嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~
相談
ペンは剣より強し。これは、マララユスフザイさんが国連演説スピーチによって改めて広く知られた言葉である。よく詩や本を書くものはそんな言葉を使うし報道の自由を示したものなのだといってよく使われる場合も多い。しかし世界とはやはり腐っていてペンの力、文字の力なんてたかが知れていてむしろ俺なんかの発言は、どんなに的を射ていたとしても注目しないだろう。そもそもこの言葉はデモなどの暴動でさえ逮捕状や処刑命令書を書いてしまえばすぐに潰せるという意味をもっている。権力の乱用である。強きものにしか強さは与えられない。これが世界の真理だ。それは学校でさえ変わらない。既に3日も経てばクラスのカーストは作られる。しかしまだ不安定で少しのことでグループが破綻する。そんな状態で八街を導入するのは正直言ってきつい。八街もクラスの奴らもどちらも傷つく。傷つけば人の痛みを知ることが出来るなんていうがそんなのは嘘だ。傷ついて犠牲なっても構わないのだと自分を慰める為の嘘でしかない。本当は傷なんてつかないほうがいいのだ。傷の無いりんごをみれば自然と食欲がわくし傷んだりんごをみると自然と食欲が消えうせる。傷ついた心は修復するのも面倒だしトラウマはライオンにだって勝ってしまう。それでも八街が話したいというのならばしょうがない。傷つくしかない。その上で救ってやるだけだ。
『それで、どうする?』
「何か作戦を考えるんですよね?」
『ええ。けれど極論を言ってしまえば努力しかないのよ。だから私としても困ってしまう部分だわ。猫実君は何かある?』
『努力あるのみ、だな。努力の仕方は人それぞれだけど問題はどうやって聞こえないことを打ち消して他のやつと同レベルのコミュ力を手に入れるかだな。』
耳が聞こえないというのは、コミュニケーションの点において最も不利となる。例えば目が見えなくてもコミュニケーションならば表情を読み取れないだけですむ。けれど耳が聞こえない場合表情しか確認できない。言葉を書かせたり手話をさせたりすればいいのだが子供の世界って言うのは普通よりもより一層腐っていて嫌ならばすぐに嫌というやつばかりだ。手話、筆談を頼んでもめんどいの一言で拒否られてしまう。
『俺の友達にも目が見えない奴がいる。そいつは耳は聞こえるんだけどかなりコミュニケーションは上手い。どうだ?そいつのことを話してやろうか?相談に乗ってたりしたからそいつの話ぐらいはできるぞ』
「お願いします」
八街の頼みを聞き入れてさっさと文字を入力していく。怒涛の速さだがそれでも限界がある。1,2分待たせてしまうぐらいの文量にはどうしてもなる。俺がさっさと入力していると北風原は読書を始め八街は大人しく待っていた。
数分経った。俺は入力し終わって流石に文量が多いこともあって疲れたがとりあえず二人に送信する。
『俺の友達。S君と仮定する。S君は昔、目が見えていてその頃から結構コミュニケーションが上手かったそうだ。大人とも上手く関われていて親にも期待されていた。でもある日そいつは親と喧嘩して殴られたそうだ。それまでもストレスで色々目に異常が起きていたらしいんだがとうとうそのビンタによって目が見えなくなった。それからは、予想できるようにコミュニケーションが難しくて例えば歩く時でさえ集中力がいた。少しでも異常な行動をすればばれてしまう。それこそ八街が懸念をもっているようにS君もばれたら阻害されてしまうんじゃないかと思い一生懸命隠したそうだ。小学校の頃はとりあえずもともとのグループから出ないことでどうにかなったそうだ。慣れた頃には話しかけたりもした。ただ、教師にもその事実を言わなかった。言ってしまうと考慮されてしまうからだ。かといってテストの点数が悪ければ馬鹿にされるし親だって教師に言ったほうがいいのかと思ってしまう。だから耳を鍛えて感覚を鍛えた。要するに消えた視覚以外の五感を鍛えたんだな。無くなったものをあるもので補う方式。そいつは周りの奴らのテスト中の手の動きを振動で感じて問題を理解した。学力には自信があったそうで答えまでは写さなかったらしい。そんな感じで中学校にまで行ったんだけど知らない人ばかりの中学に入ったので関係を作り直す必要があった。けどS君は違った。全ての位置情報を暗記して歩数でカウントした。完全に同じ距離で歩くように練習してものを判断する為に嗅覚も鍛えた。同級生とか一度会った人の匂いや声は完全に覚えて名前と一致させた。そんな感じで頑張ったらしい』
そこまで読み終えたのか北風原が顔を上げる。そして若干俺を睨む。何で睨まれたん?俺の文章力に驚いた感じかね?
