嫌悪感マックスな青春~マジでお前ら近づくな~
道具
第二図書室の壁紙が張り終わり俺達は第二図書室にいる意味を失った。けれどもそれから十分ほどぴりぴりとした空気の中で俺達は読書をしていた。正直言って俺はここにいる意味も無いので帰ってアニメを見たいのだが何せ、八街が気まずげに図書室にいるのだ。何か置き去りにするのも悪いしそうしたら俺もここにいるしかないであろう。それにしても何故こんなにも気まずい空気管の中ラノベを読まなきゃいけないのだろうか。こんな環境じゃ一人でほくそ笑むことさえ出来ないではないか。
「なあ、この後なんかやることでもあるのか?」
「何を期待しているの?やることなんかあるわけ無いじゃない。あなたはもてないし私のような完璧な美少女をみれば確かに期待してしまうのは分かるけれどかなり気持ち悪いからやめたほうがいいわよ」
「うるせぇ。お前、八街さんがいるのにそんなこと言っていいのかよ?キャラが崩壊して困るのは自分じゃねえのかよ。責任取らねぇぞ」
全く大丈夫なのだろうか。俺だって心の中で告られた時「うぜぇな」と思うときはあってもそれを声には出さなかったぞ。当然か。
「大丈夫。顔は変えていないから」
「流石だな。その辺はまだ、流石か。だがちょっと表情の使いこなしが甘いな。口角の上げ方がまだまだ不自然だ。」
「何を言っているの?あなたごときが表情について語らないでもらえる?非常に不快だわ。人のことを言う前に自分の気持ち悪い表情を直したら?」
その言葉を聞いてついつい努力した甲斐があったと思いほくそ笑んでしまう。表情を俺の次に使いこなしているであろう北風原にばれないほどの自然な気持ち悪い表情。流石に俺の努力が実ったというわけだしもう、俺以上に表情を使いこなす奴はいないだろう。そんなことよりも帰っていいのか聞かなければ。
「そうじゃない。さっさと帰りたいんだよ」
「ああ、だったら帰っていいわよ。八街さんにも伝えて」
「おう了解」
俺はその頼みを聞きうけてメモに帰っていいという趣旨の分を書いて八街に見せる。すると八街もうむうむと首を縦に振った。
「じゃあ、北風原さん。また明日よろしくお願いします」
「え?明日・・・・・・分かったわ」
「いやだから口で言ってもだめだって」
「そう。じゃあ伝えておいて。私、文字書くのが嫌いだから。」
何とも私的な理由で受けた頼みを果たしながら俺は帰り支度をする。それは八街も同じようで帰り支度と第二図書室にあった本を戻す。
「お前は帰んないのか?」
「ちょうどいいところなのよ。あなたが邪魔していいタイミングではないわ。即刻出ていきなさい。」
「はいはい。よし行くぞ」
空返事をしてから八街と共に部屋を出る。さっきまで若干ぴりぴりしていた空間にいたせいか廊下が一気に心地よい場所のように感じてしまう。けれどもすぐに新しい問題に気付く。俺、昔、道具として利用した奴と二人きりだ。やばい・・・これ気まずい。
「あの・・・猫実君」
「あ、えっと・・・・・・どうした?」
この程度の文を文字にするのはめんどくさいので仕草と表情で尋ねる。因みに耳が聞こえないのを忘れてて死にたくなるくらいショックだったのは内緒。それにしてもいい声だなぁ。流石、期待の新人声優、八田町さんだけあるぜ。まあそれはいい。
「今日、一緒に帰れたりしませんか?」
「は?」
一緒に帰らないか?という問い。急な問いだったがために俺もフリーズする。俺がリア充だったころには一緒に帰るだなんて何の変哲も無いようなことで今の俺もそう思う。けれども今回ばかりは事情が違う。俺が人生で唯一と言ってもいいほどの少ない失敗の象徴である八街町。彼女と一緒に帰ってそれで何を話すべきなのか、ましては耳が聞こえないことに気付いてすらいなかった、関心すら持たなかった俺に何の用があるのか。それが分からなかったしあこがれて会いたいと思っていた八田町が俺の失敗によって生まれた一人であることを思ってしまうととてもショックで仕方が無い。
