Unlimited cross city

ノベルバユーザー234055

2:encounter#3

「_______は、」
「うん、混乱するのもよく分かる。だけど本当なんだ。」
いつになく真剣な顔つきで話すルクの気迫に押され、思わず頬に冷や汗が流れる。
「こ、根拠ってあるの?ルクくん…」
恐る恐るモカが尋ねる。
「うん、あるよ。」
「…………」
しっかりとモカを見据え、はっきりとルクは告げた。リウカは全身に鳥肌が立つのを感じた。
「…根拠を言おうか」
ルクはリウカの隣に座り、抱えていたノートPCを開いた。機械音が鳴り、稼働した。
「僕は情報収集でよく使う掲示板を見たんだ。そしたら案の定、この不審者についてのスレがあったよ。」
ルクは残像が見えるほど素早くタイピングして掲示板を開いた。
「ここにいる人達は全員不審者に問いかけられた人なんだ。その人達はこう聞かれてる」

バサッ

音を立てて、リウカのパーカーのフードがルクによって取り払われた。
「『白髪で、黄色い瞳を持った16歳の少女を探しているのだが、知らないか』ってね」
突然のルクの行動に驚きを隠せないリウカの顔半分は、確かに一致している。
真ん中の分け目で綺麗に変わっている白髪。フードで隠すようにしていた目は黄色い。
「この町の役所の住民票にハッキングして情報を見ても、この情報に一致しているのは…リウカだけだったよ…」
リウカ混乱していた。何故自分が不審者に狙われているのか。何故_______ずっと隠し通してきたこの容姿を知っているのか。
だが、そんな事よりも______________
「…ルク、その情報はマジだよな…?」
「……………勿論。」
「そうか。」
「ね、ねぇリウカちゃん…警察に、行った方が…」
モカが心配そうに声をかけてくれる。だが、そんなことするわけない。
「……………っ、なーにいってんだ!こんな面白そうなこと、私が見過ごすわけないだろう?!」
今までのシケた雰囲気をぶち壊すように、元気よく立ち上がり、リウカはドアに向かった。
「リウカちゃん!?」
「さ、流石に危ないと思うよ?!」
モカとマスターが声を揃えてリウカを引き留める。だがリウカはドアノブに手をかけ、出ていってしまった。
「……………ごめんね、リウカ、ああいう奴だからさ…」
ルクも立ち上がり、ドアに向かう。
「じゃあね、モカ…大丈夫。僕があいつ見ててあげるから…」
最後に「ごちそうさまでした」と軽く頭を下げ、ルクはリウカを追った。
「………リウカちゃん…」
「まぁまぁ、ルク君がついてるなら大丈夫だろう。」
「…………はぁ」
「…じゃあ、あの人に連絡入れておこうか」


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