VRMMOをガチャで生き抜くために

りっきー

85話──最終決戦

「んー。どうするか。」
俺の剣術では絶対に勝てないので、不意打ち作戦しか無いのかな。

「私が鬼人を牽制しますので、グレイスさんと主に不意打ちしてもらうのはどうですか?」

「1人で大丈夫?」

「どうでしょうか。やってみないと分かりませんね。」

(ふむ。でも、あの殺気で我は動くのは大変なのも考慮していただきたいです。)

「そうだな。」
従魔達はHPがゼロになると、特定のアイテムを使うか、ゲーム内で明日になるまで従魔を召喚出来なくなる。しかし、亜空間に居るので話す事は出来る。

「じゃあ、リルに囮を頼んで俺とグレイスは不意打ちを狙おう。あ、グレイスは攻撃出来る時だけでいいからね。」

(ありがとうございます。すいません。)
グレイスがとても申し訳なさそうに言った。

「では行きますか。リルよろしくね。」

「はい! お任せ下さい。」
これぞ王者の風格だ。いつも以上にやる気に満ちいてるように見える。俺はリルに乗り、鬼人の所へ向かった。




「やっぱりまだ居たか。」
壊れた家の奥の方からとてつもないオーラを感じる。

「じゃあ、作戦通りに行くぞ!」

「はい!」

(はい!)
グレイスも何とか行けそうだ。

「はっ!」
リルは剣を前足の爪か牙で受け止め、俺達にヘイトが行かないようにしている。

「よし。いい感じだ。あとはこの剣でどれだけ攻撃が与えられるかだな。」
俺はスキル【疾走】で一気に詰め寄り、鬼人に斬りかかった。しかし、鬼人はスキルを使用して、素早い剣技で俺の攻撃はいなされた。

「くそう。まだ無理か。グレイス行けるか?」

(はい。何とか。)

「じゃあ次は2人で攻撃を合わせよう。」

(分かりました。)
俺達は息を合わせて攻撃をした。すると、グレイスの攻撃が当たった。

「やったー!」
しかし、あまり致命傷にはなっていないようだ。そればかりか鬼人に与えた傷は回復している。

「え...まじかよ。リル、グレイス、撤退だ!」


「私は後から追っかけますので、2人で先に言ってください。」

「分かった! グレイス!」

(はっ!)
俺はグレイスに乗りテントの方へ向かった。

「リル大丈夫かな?」

(きっと大丈夫ですよ。)




俺達がテントに着いた時、既にリルは帰ってきていた。

「あれ? リル帰ってくるの早くない?」

「ええ。全力で走ったので。」

(流石ですね。)

「そんな事より、鬼人の事はどうする?」

「私は諦めた方がいいと思いますよ。」

「我もそう思います。」
そんなこんなで俺達の鬼人討伐は失敗に終わった。

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