ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~
SAVE19 ちょっと待って、こんなの聞いてない!?
「ラナシード・ユエル殿下、ご到着ー!!」
そんな中、入ってきたのは。
銀髪の……ラナ、君!?
っていうか、その王子様ちっくな格好はどうしたの!?
「良かった、間に合ったようだね」
「ラナ、君……?」
「ごきげんよう、ミラーセ姫。その華やかな美貌は衰えることはありませんね。そして、リシアス殿下」
ミラーセ姫の手の甲にそっと口づけして挨拶すると、ラナ君はきっとリシアス王子を見据えた。
「我が姫に、何用ですか?」
「な、なぜ、そなたが……?」
すっと瞳を細めて、私の腰を抱き寄せて、微笑んだ。
「サリューン姫がここにいると聞きまして。私と彼女は愛を誓った者同士ですから」
ええええええええええっ!!!!?
き、聞いていません、聞いていませんよぉーーーーーーっ!!
っていうか、ラナ君の優しい瞳が、怖い気がするのは、気のせいでしょうか!?
「そなたは、この国を救った英雄の一人……ラナシード殿下では……ありませんか?」
リシアス王子は困惑した顔で、もう一度、声を発した。
「ええ、そうですよ。それで、彼女をいただくことにしたんです。こんなにも愛らしい方ですから」
にこりと微笑むラナ君の目は、すごく怒っていた。
「えっと、その……」
何といったらいいのか。
「けれど、これはここだけの秘密にしてもらいたい」
ラナ君は続ける。
「このことはまだ、公には発表していないことなので、それまで内密にしていただきたいのです。彼女もそう希望しています」
「あ、はい……」
なんだか、知らない間に知らないことが着々と進んでいるようなんですが、気のせいですか?
「わ……わかりました、ラナシード殿下」
すごすごとリシアス王子が下がり、ミラーセ姫の元へ。
すると……。
ぱんぱかぱーんっ!!
聞き覚えのある、この音は……。
『シルキィキャット、および、ライジングサンのメンバーは、イベントをクリアしました。
ノーマルクリアですので、ボーナスの加算はありません。
引き続き、イベントをクリアしてください』
「え? イベントがまだ続くって?」
ラナ君の表情が変わった。
「えっと……もしかして、おかしいの?」
「おかしいも何も、このイベントが終わったら、後は自動的に帰還するはずなのに……」
「それってどういう?」
「もしかしたら、バグが悪さしているのか……」
考え込むラナ君に、掛ける声をなくしたときだった。
ごごごごごごっ!!
み、妙な音が外から聞こえるんですが!?
「ラナン、大変だよっ!! 魔王軍が攻めてきた!!」
「何だって!?」
ラナ君はすぐさま装備を切り替え(しかも一瞬で!)、外に飛び出した。私も後に続く。
「な、何……あれ……?」
数百体の敵がこっちを……ガルドラシスの城を狙ってきている!?
「ごめん、サナ。すぐあっち片付けてくるから、打ちそびれた木っ端な敵を相手してくれる?」
「わ、わかったっ!」
すぐさま、アイテム欄からロッドを取り出し、構える。
「すぐ戻るから!!」
ラナ君はそういい残すと、数メートルも高さのあるバルコニーから、華麗に飛び降り、魔王軍へと突っ込んでいく。
良く見ると既にセレさんや、ミスティさん、アルフさんにとうさんが、前線で戦っている。
ラナ君が到着したかと思うと……でっかい光線らしきものが、魔王軍を薙いだ。
……なに、あの魔法?
あれ一発で、半数がいなくなったんですけど!?
「さすがは、最強と歌われるラナシード殿下」
いつの間にか、リシアス王子がいて。
「この分なら、ここも大丈夫ですわね」
リシウス王子の腕を抱き寄せるミラーセ姫の姿もあって。
もういちゃいちゃですか!?
変わり身の速さに、私、なんていうか、置いてけぼりなんですけど!!
って、え?
変なのがこっちに飛んでくる?
小さいトカゲみたいなのが、こっち目がけてやってくるんですが!?
トカゲ?
トカゲってもしかして、あの、やっぱり……ドラゴン?
「きゃあああ、いやあああああ!!!」
持ってる魔法、全部、ドラゴンにありったけぶつけましたとも。ぶつけました。
「サナっち、すごい……」
いつの間にか侍女服のキッドもいたりする。いつの間に!?
ぴろぴろぽーんっ!!
