どういうわけかDS〈男子小学生〉の俺は、高難易度青春ラブコメに挑んでいる。

黒虱十航

短いエピローグを考える奴には二種類いる。優れてる奴とゴミみたいな奴。作者は後者。

「いやぁ、申し訳なかった。迷惑をかけたと思ってるよ」
「いえ、いいんですよ、別にあなたが悪いわけじゃないですし。あ、いやあなたも十二分に悪いですけどね」
 数日後、エロスはようやくこっちに現れ、部室まで向かう道のり、俺とエロスはアガペーの一軒について話していた。そういえば、いつの間にかエロスに統一しちゃったな、このニート社畜女神の呼び名。
 まあいいだろう。どっちにしたってもうエンディングだ。
「そうだなぁ。今回は、本当に悪かった。神のいざこざに巻き込んじゃってね。いやぁ本当に面倒臭いよ。働きたくないなぁって改めて思った」
「あなたが働かないとヤバイことになるでしょう? この世界の歪みもとりあえず取り除けましたし、これ以降は別に顔を出さなくてもって感じですから」
 言うと、エロスは眠そうな目でふわぁぁと欠伸をしながら笑った。いや、欠伸するのか笑うのかどっちにしろよ。どんだけ忙しいんだよ、まったく。
 そういえば、歪み云々で思い出したことがあった。これを訊いておかないとすっきりしないので、念のため訊いておくことにした。
「そういや、あなた、外面のことに関しては俺の行動によって生じたものって言ってたじゃないですか」
「ああ、うん。言ったね」
 目をこすりながら、ゆっくりと即答してきた。本当にさっきからうとうとしてるんで、上の人は是非、この神に休みをあげてほしい。不憫すぎる。
「あれ、間違ってましたよ多分。外面も、内面も全部アガペーがあいつに力を与えたのがいけなかったっぽいです」
 言った瞬間、エロスの顔がぐしゃぐしゃになった。やっちまった、と言わんばかりの顔だった。おお、その顔見たかったんだよ。ちょっと、気分がよくなる。神に一矢報いてやった。
「ま、まあな。ただ、ぶっちゃけ君の行動によってシステムに穴が出来て、アガペーが目をつけたんだ。だから、君が悪い」
「そりゃ、酷い言い方ですね。まあいいですよ。とりあえずこれで終わったんですから。全部時効です」
「終わった?」
 部室の前にたどりついた時、社畜系ニート女神が訊いてきた。それを訊いて、俺は部室の扉を開けた。
「よう」
「あ、一幡山君、遅かったじゃん」
「……言霊先生? もしかして、部費増額なんですか?」
 九重と文月が俺を出迎えてくれた。文月が俺じゃなくてエロスの方に着目してるのはあれだから。別に俺が嫌われてるとかじゃないから。仲良き中に礼儀無しのスタンスなだけだから。
「こういうことです。いい感じの日常エンドだと思いませんか? 俺はこのゴール、好きなんですけどね」
 囁くと、エロスはものすごく楽しそうに笑った。その笑みは、決して不快なものではない。この、俺のお気に入りのゴールにぴったりな笑顔だった。
「ああ、そうだな……すっごい面白い。部費、増額してやるよ」
 その言葉によって、この普通じゃない普通の居場所は、更に心地いい場所になった。それは小学生と高校生と高校生と、それから時々神様の面白くて愉快な場所だ。
 これでOKだろ? 誰かを攻略なんてしなくても。高難易度ラブコメだ。日常エンドが一番に決まってる。

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