私、これでも副会長なんだけど!?

秋原かざや

ええ? この子が!? イケメンハンター美柚

 忙しすぎるコンクールが終わって、ちょっとだけ、落ち着いたある日。
 私は学食でのんびりと昼食タイムを満喫していたとき、でした。


「あ、副会長さん!」
 どこからともなく、声がかけられました。
「へ?」
 振り返ると、そこには、可愛らしい女の子。
 にこにこと愛らしい笑みを見せている。
 首元を揺らすリボンの色は……え? 1年生の色!?
 って、ことは、後輩?
 そんな風に彼女を見ていると。
「蒼君が迷惑かけちゃったみたいでごめんなさい。でも蒼君も悪気があってしたことじゃないの」
 ちょ、ちょっと待って! 蒼君って、もしかして、会長のこと!?
「これからは大丈夫だから。生徒会のお仕事もがんばってって言ったから、きっと大丈夫。迷惑かけて、本当にごめんなさいね」
 って、なんだか、ちょっと上から目線なのは気のせい?
 それよりも、すっごく気になるのは。
 神々しいキラキラ的なオーラ。
 ちょっと、威圧的な何かも加わっているのは、気のせい?
 顔は普通より、若干可愛いかなって感じだけど。
 けど、こう、守ってあげたい気持ちになる、これはなに?
 ううん、ここはこうじゃない。
「あなたの名前は?」
 そう、あなたの名前を聞かなくては!!
「あ、申し遅れました。望月美柚です。これからもよろしくお願いしますね、副会長さん」


 !!!!!
 お兄ちゃん、見つけたよ!! 諸悪の根元が!!


 にこっと微笑んだ美柚ちゃんは、そのまま、帰っていきました。
 私は呆然と彼女を見送って。
 っていうか、それしか出来なかったよ!!
 あんだけ、やられた敵というか、相手が、あの、女の子!?




「ああ、あの子ね。生徒会だけじゃないわよ」
「そ、それってどういう?」
「2組の土門雄二君とか、1年の春日部春樹君も、ちょっと格好良いなって子は、全部、彼女に夢中になってるの」
「え? そ、それって……」
「なんか、やさぐれるわよね、学園のアイドル、全員、彼女にくびったけなの」


 ちょっと調べてみたら、出るわ出るわ出てくるわ。
 学園のアイドルというか、イケメン、全員……彼女の毒牙にやられてる。
 ちなみに会長達は、その後も全く機能しませんでした。
 泣きながら3学期を終えて、新学期を迎えたのです。



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