『サナはレベルアップした!!』
お陰で、さっき減ったMPがあっという間に補充されました。
レベルアップすると、MP補充されるのね、このゲーム。
いやいや、それどころじゃないよ!
「キッド、大変大変!! 魔王軍が!!」
「うん、でも、さすがはライジングサンだね! ほら見て。そんなに時間経ってないのに、もう粗方やっつけちゃってる」
キッドに言われて、指差された先を見ると、本当に、あと何体か倒したら終わりそうだ。
は、はやっ!?
「一体、何が起きてるんだ!?」
着替え終えたカインさんも駆けつけてきた。
「えっと、魔王軍がやってきて……」
「何だって!?」
「ラナ君達が……やっつけちゃった」
話している間に、マジ、戦いは終わってしまった。
けれど、戦いはそれだけじゃなかったんだ。
殆ど無傷なライジングサンメンバーを迎えたと同時に、他国の使者が来たの。
「大変です! マーベリアが、マーベリアにも魔王軍が迫ってきてっ……!!」
「何だって!?」
ラナ君もびっくりだ。
幸いにも、アクアバランには来ていないらしい。
「こんなイベント、聞いたことがない……せっかく、サナに逢えたと思ったのに……」
「ラナ君、いってらっしゃい!」
「さ、サナぁ~!?」
泣きそうなラナ君を見送るのは、私。
「だって、あの戦い見てたら、やっぱ、行くのはラナ君達がぴったりだと思うの」
「でもでもでもでもっ!! こっちにまた敵が来たら……」
そんなラナ君の声を制したのは、セレさんだった。
「はいはい、そこはボクにお任せあれー! 最強結界しておくから。その代わり、ラナンの力、貸してね? その分、サナちゃんをばっちり守ってあげるから」
にんまり笑うセレさんが、ちょっぴり小悪魔的に見えたのは、うん、気のせいだと思うよ。うん。
「だから」
「「いってらっしゃい♪」」
「さ、サナぁ~~!!」
「いい加減、諦めなさいよ、ラナン」
「サナの言い分も尤もだし」
「俺らが行くのが道理」
ミスティさんに引きづられて、ラナ君はずるずると行ってしまった。
「さてっと、ラナンの魔石ももらってきたし、さくっと結界、張っちゃおうか?」
とっても楽しげなセレさんと、私達は、最強の結界とやらをこの、ガルドラシスに張るために準備を始めたのだった。
そんな中、入ってきたのは。
銀髪の……ラナ、君!?
っていうか、その王子様ちっくな格好はどうしたの!?
「良かった、間に合ったようだね」
「ラナ、君……?」
「ごきげんよう、ミラーセ姫。その華やかな美貌は衰えることはありませんね。そして、リシアス殿下」
ミラーセ姫の手の甲にそっと口づけして挨拶すると、ラナ君はきっとリシアス王子を見据えた。
「我が姫に、何用ですか?」
「な、なぜ、そなたが……?」
すっと瞳を細めて、私の腰を抱き寄せて、微笑んだ。
「サリューン姫がここにいると聞きまして。私と彼女は愛を誓った者同士ですから」
ええええええええええっ!!!!?
き、聞いていません、聞いていませんよぉーーーーーーっ!!
っていうか、ラナ君の優しい瞳が、怖い気がするのは、気のせいでしょうか!?
「そなたは、この国を救った英雄の一人……ラナシード殿下では……ありませんか?」
リシアス王子は困惑した顔で、もう一度、声を発した。
「ええ、そうですよ。それで、彼女をいただくことにしたんです。こんなにも愛らしい方ですから」
にこりと微笑むラナ君の目は、すごく怒っていた。
「えっと、その……」
何といったらいいのか。
「けれど、これはここだけの秘密にしてもらいたい」
ラナ君は続ける。
「このことはまだ、公には発表していないことなので、それまで内密にしていただきたいのです。彼女もそう希望しています」
「あ、はい……」
なんだか、知らない間に知らないことが着々と進んでいるようなんですが、気のせいですか?
「わ……わかりました、ラナシード殿下」
すごすごとリシアス王子が下がり、ミラーセ姫の元へ。
すると……。
ぱんぱかぱーんっ!!
聞き覚えのある、この音は……。
『シルキィキャット、および、ライジングサンのメンバーは、イベントをクリアしました。
ノーマルクリアですので、ボーナスの加算はありません。
引き続き、イベントをクリアしてください』
「え? イベントがまだ続くって?」
ラナ君の表情が変わった。
「えっと……もしかして、おかしいの?」
「おかしいも何も、このイベントが終わったら、後は自動的に帰還するはずなのに……」
「それってどういう?」
「もしかしたら、バグが悪さしているのか……」
考え込むラナ君に、掛ける声をなくしたときだった。
ごごごごごごっ!!
