報告してから俺の家に向かった。昨日までに家の使用許可は得たわけなのだがそれ以外にも準備が必要だ。特に消費するものというのも特訓に使うため買って帰らなければならない。
『スーパー寄って行くからちょっと遅くなるけどどうする?先に家行ってるか?』
「スーパーで何をするのですか?師匠」
『ちょっと練習に使うものを買う。』
『ならば私達も行ったほうがいいでしょ』
『そだな』
そんなやり取りをしてから俺の家とあまり距離の無いスーパーに入っていった。ここで買うのは主に食材である。あと文房具コーナーもあるのでそこでシャーペンとノートを買う。春がはがきを色々駆使して用意してくれた為今月の小遣いも余っている。それが幸いして必要なものぐらいはおそらく買える。
「そんなもの何に使うの?」
俺がジャガイモを選んでいるとそんなことを言って来た。普通に疑問に思っただけなのかメールを使ってこなかった。まあ俺としても何をやるかは、内緒にしておきたい。驚くのとか面白そうだし。
「何って飯作るんだよ。」
「は?」
「いやそろそろ食材切れてきてたなぁとか思い出した」
「は?」
あまりにも「は?」を連呼されるのでちょっと傷ついた。何なら現在進行形で傷ついている。けれど甘い。俺の能力を舐めるなよ。俺のゴムメンタル。
「師匠?」
『どうした?』
「私も食材を選ぶの手伝いましょうか?」
『いや大丈夫。これぐらいは出来る』
「そうでしたか。余計なことをしてしまいすみません」
『おう』
ちょっと文面だけみると俺が八街に何かしたみたいになっていた。北風原の鞭でさえ傷つくのにこれやられると傷ついたメンタルに塩塗りこまれてる気分になる。そう思っていると俺の制服の袖を北風原が引っ張ってきた。
「ちょっと、八街さんが変な方向に行っちゃってるじゃない。どうにかしなさいよ」
「そう言われてもな。ボケだろ、多分。これが終わったら何とかなるって。今はこんな風にしてるけど特訓に入ったら俺のことなんか睨みつけるようになる」
俺としてもそこは考えていたのだがまあ、これから俺が特訓をさせたらまず大抵の人は睨むだろうし酷いやつなら殴りかかってくるだろう。俺だってこれを自分以外によってやらされてたらまず殺すな、とか思ってたし。


食材を買い終わり文房具コーナーに向かう。そこで一番安いシャーペンを5本とノートを大量に買う。シャー芯も一応買ってレジを済ませる。
「あなたもしかして練習に使うものっていうの嘘だったんじゃないの?ほとんど自分のものじゃない」
「何?お前この中のやつ使ったこと無いの?」
「ノートって事は書くってことでしょ?シャーペンも分かるけど・・・そうじゃなくて。ほとんどが食材じゃない。所要時間的にも食材がほとんどだったし」
「ま、まあそういうこともある。さっさと行くぞ。」
痛いところをつかれたので無視してさっさと進む。かごいっぱいに入った食材をレジ袋二つに入れる。これはこれで考えなければならない。バイトのスキルもカンストしている俺からすれば全然なんだけど。
『よし、じゃあまず第一の特訓。この荷物をレジ袋2つにきれいに入れろ。無理やりじゃ駄目だし後ろから終わった人が来るからあせる。今回は二人がかりでやってみろ』
俺がやっても何の意味も無いので二人にやらせる。別にめんどくさいわけじゃないんだからね☆いやほんとにめんどくさいわけじゃない。
「はい、承りました師匠。私、八街町、全力でやらせていただきます。」
『頑張ってくれ』
ちょっとこれはやばいなぁ、と思いながらもさっさとやらせる。とはいえ北風原にもこれくらいは出来るのか八街にやらせていた。途中までは北風原の見込みどおりにおいていったため北風原も笑顔だったのだが途中から八街は、失敗していき土壺にはまってしまった。そこで北風原へとバトンタッチすることになった。
「師匠・・・申し訳ございません」
『まあ、最初はしょうがない』
俺のモットーは、ぬるま湯に入れてから電気ショックなので今は甘やかしておく。続く北風原は一度入れなおす。途中までは笑顔だったが自分の思い通りにやっているのに上手くいかなくてだんだん笑顔が無くなっていく。これで北風原も分かっただろう。自分が如何に不完全なのかを。
「な・・・・どうして」
『計算とか空間認識とかそういうのじゃ出来ないんだよ。大抵そういうのは誤差を大まかに考えるからな。だから実際に何回も経験をつむ。そうすると一気に計算能力は高まるんだ。頭の切れもよくなるしな』
「なるほど。師匠、流石です」
さっきまでの八街との違いが大きすぎてちょっとショックなのだがとりあえず無視しておこう。過去を振り返るな。もう嫌だ・・・・。
『じゃあ見本を見せてやるから』
そうメールを打って袋と荷物を受け取る。わざわざ入れ替えるのも面倒なので袋の中で入れ替える。頭の中に構築される空間。こういった作業は必要だったので無茶苦茶得意だ。見る見るうちにきれいに積まれていった。
「すごいです。師匠・・・」
「・・・悔しいわね」
悔しそうに歯噛みする北風原を横目に俺は入れ終わった袋をもって歩いていく。その後ろに二人がついてきた。何かこれって変な感じだな。


最強に俺とて力が異常なほどに強いわけではない。そこまでチートキャラではない。むしろ俺自身が小さいということを考えればすぐ分かるのだが俺は結構力が無い。それでも普通の高校生の数倍は力があるし腹筋だって割れるレベルではある。なのでまあ、これぐらいの荷物は、重いというほどではないのだがそれでも疲れるというかめんどくさいというかそのレベルではあるわけだ。制服動きにくい。そして何よりこの状態のままだとスマホをもてない。そのため八街とは話せないのである。俺としては一向に構わないのだが八街が話しかけてくるのを無視するのは嫌だ。声が癒される。
「し、師匠?そろそろですか?」
「あ、え・・・・・・そろそろだけど」
流石の俺も戸惑う。何せ食材を買いすぎた。スマホを出せるわけも無い。だがまあ、もうほとんど目の前だし問題もないだろう。
「ついた。ここだから」
『八街さん、ここのようよ』
北風原も気を利かせて通訳してくれた。気が利くじゃないか。鍵をギリギリとって扉をあけて二人を先に入れる。これがまあレディーファーストというやつだ。気にしてなかったけど。ナチュラルというよりかは俺、誰かに後ろに立たれるのが嫌なんだよね。ちょっと気持ち悪いし。

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