「なるほど・・・。猫実君、有難うございます」
『感謝なら俺と仲良くしてくれたS君に言ってやれ』
『それで?何を参考にすればいいのかしら。かなり勝手が違うけれど』
「あー・・・。どうでしょう。分からないです」
『そうか?同じだと思うけど』
「どういうことですか?」
俺がそうぼやくと八街は聞いてきた。いやどういうことって言われてもそのまんまなんだけど。とりあえず説明してやるか。
『いやまあ、簡単に言えば天は人の上に人を作らないってことだ』
俺が福沢諭吉さんの超絶な名言を交えてそういうのだが残念。理解していただけないようだ。学問のすすめって結構メジャーな奴だと思うんだけどなぁ。
「・・・・・・・」
『なんだよ。学問のすすめ、知らないのか?』
「いやそうじゃないんですけど・・」
「意味が分からないらしいわ。」
メールするのをやめて北風原がイライラとした口調で言ってくるのでまるで俺が悪いかのように感じてしまう。何故であろうか。この間、八街が泣いた時と同じレベルの気まずさ。これ来ましたね。いや、ほんとに危ない危ない、死んでしまいそう。
『いや、だからどんな状況であっても努力して上に這い上がるしかないってことだよ。わざわざ解説するとかダサすぎるだろうが。』
ほんとに恥ずかしい。けどこれで・・・
「天は人の上に人を作らずってそう意味なんですか?」
『まあ、確かにそういう意味だけれど広く知られているのはその意味ではなくて人は皆、平等という意味で誤用されているわけだしそれを説明で使う時点で自分の頭の良さアピールをメインとしている事は間違いないわね。』
『ちょっと待て。何だその、人は皆、平等とか言う意味。そんなの聞いたこと無いぞ。』
「え?」
『え?』
いやいやそんな意味聞いたことが無い。全く何を言っているのだろうか。俺がおかしいの?でも俺が正しい意味だったわけだしそれ考えたら俺はおかしくないでしょ?
『それで、どうする?』
「何か作戦を考えるんですよね?」
『ええ。けれど極論を言ってしまえば努力しかないのよ。だから私としても困ってしまう部分だわ。猫実君は何かある?』
『努力あるのみ、だな。努力の仕方は人それぞれだけど問題はどうやって聞こえないことを打ち消して他のやつと同レベルのコミュ力を手に入れるかだな。』
耳が聞こえないというのは、コミュニケーションの点において最も不利となる。例えば目が見えなくてもコミュニケーションならば表情を読み取れないだけですむ。けれど耳が聞こえない場合表情しか確認できない。言葉を書かせたり手話をさせたりすればいいのだが子供の世界って言うのは普通よりもより一層腐っていて嫌ならばすぐに嫌というやつばかりだ。手話、筆談を頼んでもめんどいの一言で拒否られてしまう。
『俺の友達にも目が見えない奴がいる。そいつは耳は聞こえるんだけどかなりコミュニケーションは上手い。どうだ?そいつのことを話してやろうか?相談に乗ってたりしたからそいつの話ぐらいはできるぞ』
「お願いします」
八街の頼みを聞き入れてさっさと文字を入力していく。怒涛の速さだがそれでも限界がある。1,2分待たせてしまうぐらいの文量にはどうしてもなる。俺がさっさと入力していると北風原は読書を始め八街は大人しく待っていた。
数分経った。俺は入力し終わって流石に文量が多いこともあって疲れたがとりあえず二人に送信する。
