私、これでも副会長なんだけど!?

秋原かざや

今日はエイプリルフールですか!?

「ふえええええええっ!!!」
 思わず、私は大声を上げてしまった。
「はい、柊さん。元気があっていいですが、ちゃんと席に座ってくださいね?」
 めめめめ、目の前にいるのは、ついさっき会った、素敵な男性こと。


 かつかつかつっと、綺麗な字で彼は、黒板に自分の名前を書いた。
「では、改めて。このクラスの担任になりました、浅樹羅那あさぎらなといいます。担当は英語となります。皆さん、どうぞよろしくお願いしますね」
 にこっと、えっと、その。


 なんで、私に向かって、笑顔を振りまいているんですかっ!?
 というか、私の担任の先生でしたかっ!?


 もう、どこから突っ込めばいいか分かりません。
 思わず、教室に張られているカレンダーを凝視しちゃいましたよ。ええ。
 残念ながら、今日はエイプリルフールじゃなくて、4月6日でした。
 ついでにほっぺたも、つねってみます。
「いたたたっ」
 そんな様子を見て、浅樹先生は、にこにこと微笑んでいらっしゃいます。
 ううううううう。
 だ、だから、その笑顔が、心臓に悪いというか。
 心臓が、ハードにうごきっぱなしで、死にそうです。いろんな意味で!


 そんなこんなしている間に、ホームルームは終わっちゃってて。
「柊さん、みんな帰っちゃいましたよ?」
「ふ、ふわいっ!」
 いいいいい、いつの間にか、先生と二人っきりなんですががががっ!!
「かかかか、帰りますっ!!」
 がたがたと急いで鞄にプリントとかを詰め込んで、立ち上がって。
 がしゃーんっ!!
 えっとその、盛大に鞄から零しました。
 入れたやつ、全部(涙)。
「そんなに慌てなくてもいいのに」
 先生は落ち着いた様子で、それを拾ってくれます。いや、拾わなくていいですからっ!!
「すすす、すみませんっ! ありがとうございますっ!!」
 奪うように先生の拾った筆箱を受け取って。
 かしゃーん!!


 コントかっ!!
 泣きながら、自分に突っ込みました。
 ついでにくすくすと先生の笑い声が聞こえるのは、うん、気のせいということにしておきます。はい。
「ううう、とととと、とにかく、ありがとうございましたっ!!」
 もう一度、拾おうとして。
「あっ」
 先生と手と手が触れ合った。


 ぼぼぼぼ。
 顔が、急に突然、マッハに熱くなった。
「もうそれ、いいですっ!!」
 ばっと離れて、鞄を掴んで帰ろうとした。
 したんだけど、先生が手を掴んだ。
「駄目だよ、これ忘れたら困るでしょ?」
 すっと、スマートに先生は、私の筆箱を鞄に入れてくれて。
 ぽんと肩を叩いて。
「さようなら、柊さん」
「さ、さようならっ」
 なんだか、見送る先生を見て、きゅんとしちゃったのは、うん、気のせいだと、思いたいっ!!


 ねえ、明日から私。
 生きていられるかな?
 本当に、いろんな意味で。

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