ライジング・サーガ ~初心者エルフとチート魔人~

秋原かざや

SAVE16 偽りの王女、ガルドラシスへ!

 船に乗って、私達は馬車に乗り継ぐ。
 目指すは、アクアバランの隣国、ガルドラシス。
 なのだが……。
「あの……ねぇ? ちょっとこれ、苦しいんだけど」
 きっついコルセットを付けて、王女風のドレスを身に纏うのが……この私。
「姫、そんなこといわないでくださいましー。なんてね」
 侍女っぽい服装をしているのが、キッドさん。
「もう少しで着くと聞いているから、それまでの我慢だよ」
 そっと耳打ちするのは、騎士服そのままのカインさん。


 今、私達は、王女の身代わりとして、ガルドラシスを目指している。
 ガルドラシスで開かれる、大きな舞踏会に参加するのが、私の役目。
「って、なんで冒険者の私が、こんなことしてるのー!?」
 アクアバランの王女様殺人未遂事件を解決した私達。
 その後の流れにうっかり、引き受けてしまったのは……実は、私のせいだったり。
 はあ……でも、だからといって、王女様を連れて行くわけにも行かないってことで。


 私が王女様の身代わりをやることになりました!!
 で、騎士のカインさんは護衛役。ぴったりということでそのまま。
 そして、キッドさんはというと。
「サナっちはいいよー。あたしは、侍女なんだからさー。召使いってやつだよー」
 ぶーたれていた。
「とにかく、まずは舞踏会に参加して、王女が来たってことを示して、さっさと帰る。これだね」
 カインさんが言う。
 その通りだ。
 とにかく、ボロを出さないようにがんばらなくては!!


 ………あれ?
 私って、姫らしいこと、知ってたっけ?
 答え、ありません。
 ……………。
 ………………どきいいっ!! も、もしかして、いろんな意味で……ピンチ?


「あ、あの……私、姫っぽいこと、全く知らないんですけど」
「だろうねー」
「そこら辺は分かってると思うよ」
 キッドさんとカインさんがそう言った。
「そ、そうなると……ボロ出しやすく、なるのでは?」
 キッドさんとカインさんが顔を見合わせた。
「あれ? 聞いてなかった? サナっち」
「へ?」
「向こうのダンスが特殊だから、数日教えてくれる手筈になっているよ」
「へ?」
「だから、だいじょーぶだよ。きっと」
 つまりは、そこで学んで、参加しろってこと……ですか?
「「そういうこと!」」
 どうやら、私がドレスに着替えている間に、そんな話があったそうで。
 それならそうと言ってよ、もう。
 びっくりしちゃうじゃないのー!!


 でも、舞踏会なんて、初めて。
 できれば、ラナ君と一緒に参加したかったな……。
 ラナ君、元気にしているかな?
 私のこと、探してくれてるかな?
 そう思うと、鼻がつーんとしてきた。
 いや、まだ泣いちゃだめだ。
 とにかく、引き受けたからには、しっかり任務を全うしなくては!!


 でも……どうして、王女を狙ったんだろう?
 王女をわざわざ舞踏会に呼ぶ、理由ってなんだろう?
 疑問は絶えないけど、まずは。
「サリューン王女、もうすぐ城です」
「はい」
 こうして、私はガルドラシスの城へと入っていったのです。

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