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会社員(26歳)の俺にJKのストーカーがいるんだが。

伏見キョウ

19.俺とJKと新JK 後編

 一体どこでバレた?
 悠志の頭は疑問でいっぱいになった。
 靴も隠したしリビングに雫のものは一切残していない。
 何も答えず、鈴鹿と目を合わせないでいると「悠志さん?誰かいますよね?」ともう一度聞いてきた。


 「さ、さぁ?なんのことだ。和人は来てないぞ?」


 「そうですね、和人さんは来られてないですよね。まだお店の営業時間内ですし。」


 いつの間に和人のことを調べたんだとツッコミたくなったが耐えておこう。


 「隠したって無駄ですよ?」


 冷や汗が背中をつたう。 
 よくアニメとかドラマで浮気をしたのか問い詰められるシーンがあるがそんな感じだ。
 これ責められる側もなかなかだな……。


 「悠志さん……?」


 「鈴鹿、それはな……」「悠兄、トイレどこだっけー?!雫、おトイレいきたい!!」


 鈴鹿に白状しようとしたら雫がリビングの扉を開けて叫んだ。
 うわぁぁ、何てことだ。今から鈴鹿が怒らないように上手く伝えようとしたのに。


 「雫、俺部屋に鍵かけたよな?なんで出てこれたんだ?!」


 「うん鍵のかかった部屋だったよ。」


 「じゃあ、なんで出れたんだよ!」


 「いや内側から解除できたよ……。」


 あぁそうだった。俺はバカだ。
 もうすぐ鈴鹿が来ることで焦って……。いつもなら使わない部屋を使ったのも。よく考えたら寝室とかでも良かったか。か。あ、寝室だと余計に誤解を与えていたな。


 「悠志さん……?」


 さっきまで俺を冷たい目で見ていた鈴鹿。今は顔が少し青ざめている。


 「あ、すずりん~!鈴鹿ってすずりんのことだったんだ!」


 雫は今鈴鹿に気づいたようでニコニコ笑いながら声をかける。


 「すずりん……?」


 「悠兄も早く言ってよ~!すずりんが彼女って!」


 「いや、そういうのではないです。ただの知人です。」


 いつもなら自分から彼女だと言うあの鈴鹿が冷たく言いはなった。
 和人にさえ、WSJ(デート編参照)で自分から言ったんだぞ。
 少なくとも鈴鹿と雫は学校で知り合っていてあまり相性が良くないことは分かった。
 今、この場を少しでも良くするためには……。


 「雫、トイレは廊下をもう少し進んだところにある。水色の髪の美少女のポスターが目印だ。」


 鈴鹿を見てテンションがかなり上がっている雫をなだめるように頭をポンと叩きトイレの場所を教える。


 「おっけっけー。ありがとー!」


 左手でOKマークを作るとリビングから出ていった。


 「またね、鈴鹿ちゃん。あとでゆっくり聞かせてね。」


 出る際、鈴鹿に少し怪しげな笑みを浮かべていた。




 「一旦座って話すか。」


 「……はい。」


 「もしかして雫って先輩か?」


 鈴鹿にタメ語で話していたけれど、タイの色が違うし3年生だろうか。


 「いえ、彼女は新入生です。数週間前に入ったばかりです。」


 「え、それなのにタメ語?!」


 「彼女は部活は同じく吹奏楽です。ただ恐ろしいぐらい上手くて成績も学年トップ。風紀委員に誘われるぐらい品行方正です。 」


 「うわ、雫のスペックエグいな……。」


 「彼女いわく自分が認めた人にしか敬語を使わないみたいで。先生と一部の3年生にしか使いません。」


 なんとなく鈴鹿の言いたいことは分かる。
 雫はかなり我が強い。まぁ一人っ子で親戚中でも甘やかしていたからだと思うが。


 「あまり良いことではないですが、かなりの噂好きでもあります。」


 「あ、それで俺との関係は知人にしたのか。」


 「えぇ。もしもバレたら学校に話されるかもしれませんし。」


 そう考えると、俺がやってること(JKを家に上げている)ってアウトなの?という疑問ができたが黙っておく。


 「ちなみに悠志さんは雫さんとどういったご関係ですか?」


 すごく不安そうに見てくる。眉毛はハの字に垂れ下がっている。


 「父方のいとこだよ。ここに同居させてほしいって。」


 「え、なんですかそれ……。」


 「自宅から駅までの距離が遠いからってさ。」


 「そ、それでどうされたんですか……?」


 「もちろん断ったよ。これ以上部屋にJKが来たら隣人に不審がられるし。」


 その言葉を聞いてちょっと安心したような、ホッとしたような顔をする鈴鹿。






▼△▼△


 雫のことを話終え、夕飯を食べた鈴鹿はソファで眠ってしまった。
 いつも9時半頃に帰るのでそれまではそっとしておく。


 一波去ったと思い、雫のいる防音室に入る。


 「悪い雫、待たせちまって。」


 部屋を開けるとフルートを吹いていた雫がこちらを向く。


 「時間的には全然セーフだよ。」


 雫が壁にかかっている時計を見て答えたので、同じように見るとまだ8時過ぎたばかりだった。


 「あ、あとね。お父さんがここの駐車場まで迎え来てくれたからそろそろ帰るね。」


 「叔父さん来てくれたのか。」


 「ほんとは悠兄の運転で帰りたかったけどね。」


 残念そうに笑いながらフルートを片付ける雫。


 「気が向いたらな。」


 「気が向くのに何年かかるかな~?」


 「は、どう言うことだよ?」


 「悠兄さ、鈴鹿ちゃんのこと好きでしょ~?」


 雫は意地悪そうににやっと笑った。






 その後は雫の高校生活について聞かされたりして駐車場まで送り届けた。


 叔父さんの車に乗り込んだ雫は窓を開けると俺を呼び寄せた。


 「悠兄、悠兄」


 「ん? 」


 「私、先輩がライバルでも諦めないからね?」


 「お、おう?」


 いまいち何をいっているか分からなかったが返事しておいた。






 数年ぶりにちゃんと会話したので疲れた……。
 雫の乗った車を見送りながら息をはく。
 車の窓からは雫が手を降っている。
 まだ4月とはいえ夜は冷える。部屋着で出てきたことを後悔した。
 雫を乗せた車が見えなくなってから悠志は部屋に戻った。




















 

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