私、これでも副会長なんだけど!?

秋原かざや

蒼きラインディーヴァ

 先生は玄関近くの廊下の壁に手をつけた。
 ぴっ。
 え? なんですか、そのぴって音は!?
『指紋認証完了』
 そういう機械的な女性の声が聞こえると。
 ごあーっと、壁がなくなりました。
 いや、そこが開いて、エレベーターの入り口が出てきました。


 ……えええええ!?


「はいどうぞ」
「あ、はい」
 促されるままに、ひょいっと乗って。
 ういーんという音と共に、とてつもない地下まで運ばれました。
 またまたういーんという音と共に扉が開くと。
「はい、到着」
「ええええええっ!?」
 そこには、さっき、美柚ちゃんが乗っていたのと同じラインなんちゃらという戦闘機と同じ形をした蒼い色の戦闘機がいた。
「この子の名前は、カリスだよ。よろしくね」
「ああ、カリスちゃんですか。どうぞ、よろしくお願いします」
 思わず、ぺこりと頭を下げて。
「そうじゃないよっ!!」
 ツッコミを入れた。先生に。
「うん。この子はさっきの子のプロトタイプ。だから、ちょっとピーキーな調整されているけど、沙奈なら、大丈夫だから」
 にっこり微笑んで、私をそれに乗せます。
「いやだから、何で私がこれ乗るんですかっ!?」
「え? 知らないの? シミュレーターで好成績出してるのは、さっきの美柚ちゃんと、君だけなんだよ?」
「だから、どういうことなんですか!?」
「この学園はもともと、ラインディーヴァのパイロットを育成するための学校だってことだよ。まあ、表向きは体育会系に特化した学校のように見せかけてはいるけどね」
「え? ええ?」
 にっこりと先生は続けます。
「僕も後ろに乗るから、安心して。ね?」
「いや、そこ安心するとこじゃないですし、第一、私、これ操作したこと……えええええええええっ!?」
 なんていうか、乗ったら分かっちゃいましたよ、これ。
 いつも乗らされてたサイクルシミュレーターのシートと同じじゃないですかっ!?
「ね? 動かせるでしょ? やり方、知ってるよね?」
「ででで、でも、出口がないですよっ!!」
 ついでに私も出口がふさがれてます。
 ばこんとパイロット席の蓋が閉まって、同時に自動でシートベルトがされました。後ろで座って、先生はコンピューターのボタンを押しているのが聞こえます。
「大丈夫だよ。僕がついてる。沙奈はいつも通り、シミュレーションをしていればいいんだよ」
「ででで、でも、私、そのっ!!」
「往生際が悪いね? とにかく、出口はもうすぐ開くよ」
 先生の言うとおり、目の前の扉がくわーっと開きました。
 トンネルのようなのが現れて、ライトが点灯されます。
「えっとえっと、確かこうやって……こうっ!!」
「正解」
 ういーんと戦闘機が動き出しました。
「えっとその、次は?」
「後はこっちでやるよ。沙奈は操縦桿を握ってて」
「え? あ、はい……って、きゅわあああああああ!!」
 凄いGがかかって、ぎゅーんと飛び出しました。
 どこからか飛び出して、気づいたら、私達は空にいました。
 って、ええええ、マジに飛んじゃってるよっ!!
「ほら、そろそろ始まるよ。前を見て。やり方はわかるよね?」
 先生に言われて、私は前を見る。
 コクピットから見える敵の影。
 確かシミュレーターでは、その影に照準を合わせて、撃つだけだった。
「えっと、撃っちゃっていいんですか?」
「遠慮なんていらないよ。向こうはこっちを殺しに来てるんだから」
 うわ、今、かなり物騒なこと言いませんでしたか、先生!!
 私はすぐさま照準を合わせて、ミサイルっぽいのを撃ち込む。
 すると、面白いようにぽこぽこ当たってくれるではありませんか!
 それの気持ち良いこと、気持ち良いこと!
「ほら、次が来るよ」
「は、はいっ!!」
 そのままばんばん撃ち込んでいって。
 気づいたら、赤い機体が隣に来ていました。
『ちょっと、そこのラインディーヴァ! そこに乗ってるの誰!?』
 美柚ちゃんだ。
「あ、美柚ちゃん、大丈夫だった?」
 私が声をかけると。
『な、なんで副会長が乗ってるワケ!? 生徒達を誘導してるんじゃなかったのっ!? っていうか、なんで、パイロットになってんだよっ!!』
 なんだか、ちょっと乱暴な口調になってるのは気のせいかな?
「彼女にも適正があったってことだよ、望月さん」
 先生が代わりに答えてくれました。
「ほら、望月さん。そろそろ最後みたいだ。アレを倒せばラストだよ」
 そういって、先生が指差した先にあったのは。
「ななな、何あれっ!!」
 でっかい母艦のような、シャドウなんちゃらでした。
 ええええ、アレを打ち落とせるんですか、たった2機でっ!!

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