一緒に帰ることを承諾した内容のメモを見せて俺は八街と一緒に廊下を歩き出す。とはいえ結局どちらも話しかけることが無く正門までついてしまった。八街の家のほうまで行っていいのだろうか?どちらが和歌知らないけれど何かしら話があるならばついていった方がいいのかもしれない。そう考えて戸惑っていると不意に八街が口を開いた。
「あの猫実君」
「何だ?」
またしても忘れていてナチュラルに口だけで言ってしまう。しかし首をかしげたりしたのでギリギリ伝わったかと思います。泣いてないよ。
「あの・・・中学生のときはごめんなさい」
「は?」
つい予想だにもしなかった言葉に驚きを隠せない。実際その話になる事は分かっていた。あの頃からあまり変わっていないしそうしたらあのときのことを責められたり問い詰められたりするんではないかと思っていた。けれど彼女は謝った。その意味を理解する事は出来た。けれどそれは俺を好いた八街がやはり俺の本質を理解していなかったのだと感じてしまいむなしくなる。俺雅理解されるはずない。俺を理解してしまってはいけないのだ。そう分かってはいてもそれでも俺の目的を理解していないことはショックだ。あの話はもうやめようぜ。という文面を書いて渡す。それと共に俺は立ち去る。これ以上こいつと居てはいけない。俺は決めたのだ。こんな腐った世界の住人達と馴れ合うつもりは無いのだ。そんなことを思いながら周りの景色を見る事も無く家まで早歩きで歩いた。
それからずっと考えていた。何故先生は俺を北風原と引き合わせたのか。北風原は何故俺のような生き方をするのか。理解しがたい。俺のような生き方をするなんて愚かなこと俺以外にしなくて良いし俺以下の人間達に俺のような生き方が出来るはずが無い。結局北風原だって俺の目から見れば中途半端な人間だ。あんな演技演技した振舞い方で騙されるほかの奴らも気持ち悪い。やはり、俺の見限った世界は見限りに値するということなのだ。俺が心配する必要もない。
「なあ、この後なんかやることでもあるのか?」
「何を期待しているの?やることなんかあるわけ無いじゃない。あなたはもてないし私のような完璧な美少女をみれば確かに期待してしまうのは分かるけれどかなり気持ち悪いからやめたほうがいいわよ」
「うるせぇ。お前、八街さんがいるのにそんなこと言っていいのかよ?キャラが崩壊して困るのは自分じゃねえのかよ。責任取らねぇぞ」
全く大丈夫なのだろうか。俺だって心の中で告られた時「うぜぇな」と思うときはあってもそれを声には出さなかったぞ。当然か。
「大丈夫。顔は変えていないから」
「流石だな。その辺はまだ、流石か。だがちょっと表情の使いこなしが甘いな。口角の上げ方がまだまだ不自然だ。」
「何を言っているの?あなたごときが表情について語らないでもらえる?非常に不快だわ。人のことを言う前に自分の気持ち悪い表情を直したら?」
その言葉を聞いてついつい努力した甲斐があったと思いほくそ笑んでしまう。表情を俺の次に使いこなしているであろう北風原にばれないほどの自然な気持ち悪い表情。流石に俺の努力が実ったというわけだしもう、俺以上に表情を使いこなす奴はいないだろう。そんなことよりも帰っていいのか聞かなければ。
「そうじゃない。さっさと帰りたいんだよ」
「ああ、だったら帰っていいわよ。八街さんにも伝えて」
「おう了解」
俺はその頼みを聞きうけてメモに帰っていいという趣旨の分を書いて八街に見せる。すると八街もうむうむと首を縦に振った。
「じゃあ、北風原さん。また明日よろしくお願いします」
「え?明日・・・・・・分かったわ」
「いやだから口で言ってもだめだって」