み、妙な音が外から聞こえるんですが!?
「ラナン、大変だよっ!! 魔王軍が攻めてきた!!」
「何だって!?」
ラナ君はすぐさま装備を切り替え(しかも一瞬で!)、外に飛び出した。私も後に続く。
「な、何……あれ……?」
数百体の敵がこっちを……ガルドラシスの城を狙ってきている!?
「ごめん、サナ。すぐあっち片付けてくるから、打ちそびれた木っ端な敵を相手してくれる?」
「わ、わかったっ!」
すぐさま、アイテム欄からロッドを取り出し、構える。
「すぐ戻るから!!」
ラナ君はそういい残すと、数メートルも高さのあるバルコニーから、華麗に飛び降り、魔王軍へと突っ込んでいく。
良く見ると既にセレさんや、ミスティさん、アルフさんにとうさんが、前線で戦っている。
ラナ君が到着したかと思うと……でっかい光線らしきものが、魔王軍を薙いだ。
……なに、あの魔法?
あれ一発で、半数がいなくなったんですけど!?
「さすがは、最強と歌われるラナシード殿下」
いつの間にか、リシアス王子がいて。
「この分なら、ここも大丈夫ですわね」
リシウス王子の腕を抱き寄せるミラーセ姫の姿もあって。
もういちゃいちゃですか!?
変わり身の速さに、私、なんていうか、置いてけぼりなんですけど!!
って、え?
変なのがこっちに飛んでくる?
小さいトカゲみたいなのが、こっち目がけてやってくるんですが!?
トカゲ?
トカゲってもしかして、あの、やっぱり……ドラゴン?
「きゃあああ、いやあああああ!!!」
持ってる魔法、全部、ドラゴンにありったけぶつけましたとも。ぶつけました。
「サナっち、すごい……」
いつの間にか侍女服のキッドもいたりする。いつの間に!?
ぴろぴろぽーんっ!!
『サナはレベルアップした!!』
お陰で、さっき減ったMPがあっという間に補充されました。
レベルアップすると、MP補充されるのね、このゲーム。
いやいや、それどころじゃないよ!
「キッド、大変大変!! 魔王軍が!!」
「うん、でも、さすがはライジングサンだね! ほら見て。そんなに時間経ってないのに、もう粗方やっつけちゃってる」
キッドに言われて、指差された先を見ると、本当に、あと何体か倒したら終わりそうだ。
は、はやっ!?
「一体、何が起きてるんだ!?」
着替え終えたカインさんも駆けつけてきた。
「えっと、魔王軍がやってきて……」
「何だって!?」
「ラナ君達が……やっつけちゃった」
話している間に、マジ、戦いは終わってしまった。
けれど、戦いはそれだけじゃなかったんだ。
殆ど無傷なライジングサンメンバーを迎えたと同時に、他国の使者が来たの。
「大変です! マーベリアが、マーベリアにも魔王軍が迫ってきてっ……!!」
「何だって!?」
ラナ君もびっくりだ。
幸いにも、アクアバランには来ていないらしい。
「こんなイベント、聞いたことがない……せっかく、サナに逢えたと思ったのに……」
「ラナ君、いってらっしゃい!」
「さ、サナぁ~!?」
泣きそうなラナ君を見送るのは、私。
「だって、あの戦い見てたら、やっぱ、行くのはラナ君達がぴったりだと思うの」
「でもでもでもでもっ!! こっちにまた敵が来たら……」
そんなラナ君の声を制したのは、セレさんだった。
「はいはい、そこはボクにお任せあれー! 最強結界しておくから。その代わり、ラナンの力、貸してね? その分、サナちゃんをばっちり守ってあげるから」
にんまり笑うセレさんが、ちょっぴり小悪魔的に見えたのは、うん、気のせいだと思うよ。うん。
「だから」
「「いってらっしゃい♪」」
「さ、サナぁ~~!!」
「いい加減、諦めなさいよ、ラナン」
「サナの言い分も尤もだし」
「俺らが行くのが道理」
ミスティさんに引きづられて、ラナ君はずるずると行ってしまった。
「さてっと、ラナンの魔石ももらってきたし、さくっと結界、張っちゃおうか?」
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