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会社員(26歳)の俺にJKのストーカーがいるんだが。

伏見キョウ

5.俺とJKとデート +1



  「私、デートをしたいんですよ!」


  鈴鹿と出会ってから1ヶ月ぐらいたった2月初旬。
  いつもより仕事のテンポがよく残業なしで帰宅した。
  そんでもって、新入生の推薦入試の関係で学校が半日で終わった鈴鹿が夕飯に鍋をよういしてくれた。
  二人で鍋を間に向かい合って食べている。
  よく高校生なのに鍋なんか作れるよな……と感心したら『グッグパッドで調べたんですよ~。』と現代っ子ならではの発言。
  まぁ、美味しいからいいんだけど。
  ところで目の前のJKは何といった?


  「私、デートをしたいんですよ!!」


  目をぱちくりさせていたら、もう一度言った。
  少し疲れてるのだろうか。
  糸こんにゃくとこんにゃくを交互に食べて心を落ち着かせる。




  「悠志さん?!聞いてます?」


  机を叩き立ち上がる鈴鹿。
  皿がキーンと振動した。
  

  「こらこら、食事中に立ち上がるなよ」




  「私は!!デートをしたいんですよ!!!」


  「それもう三回聞いたんだけど?」


 「そのまんまの意味ですよ?!
 悠志さんとお出かけしたいのです!」


 「はぁ。んで、行くとしたらどこなんだよ?行き先によって判断する。」


  「それはですね……」


  鈴鹿はキラキラした瞳でスマホの画面を俺に向けた。


△▼△▼


   鈴鹿に『デート』に誘われてから数日後の月曜日。
  本来なら出勤する日。けれど、ここ最近仕事の流れが順調のようで進行し過ぎても……という会社の上の方からのお言葉により本日は休みだ。
  いつもの休みなら午前中はだらだらして、お昼頃から出掛けたりする。
  しかし、今日は朝7時に最寄り駅の西口で待機していた。
  

  通行人の邪魔にならないように隅の方により、壁にもたれ掛かりながらスマホを片手でいじる。
  片手でもできるRPGを進めておく。






  待つこと10分ぐらい。
  「悠志さーーーーーーん!」
  どこからか名前を呼ぶ声。
  見渡せば、鈴鹿が横断歩道を渡って小走りで来た。




  鈴鹿の学校は本日は創立記念日。
 お互いの休みが被ったのでデートに半ば強制で行くことに。
  鈴鹿の要望により駅での待ち合わせ。




  いつも見る私服とは少し違った雰囲気で不覚にもときめいた。
  いつもは黒のストレートの髪型を耳下辺りで2つに分けてまとめいている。ティーン雑誌から出てきたような洋服。白の長袖ブラウスの上に茶色のチェックのワンピース、赤いファーの付いたコートに黒タイツ……めっちゃおしゃれ。
  普段、ストーキング行為ばかりだから気づかないけど鈴鹿は普通に可愛いんだな。


  「可愛いんだな……」


  「ふえっ?!悠志さん、いきなりどうしたんですか?!」


  俺のもとに来た鈴鹿が妙な声をあげた。あ、心の声が出てたのか……。


 「いや、なんでもない。気にすんな。」


 「照れ隠しですね知ってますよ~!」


 「置いてくぞ。」


 「待ってください~!!」
  

  



  ▼△▼△


  平日なので通勤ラッシュにおもいっきり当たってしまったのでグルーン車(指定席のついてる車両)に乗ることにした。
  鈴鹿も最初はためらった。
  「えー、いいですよ、普通の車両で!」


  「いや、痴漢されたらどうすんだよ。それにいつもの路線とは反対方向なんだからくそ混んでるぞ?」


  「うー、、、、」


  「電車代は俺が出すから。」


  「ありがとうございます……」


  最近の未成年厳禁の漫画とかDVDはJK痴漢ものが流行してるからな。いくらストーキングされてる人とはいえ、一緒に出掛けるなら守る義務がある。
  それに何かあったら鈴鹿の親御さんに顔向けできない!




  という訳で指定席に座っての移動ということになり、鈴鹿からのダル絡みに付き合いながらの時間を過ごした。
  



  



 『次は~ワンダフルシティ駅~』
 「悠志さん、次ですよ!」


  電車のアナウンスと鈴鹿の俺を呼ぶ声が重なる。
  どうやら寝てたようだ。
  寝ぼけ眼で降りるよういをする。
  一時間半、、、意外と寝てると短く感じた。
  鈴鹿が先を急ぐように降りる。
  「今何時ぐらい?」
  

  「8時半ですよ!」


  「うわ、まだ開園するまで30分あるじゃん。」


  「いえいえ、こういうテーマパークは入場待機列があるんですよ!そこに並ばないと入れないですよ!」


  今日、鈴鹿と行く『ワンダフル・ステージ・ジャパニーズ(略してWSJ)』はテーマパークだ。映画の世界をテーマに様々なアトラクションがある。
  本来ならテーマパークなんて苦手だが、鈴鹿の親父さんが入場無料チケットを2枚持ってた&鈴鹿が行きたい行きたいと駄々をこねたからだ。
  

  まぁ、楽しめばいいか。




▼△▼△


  無理!!潰れる!!
  

満員電車のなかで大川千尋は心のなかで叫んでいた。
今日は会社が休みということでいつもと逆の電車に乗っている。
今日の目的は『ワンダフル・ステージ・ジャパニーズ』にて行われるコスプレ撮影会にレイヤーとして参加するためだ。


  今回、千尋がコスプレするのはなかなか際どい衣装のキャラクター。だから絶対地元ではできない。
 会社の人とは絶対会わないだろうということで今回の撮影会に参加するのを決めた。


  『次は~、ワンダフルシティ駅~』
  

  車内アナウンスが千尋の心を救った。
  キャリーバックを引きながら電車を降りる。
 

  「悠志さ~ん待ってください!」


  目の前を可愛らしいツインテールの子が通った。
  きっと今の子は彼氏とでも来たのだろう。
  私もいつかあの人と……。




こうして大川千尋にとってすごく長い休日が始まる。 


  



  


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