「そう。じゃあ伝えておいて。私、文字書くのが嫌いだから。」
何とも私的な理由で受けた頼みを果たしながら俺は帰り支度をする。それは八街も同じようで帰り支度と第二図書室にあった本を戻す。
「お前は帰んないのか?」
「ちょうどいいところなのよ。あなたが邪魔していいタイミングではないわ。即刻出ていきなさい。」
「はいはい。よし行くぞ」
空返事をしてから八街と共に部屋を出る。さっきまで若干ぴりぴりしていた空間にいたせいか廊下が一気に心地よい場所のように感じてしまう。けれどもすぐに新しい問題に気付く。俺、昔、道具として利用した奴と二人きりだ。やばい・・・これ気まずい。
「あの・・・猫実君」
「あ、えっと・・・・・・どうした?」
この程度の文を文字にするのはめんどくさいので仕草と表情で尋ねる。因みに耳が聞こえないのを忘れてて死にたくなるくらいショックだったのは内緒。それにしてもいい声だなぁ。流石、期待の新人声優、八田町さんだけあるぜ。まあそれはいい。
「今日、一緒に帰れたりしませんか?」
「は?」
一緒に帰らないか?という問い。急な問いだったがために俺もフリーズする。俺がリア充だったころには一緒に帰るだなんて何の変哲も無いようなことで今の俺もそう思う。けれども今回ばかりは事情が違う。俺が人生で唯一と言ってもいいほどの少ない失敗の象徴である八街町。彼女と一緒に帰ってそれで何を話すべきなのか、ましては耳が聞こえないことに気付いてすらいなかった、関心すら持たなかった俺に何の用があるのか。それが分からなかったしあこがれて会いたいと思っていた八田町が俺の失敗によって生まれた一人であることを思ってしまうととてもショックで仕方が無い。
一緒に帰ることを承諾した内容のメモを見せて俺は八街と一緒に廊下を歩き出す。とはいえ結局どちらも話しかけることが無く正門までついてしまった。八街の家のほうまで行っていいのだろうか?どちらが和歌知らないけれど何かしら話があるならばついていった方がいいのかもしれない。そう考えて戸惑っていると不意に八街が口を開いた。
「あの猫実君」
「何だ?」
またしても忘れていてナチュラルに口だけで言ってしまう。しかし首をかしげたりしたのでギリギリ伝わったかと思います。泣いてないよ。
「あの・・・中学生のときはごめんなさい」
「は?」
つい予想だにもしなかった言葉に驚きを隠せない。実際その話になる事は分かっていた。あの頃からあまり変わっていないしそうしたらあのときのことを責められたり問い詰められたりするんではないかと思っていた。けれど彼女は謝った。その意味を理解する事は出来た。けれどそれは俺を好いた八街がやはり俺の本質を理解していなかったのだと感じてしまいむなしくなる。俺雅理解されるはずない。俺を理解してしまってはいけないのだ。そう分かってはいてもそれでも俺の目的を理解していないことはショックだ。あの話はもうやめようぜ。という文面を書いて渡す。それと共に俺は立ち去る。これ以上こいつと居てはいけない。俺は決めたのだ。こんな腐った世界の住人達と馴れ合うつもりは無いのだ。そんなことを思いながら周りの景色を見る事も無く家まで早歩きで歩いた。
それからずっと考えていた。何故先生は俺を北風原と引き合わせたのか。北風原は何故俺のような生き方をするのか。理解しがたい。俺のような生き方をするなんて愚かなこと俺以外にしなくて良いし俺以下の人間達に俺のような生き方が出来るはずが無い。結局北風原だって俺の目から見れば中途半端な人間だ。あんな演技演技した振舞い方で騙されるほかの奴らも気持ち悪い。やはり、俺の見限った世界は見限りに値するということなのだ。俺が心配する必要もない。
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