嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~

黒虱十航

向かうところ敵なし

俺は、家につき自分の部屋に戻ってベッドに倒れこんだ。最近はいつもこうだ。高校入学からずっとベッドに倒れこむほどに疲労している。全くその程度の小さな変化でここまで大きく変わってしまう自分がとても情けないし馬鹿馬鹿しい。ふと、そんなことを考えているとどたばたとやたら五月蝿い音が聞こえた。まあこの音が何なのか分かってはいる。おとう・・・・・じゃなくて妹の拓を可愛がっているんだろう。しばらくは母さんもおもりするらしいけど結局俺たちが帰ってきたら任せるってメールで届いてた。それぐらい口で言えばいいと思うだろ?違うんだよ。俺レベルに可愛がられると俺の時間を奪うのが可哀想だと思い余計な手間をかけないようにしてくれるのだよ。どうだ?これで養ってもらえるの決定じゃん。証明完了。
「お兄ちゃん。ごはん」
「お前はそればっかだな。少しは自分で作れるように」
「だってめんどくさいじゃん。そんな手間かけるぐらいならおにいちゃんを使ったほうが絶対早いし。あ、そうそうお兄ちゃん。この間言ってた声優さんっていうのがさ。何か二人いるんだって。一人は結構目立ってるんだけどもう一人は全然影薄くてさ。お兄ちゃん知ってる?」
急にそんなことを言ってきた。こいつは俺がアニメ好きであることを知っている。その証拠に今日帰って来たら俺が人気投票のためのはがきを買っておかないととか話していたおかげかかなりの枚数のはがきが机においてあった。そういうところはやっぱり優しい。まあ、そのくせしてこういう食い意地がはってる部分はイライラするけれど。
「・・・二人?そうか。まあいい。さっさと作るぞ」
「はーい」
二人も声優がいるとかうちの学校はくるってるだろ。全く。まあ、そのうち片方は俺が会いたかった八田町だったわけなのだが。べちゃくちゃと喋る春の声をきれいに聞き流して料理を作る。第3子ということもあって完全にミルクも粉ミルクで済ませることになっている拓の分の粉ミルクを作りながら俺たち2人分の食事を作る。その間にも何度か春が放しかけてくるが気が散るので完全に無視。俺が世界を見限ってしばらくして春も俺の変化に気付いた。それからも俺は春に真実を話すことは無かった。俺が自分を偽っていたこと、きれいに世界を極めきったこと。それらを話すことも無くて唯一納得させる為に「疲れた」などとだけ言っておいた。
「そうだ。お兄ちゃんなんか作文の奴に選ばれたんだってね。さっき誉田先生から電話が来たよ~~。お母さんも頑張ってって~~」
「まあ、言われなくても・・ってちょっと待て。何故誉田先生からそんな情報が流れるんだ?どんな連絡経路なんだよ。マジで意味が分からない」
「え?言ってなかったっけ?」
「何を言ってなかったんだよ」
「お母さんが誉田先生と仲良くて結構春もあってるんだよ。ほら、ゲームとかの話題で盛り上がれるしね。お兄ちゃんがやってたライデイとかいうのあったじゃん?あれで先生ランキング、入ってるんだって。」
「いやそれはどうでもいいんだけど」
本当に意味が分からない。何故?何故先生と仲いいの?むしろこれって俺の今後の予定とかまで全部掴まれてる感じなんじゃない?やばいってほんとに。何がやばいって俺の行く末が不安すぎる。
「まぁ、それはいい。さっさと食え」
完成したチャーハンを盛ってテーブルにおく。すると元気な声でいっただぁきますぅ、とけだるげに声を出してから食べ始める。そのがっつき具合はほんとに素晴らしい。こういうのをみていると俺的にもうれしくなってくる。しばらくして食べ終わり俺は一人、洗い物をする。それが終わって俺は部屋に戻りいつものように小説とレート戦を始める。作文を書かなければならないのだがそんなのは二の次である。マジで今日もいろんなことが多すぎた。この数日の内容が濃すぎるのだ。全くもってこんな腐りきった世界で俺がここまでやってやる必要がわからない。まあ、第二図書室もきれいになったし血の匂いから考えても事件がほんとにあったのだろうとも予想できるし得る情報もあったからいいだろう。けれどももうあの二人と会話する事は無い。


