#140文字小説

北西時雨

2018/08/11

満月の夜、教会広場に人狼が出る。そんな噂が流れる街。誰も信じてなかった。夜の街は危ないから出てはいけないと子供に聞かせる方便だと。しかし僕は見た。広場の中心、名も知らぬ女神像の前に立っていた。長い銀色の髪をなびかせ、頭の上にはピンと立てた狼の耳を持つ、美しい少女を。

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