『俺の友達。S君と仮定する。S君は昔、目が見えていてその頃から結構コミュニケーションが上手かったそうだ。大人とも上手く関われていて親にも期待されていた。でもある日そいつは親と喧嘩して殴られたそうだ。それまでもストレスで色々目に異常が起きていたらしいんだがとうとうそのビンタによって目が見えなくなった。それからは、予想できるようにコミュニケーションが難しくて例えば歩く時でさえ集中力がいた。少しでも異常な行動をすればばれてしまう。それこそ八街が懸念をもっているようにS君もばれたら阻害されてしまうんじゃないかと思い一生懸命隠したそうだ。小学校の頃はとりあえずもともとのグループから出ないことでどうにかなったそうだ。慣れた頃には話しかけたりもした。ただ、教師にもその事実を言わなかった。言ってしまうと考慮されてしまうからだ。かといってテストの点数が悪ければ馬鹿にされるし親だって教師に言ったほうがいいのかと思ってしまう。だから耳を鍛えて感覚を鍛えた。要するに消えた視覚以外の五感を鍛えたんだな。無くなったものをあるもので補う方式。そいつは周りの奴らのテスト中の手の動きを振動で感じて問題を理解した。学力には自信があったそうで答えまでは写さなかったらしい。そんな感じで中学校にまで行ったんだけど知らない人ばかりの中学に入ったので関係を作り直す必要があった。けどS君は違った。全ての位置情報を暗記して歩数でカウントした。完全に同じ距離で歩くように練習してものを判断する為に嗅覚も鍛えた。同級生とか一度会った人の匂いや声は完全に覚えて名前と一致させた。そんな感じで頑張ったらしい』
そこまで読み終えたのか北風原が顔を上げる。そして若干俺を睨む。何で睨まれたん?俺の文章力に驚いた感じかね?
「なるほど・・・。猫実君、有難うございます」
『感謝なら俺と仲良くしてくれたS君に言ってやれ』
『それで?何を参考にすればいいのかしら。かなり勝手が違うけれど』
「あー・・・。どうでしょう。分からないです」
『そうか?同じだと思うけど』
「どういうことですか?」
俺がそうぼやくと八街は聞いてきた。いやどういうことって言われてもそのまんまなんだけど。とりあえず説明してやるか。
『いやまあ、簡単に言えば天は人の上に人を作らないってことだ』
俺が福沢諭吉さんの超絶な名言を交えてそういうのだが残念。理解していただけないようだ。学問のすすめって結構メジャーな奴だと思うんだけどなぁ。
「・・・・・・・」
『なんだよ。学問のすすめ、知らないのか?』
「いやそうじゃないんですけど・・」
「意味が分からないらしいわ。」
メールするのをやめて北風原がイライラとした口調で言ってくるのでまるで俺が悪いかのように感じてしまう。何故であろうか。この間、八街が泣いた時と同じレベルの気まずさ。これ来ましたね。いや、ほんとに危ない危ない、死んでしまいそう。
『いや、だからどんな状況であっても努力して上に這い上がるしかないってことだよ。わざわざ解説するとかダサすぎるだろうが。』
ほんとに恥ずかしい。けどこれで・・・
「天は人の上に人を作らずってそう意味なんですか?」
『まあ、確かにそういう意味だけれど広く知られているのはその意味ではなくて人は皆、平等という意味で誤用されているわけだしそれを説明で使う時点で自分の頭の良さアピールをメインとしている事は間違いないわね。』
『ちょっと待て。何だその、人は皆、平等とか言う意味。そんなの聞いたこと無いぞ。』
「え?」
『え?』
いやいやそんな意味聞いたことが無い。全く何を言っているのだろうか。俺がおかしいの?でも俺が正しい意味だったわけだしそれ考えたら俺はおかしくないでしょ?
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