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会社員(26歳)の俺にJKのストーカーがいるんだが。

伏見キョウ

16.俺と後輩と研修 △JKもちゃんとでるよ▼



 「新入社員の研修担当ですか?」


 4月になれば新入社員は入ってくる。
 うちの会社は全体で100人弱だろうか。グループ会社も入れるとかなりの人数でグループ全体でやる入社式はテレビで取り上げられる程だ。


 始業のあと課長に大川千尋と共に呼び出された悠志。
 課長いわく千尋も途中入社だ。研修を通して自分の仕事の役割を改めて学んで欲しいらしい。


 「永江くんももう入って4,5年ぐらいでしょ?そろそろ教える立場になって新しい力を育てよう!」


 「は、はぁ……。」


 「大川さんには永江くんのサポートね。新渡ちゃんはサポート嫌がっちゃって……。」
 

 「私に出来ることでしたら頑張ります!」


 「よーしその意気だよ。じゃあ午後から研修施設から戻ってくる子達に社内案内よろしくね。」


 うちの会社は中卒、高卒、専門卒、大卒……なんでも採用する。研修施設での研修期間や最初の担当部署はやはり学歴により異なる。中卒や高卒は長い時間をかけて成長させ、大卒は即戦力にしている。
 もちろん、社内での活躍ぶりが評価されれば学歴が低くても出世する可能性大。


▼△▼△


 そんなわけで大卒の即戦力たちが午後に大型バス3台使用して埼玉県の研修施設からやって来た。


 「おお……。」


 会社の駐車場が一気に狭く感じる。
 悠志と千尋はお出迎え。
 彼ら以外にも6人ほどお出迎えしている。
 悠志と千尋は1号車バスに乗っていた40人のうち半分の20人の担当だ。


 バスからは若々しい新入社員が出てくる。
 みんな新しいスーツに身を包んでいる。少し緊張した顔をするものが多い。


 「うわ、若っ……。」


 千尋が隣で呟く。
 悠志は聞こえなかったふりをした。


  





 「ここが企画部です。この階から5階までは企画部に関するフロアです。名前の通り、うちから発売してる商品のアイデアを出しています。社会デザイン科とかデザイン系学部卒業の人が多いです。配属されるのは最初は10人程度かな。」


 悠志が説明をし終えると20人の新入社員は綺麗に2列に並びノート片手にメモをとっている。
 千尋は新入社員の後列につき質問されたら返す程度の役割だ。


 「先輩。」


 「なんでしょう?」
 

 「デザイン系学部ではなくても希望すれば入れますかね……?」


 「そうね、これから各部署に何日か交代でまわってもらうからその時に力量を見せてほしいわ。」


 数ヵ月前、おどおどしていた千尋とはとても見違える姿。
 後輩の成長を目の前で感じられて感無量の悠志。


 めっちゃ大川さん成長した……!




 「ではこの後4時より部署配属についての全体説明会が3階大会議室2であります。それまでは各自休憩などして説明会に備えてください。」




 社内案内、主に話したのは悠志だ。
 実際途中入社した千尋では疎いところもあったのでできなかったが。


 「あー、疲れた……。人生で久しぶりにこんな短時間に疲れた……。」


 フロアの一角にある休憩スペースの椅子に座るや崩れる悠志。
 白い机を挟んで千尋が座る。


 「永江さん、お疲れ様です。これでも飲んで次も頑張っていきましょう!」


 千尋が差し出した紙コップの中にはコーヒー……ではなくオレンジジュース。
 この会社は休憩スペースに無料でコーヒーやジュースのセットされたドリンクスタンドがある。


 「え、オレンジ?」


 「コーヒーにしようとしたんですけど、お話されてお疲れと思って……。果物なので元気になりますよ!」


 「ははは。そうだね、ありがとう。」


 「次の説明会はなるべく私が話しますね!人前で話すの好きなんです。」


 オレンジジュースを会社で飲む日が来るとは。なかなか大川さん面白いな。
 そう思った悠志。






 なお、この日も悠志のジャケットのポケットには小型盗聴機が。
 今の会話もバッチリ鈴鹿の耳に入っている。


 『大川さん、とはどなたですか?』


 『休憩中ならLINE見てますよね?』


 『悠志さん?!』


 『大川さんって何者なんです?』


 『あ、今度オレンジジュース沢山持っていきますね!』


 数えきれないほどのLINEが悠志のスマホに届いたのは言うまでもない。
 しかし残念ながら悠志は自分の部署のデスクにスマホを置きっぱなしなので勤務時間終了まで見ることはなかった。


▼△▼△


 説明会は定時には終わった。悠志は明日以降の資料作りをやりたかったため一時間だけ千尋と残業。(残業は二人以上でやるルール。)
 その後、千尋とは駅で別れた。


 「あれ、今なら古河行きのやつ快速来るよ?」


 「私、ロブレに入ってるTSUTAYAにDVD返さなきゃいけなくて。」


 ロブレとは小山駅に隣接する駅ビルのことだ。


 「そっか!お疲れ様!」


 笑顔で別れる悠志。


 改札を通り歩いていく姿を千尋はただただ見つめていた。


 うわぁ~今日もかっこいいかっこいい!研修指導、同じになってほんと良かった~!明日から仕事頑張れる!!


 すごく足取りの軽い千尋。
 端から見れば仕事を楽しく感じている新入社員と言ったところだ。


▼△▼△


 古河に着いてからは駅に隣接するスーパーで夕食と明日の朝食の買い出し。
 夕食は春キャベツとベーコンを具にペペロンチーノ、えんどう豆と卵をあえたものにする。
 朝食は適当に買っておけば鈴鹿が上手く組み合わせてくれる。
 いつもなら弁当の分も買うが明日は千尋にランチに誘われているので買わない。


 買い終えて帰り道を歩く。
 時刻は7時過ぎ。春先でだいぶ日が延びた。


 コンコン。


 悠志の耳にある音が耳にはいる。


 コンコンコン。


 誰かの足音だ。


 悠志は歩くのをとめる。


 ……。


 何も音がしない。
 悠志はもう正体に気づいてはいたが後ろを向かない。
 むしろ……走り出した。


 コンコンコンコンコンコン。


 後ろからもローファーで走る音が。
 ローファーでよく走れるなと感心する悠志。






 「はぁ、はぁ……。」


 住んでるマンションの前に来て息を切らす悠志。
 その10秒後に鈴鹿がやって来た。
 鈴鹿は一切息をきらしていない。


 「もう!悠志さん、ひどくないですか?いきなり走るなんて。」


 「いや……、は、はぁ……ストーカー……されて……たら……逃げる……だろ?!」


 「そうですかね。そろそろ慣れてくださいよ!」


 「はぁ……はぁ……こんなの……慣れるかよ!」


 会社員と現役JKの体力はもちろん違うのだ。
 そこを勘違いしてはいけない。
 恐るべしJK。










            


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