いつもよりレート戦のレベルが上がってきていてNEKOMIであることが分かるとすぐに特攻に出てくる。それも当然だろう。今は俺がレート一位。その日に公式が決定する回数しか出来ない為一度超えてしまえばそこからも負けない限りレートをキープすることが出来る。今日も後一戦という所でフレンド申請が届いた。ID検索によって申請してきたものらしいのだ。こういう事はよくあるんだけれど今回ばかりは勝手が違った。KAMOからのフレンド申請。おそらく昨日対戦したときにIDを覚えたのだろう。例えばここで断っても誰も分からないからいいのだ。けれどもフレンドになれば対戦が出来る。という事は、おそらくリベンジということであろう。リベンジを断るのは気がひける。KAMOのプレイングスタイル自体は嫌いだし感情をゲームにぶつけるのは納得いかない。けれども奴の技術は確かだ。
「まぁ、いいか」
とりあえず快くフレンド申請を受けて最後のレート戦に挑み難なく勝利する。そしてそれから数分してレート戦の時間が終わる。すると画面に「フレンドから対戦申請が来ています」という文字が表示される。言わずもがなKAMOからである。昨日やってみてギリギリだったのも確かだけれどそれでも翌日にリベンジを申し込んでくるというのはそれほどまでに自分の実力に自信があるようだ。けれど俺は昨日より心の平穏が保たれている。今ならギリギリに追い詰められる前に倒せる。脳が加速するあの快感を求めながら俺は了承ボタンを押して対戦画面に切り替わる。そして10・9・8・7とカウントがされていく。これが0になりスタートと表示されたら始まりだ。


スタート、という文字が表示されてすぐに脳が急加速する。すぐにKAMOは攻撃に出る様子は無くその点はかなり冷静なようだ。相手も俺と同じように冷静な状態で挑んできている、ということだ。相手側にも俺と同じようにストレスが蓄積されていたのかもしれない。何せ相手は社会人かもしれないのだ。社畜と言うほどでない事は、毎日きっちり回数制限分はやっているために分かるのだがそれでも仕事というのはストレスがつきものだ。だからそういう日もあるのだろう。KAMOがタイミングを見計らって打ってきた攻撃を律儀によける。しかしカウンター対策はしてあってこちらの攻撃も通じない。今朝のライデイニュースという公式が作っているメルマガでは俺とKAMOの対戦ぶりが表示されていた。それの中で俺のやった技も説明された為もう、あの技のトリックぐらいは見破ってきているだろう。けれどもそれ以外にもこちらには回避能力という武器がある。それこそ踊るようなゆらゆらとした動きで全攻撃を回避して毎回同じようにカウンターを狙うがそれも回避される。一見硬直状態かのようにも感じられるがそれは違う。少しずつお互いの行動スピードは上がっていて俺の脳も加速する。これをやっているとさっきまでの考え事も一気に消え去って完全なラッシュが始まる。今回はフレンド対戦なので観客もいない。お互い何かこの後のことを考えて戸惑うことも無い。最強決定戦と同義のこの対戦に手を抜くはずが無い。そう思っているとKAMOは必殺技を使ってきた。その様子をみて欠かさず俺も同じ必殺を使う。お互いに攻撃を当てあい相殺される。が、俺にはキャンセルもある。キャンセルを生かして攻撃を仕掛けようと思ったそのとき。KAMOもまたキャンセルを使ってきた。まあ、それも回避行動だけでそれぐらいなら少し考えればできるものなのだが。それはつまりまだKAMOは俺と同じステージに立っていないということで結局俺に敵う奴なんかいないということなのだ。結局今日は半分削られることも無く勝利した。

「嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く